世界のFC東京

2008年10月23日 (木)

知名度という才能

民主党の青と、共和党の赤。そしてレイズの青と、フィリーズの赤。2008年の秋、アメリカ合衆国は(僕がテレビをザッピングしている時間帯にかぎっては少なくとも)この2色の話題で持ちきりである。もっとも後者、つまりMLBのチャンピオン決定戦についてはまさかこれほどド地味なカードになるとは思わなかったけど。予想していた事とはいえ、この国ではサッカーの匂いがしない。もちろんフットボールといえば話は別だ。月曜の夜から各地でヘルメットをかぶった大男たちが楕円形のボールを追って肉弾戦を繰り広げている。

早朝しか自由に使える時間はない。時差ボケでおかしくなっている身体を叩き起こすために、走る。夜明け前のマンハッタン、グランドセントラルから北へ。なんとなくインプットした地図を思い描き右へ左へ寄り道しながらセントラルパークを目指す。開店時間に行ってみたかったアップルストア、アバクロ(Abercrombie & Fitch)のショップを通過。途中、耳にイヤホンをさして走るジョガー数名に遭遇する。太腿を露わにして走る金髪のポニーテール、じっくり観察するわけにはいかないがきっと美人。CMのイメージそのもののだ。

ヤンキース、そしてメッツ。マンハッタンのど真ん中にオフィシャルグッズストアがある。あんなボロボロのホテルでも300ドルを超える一等地、店を構えるだけで凄い事だ。銀座ソニービルの横に"F.C.TOKYO Clubhouse"がオープン、100年以内にそんな時代がやってくるだろうか?長生きしたいものである。20分近く走ってうっすらと汗ばんできた頃、広大なセントラルパークの南端に到達。公園内にある動物園特有の臭いを感じながら『一応セントラルパークをジョグしてみた』と言えるだけの時間、走ってみる。以上で観光、終了。

BとSの間には巨大なる格差が存在する。MLSのレッドブル・ニューヨークはグッズストアはおろか、ホームスタジアムすらニューヨークにない。お隣のニュージャージー州でNFLのジャイアンツスタジアムを間借りしているのが現状のようだ。それでもニューヨークを名乗る理由…事情はよく知らないが、成田にあるのに東京を名乗る空港、そして浦安にあるのに東京を名乗るテーマパークのようなものなのだろうか。とにかく“足でやるほう”のサッカーというスポーツの存在をこれっぽっちも感じさせないメトロポリスなのであった。

そういう意味でデイビッド・ベッカムというアスリートの偉大さを再認識させられた。USA TODAY、そしてESPN。ベースボールの母国でワールドシリーズの詳細が報じられるさなか、彼のミランへのレンタル移籍についてはしっかりとページと時間が割かれていたからだ。サッカーは見ないけどベッカムは知っている。知名度という天性の才能。比較対象として甚だ不適当かと思うが、やはり平山相太はベッカムなのだ。Jリーグは見ないけど、FC東京は知らないけど、ヒラヤマだったら…。彼こそは東スポに載る唯一のFC東京。

比類なき存在感、しかしそれを覆い尽くす停滞感。あとひとつ、もうひとつ突き抜けるために、平山相太に求められるプラスアルファはいったい何なのだろうか。そんな事を考えながら再び夜明けを迎える。もちろん考えても考えても答えは出ない。自問自答の連続、一番苦しみもがいているのが平山本人である事を信じる。さてと…気分転換にひとっ走りしてくるか。サンフランシスコの郊外、摂取過多のカロリーを少しでも消費しなければ。ゆっくり走りながら他の事を考えよう。今朝のテーマは…うん、そうだ、アレしかない。

どうしてアレで「そうたん」と読むの?

2008年10月23日付
現在の青赤指数=55(→)
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■■■■■■■■■■
20絶望
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30暗鬱
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40不安
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50平常
■■■■■□□□□□60希望
□□□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎フクアリ「アウェー自由席」余っています

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2008年10月21日 (火)

ブルーノさんをさがしにいくよ

やぁ ぼくは あおベア

にちようびのよる ごしゅじんさまに むりやりスーツケースへおしこまれたんだ それからすごくながいじかん きゅうくつなおもいをさせられたけど やっとかいほうされたよ ふう つかれたなあ せなかもこしも ちょっといたいや

めがさめたら そこはとてもおおきなくうこうのロビーだったよ ごしゅじんさまは ここがニューヨークの「ジェイエフケーくうこう」だよって おしえてくれたんだ さすが じょうふくかんとく アメリカでもゆうめいなんだ びっくりしたよ

きねんさつえいしたあと ごしゅじんさまは すぐにぼくをスーツケースにかくそうとするんだ もうすこし けしきをたのしみたいのに もんくをいったら ごしゅじんさまは すこし こまったかおをしながら いろいろと いいわけをした

ふつうサラリーマンは“しゅっちょう”にベアはつれていかないから このことがばれたら“じょうし”のおやじさんに どつかれてしまうから あたふた ごしゅじんさまは さっきからこそこそしていて おちつかない すこしあやしい

まるでスパイみたいだね ごしゅじんさまにいったら しずかにうなずいて そうだよきみはこれから「スパイこうどう」にうつるんだって ごくひめいれいをうけた おどろいたなあ ぼくはきょうからスパイなんだ どきどきしてきたよ

しかもそのもくてきが ブルーノさんをさがすことだってきいたから もっとびっくりしたんだ こだいらグランドでかわいがってくれたブルーノさん たしかブルーノさんも ニューヨークをけいゆしてブラジルにかえったんだよね

やったー はやくブルーノさんにあいにいこう!

マンハッタンをうろちょろしている ばあいじゃないよ はやく くうこうにもどろうよー ところが ごしゅじんさまは きゅうにこわいかおをして ここでぼくとはおわかれだっていうんだもん もうなんだかわけがわからなくなってきた

いっしょにブラジルにいこうよー ごしゅじんさまは またぶつぶつ いいわけをはじめた ベアだったら こうくううんちんや ねんりょうサーチャージがかからないとか “しゅっちょう”がどうのこうの “じょうし”がどうのこうのって

ごしゅじんさまはニューヨークでブルーノをさがすって ぼくにだってわかるよ あのひょうじょうは おとながうそをつくときのずるいかお それにきづいてきづかないふりをするなんて ぼくはどんだけゆうしゅうな ベアなんだろ

ごしゅじんさまは めをまっかにして しんばいだっていってくれたけど あれはただねむいだけなんだとおもう “ブログ”がどうのこうの “オチ”がどうのこうのって なんだか ぼくいがいのことを しんぱいしているみたい うーん

なんだかとてもひどい ごしゅじんさまだけど まぁいいや さむいニューヨークより あたたかいブラジルがいいもんね ブラジルはとてもひろいくにだけど じぶんをしんじていれば きっとみつかるさ もう ぼくに まよいはないぞ

さぁ ブルーノさんをさがしにいくよ!

2008年10月21日付
現在の青赤指数=55(→)
■■■■■■■■■■10発狂
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20絶望
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30暗鬱
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40不安
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50平常
■■■■■□□□□□60希望
□□□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎こんなオチでとってもごめんなさい

「きんゆうふあんだよ」
109_bear_in_newyork

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2008年5月 2日 (金)

森のスタジアム(7)

フランクフルト対コトブスの一戦は大きな盛り上がりをみせる事なくスコアレスで前半を終了。稲本潤一はボランチとして安定感に富んだプレーを披露してくれた。僕の中の数限りあるサンプルと比較するならばこの夜の稲本の動きは福西祟史のそれに類似していた。中盤の底でボールの動きにあわせて右へ左へゆっくりと“ジョギング”を続ける中で、機をみては突然スピードを上げて相手にガツンと身体を寄せる。その緩急の使い方はさすがと唸らされるものだった。妙な喩えだが獲物の仕留め方としては「カメレオン」なのかなと思う。自慢の走力と体力で相手を追い詰める「チーター」ではなく、あくまで自分の間合いだけの勝負に徹するスタイル。それまで無関心を装っていたのに、ある一線を越えて接近してきた敵は長い舌で確実にペロリと。稲本以外に興味がないという状況のおかげで僕はサッカー観戦の面白さを再認識する事になった。普段はどうしてもボール中心に目で追ってしまうところを完全に割りきって“イナモト定点観察”というべきカメラ・モードに固定する事ができたからだ。こうするとボールから離れた時のポジション取り、攻め込まれた時のマークの受け渡しといった動きが非常によく見えてくる。

ハーフタイムにはスタジアム内の売店でホットドッグとコーヒーを購入。パサパサしたパンと油っぽいソーセージはお世辞にも美味いとはいえないものだった。もっとも「日本のスタジアム・グルメの方が遥かにレヴェルが高い」と断言するには躊躇われるのが飛田給の住人としての悲しき本音である。他方、熱いコーヒーは期待を裏切らない。味にこだわりがあるわけではない。苦味、酸味、そんなものはどうでもいい。僕が支払った2ユーロは熱エネルギーへの対価だ。時刻は21時30分。本当に泣きたいくらい寒かった。

後半開始。稲本は完全に消えていた。いわゆるプレー評に用いられる“消える”ではなく、物理的にピッチから姿を消してしまったのだ。そんな馬鹿な事があるか。抑揚のない前半ではあったが、ボランチの位置でミスなく右へ左へボールを散らしながら試合をコントロールしていたのは間違いなく稲本だった。交代する理由はどこにもないはずだ。周囲の人々に理由を尋ねても一様に「?」を顔に浮かべていた。
稲本の負傷による交代、日本代表の中東合宿不参加という事実を知るのは、帰国後に成田空港で東京中日スポーツを購入するまで待たされる事になる。
唯一の興味対象を奪われた僕は集中力を欠いたままピッチを眺める事になる。そして数分後、実は売店に行っている間にアウェーチームが先制点を奪っていた事実に気づき苦笑する。旧東ドイツ地域に位置するコトブスから遥々やってきたサポーターは「ドイツ野鳥の会」の力を借りずとも数えられそうな少数勢力。そんな彼らがどれだけ自軍の得点に沸こうとも売店エリアまでは伝わってこないわけだ。

統制の取れたゴール裏からはドラムのリズムに合わせて定番の楽曲がメドレーで披露される。その迫力と声量は圧倒的なもの。現在Jのクラブでこれに太刀打ちできるのは(悔しいけれど)埼玉スタジアムの皆様くらいなものだろう。何とも羨ましいのは、チャントによってはバックスタンドのサポーターも立ち上がって参加するという「ローカル・ルール」が存在する事だった。フランクフルトが攻勢に転じるさなか、そのチャントが始まった途端に地鳴りと轟音が3割増で膨れ上がるのだ。ピッチ上からその変化を感じ取った選手たちはどんな気分になるのだろう。少なくとも僕はその瞬間鳥肌が立った。そして空気を読んでしっかり立ち上がった・・・飛田給でコレができたら素敵だろうなと思いながら。
追撃体制に入ったホームチームを大声援が後押しする。観光客から完全に当事者意識を持った応援者に切り替わった僕にとって、残る課題はゴールシーンに沸くスタジアムをこの目に焼きつける事であった。皮肉にもそれは稲本との交代で投入されたブラジル人プレイヤーによって生み出される事となる。背番号30の左足から放たれた鮮やかなミドルシュートがネットを突き刺した瞬間、スタジアムは完全に街の一部となった。

幸運にもその後フランクフルトに勝ち越しゴールが生まれ、初めての海外サッカー観戦はこの上ないハッピーエンドを迎える事となった。笑顔とハイタッチは世界共通言語。前後左右の「笑うドイツ人たち」ともすっかり打ち解けた。ロスタイムに入りフランクフルトの勝利が濃厚となった頃、僕の耳に聞き慣れたメロディが飛び込んでくる・・・嬉しいな、これだったら僕にも歌える。

森のスタジアムが勝利の余韻に浸る人々の歌声で包まれる。大声で「間違った歌詞」を叫ぼうと誰もそれに気づかない。霧雨に煙るピッチを見下ろしながら、僕ひとりだけ“ノブ・ゴール”を歌い続ける。




□動画 「駅の段階でこの状況」
□動画 「野太い声が響き渡る」
□動画 「逆転ゴールの数秒後」

「森のスタジアム」
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2008年4月28日 (月)

森のスタジアム(6)

□前回までのあらすじ
3月下旬、ドイツ・フランクフルト。初の海外サッカー観戦について書き残そうと思い、市場だのパブだの電車だのサッカーを匂わせる情景についてダラダラと綴ってきたのだが、城福東京の躍進でそれどころではなくなり更新が滞ってきた「世界のFC東京」シリーズ、その第6回(全7回)。やっとの事でヴァルト・シュタディオン(森のスタジアム)に到着・・・

DB(Deutsche Bahn=ドイツ国鉄)の駅には改札口がない。切符を買うタイミングを逸したまま電車に乗り込んだ僕はそのまま「Stadion」駅の外に出てしまった(もちろん違法行為。摘発されたら最高40ユーロの罰金が課されるため自主的に切符を購入しておかねばならない・・・日本人の誇りにかけて自主的に駅員さんを捕まえて運賃を支払った事はアピールしておく)。小雨が降り続く中、スタジアムへ続く細道を歩いた。左は線路、右は森。飲食物やグッズを取り扱う屋台が並ぶ景色は何ら違和感を感じさせなかった。グッズといえば一番気に入ったのがアウェー(エネルギー・コトブス)のサポーター向け特製マフラー。“COTTBUS 2-0 BAYERN”と堂々デザインされている、おそらくはインディペンデントな非公式グッズ。下位に沈むマイナークラブにとってリーグの雄たるバイエルン・ミュンヘンを破った一戦はそれだけでマフラーにしてしまうほどの快挙なのかもしれない。ちなみにこの試合は前節、わずか5日前に開催されたのだから驚かされる。感動というナマモノの賞味期限が切れぬうちに商品化を急いだ生産者の商魂とフットワークの軽さに敬意を表したい(買わなかったけれど)。普段はオフィシャルグッズしか購入しない主義なのだが、飛田給駅の付近で先の東京ダービーや多摩川クラシコの劇的勝利を記念したマフラーなんてものを見せつけられたらさすがに食指が動くかもしれない。

平日開催で対戦相手は残留争いを展開しているコトブス。『フランクフルトなら余裕で当日券は買えるでしょう』明大前のスポーツバーでそんなアドバイスをくれた吉崎エイジーニョ氏(サッカーマガジン誌で「FC東京タワー」を連載中)は半分くらい嘘をついた事になる。52,000人収容のスタジアムは大観衆と表現して差し支えないボリュームの人々で埋まった。空席が目立たぬほどの活況を目の当たりにして、チケットを現地スタッフに事前購入してもらっておいて正解だったと悟る。せめてものフォローとして翌金曜日が祝日(イースター)だった事を付記しておきますね、エイジーニョさん。
チケットの価格は46ユーロ。さぞかしVIPな席だろう。頭の中で円換算しながら僕はメインスタンド中央部の一等地を思い浮かべていた。そんな場所からサッカーを観るのは昨年のプレシーズンマッチ以来だ。福西祟史とエバウドの“ゴール”はもはや現実感を伴わない遠い過去の出来事である。ところがスタジアム到着後、僕は大きな勘違いをしていた事を思い知らされる。案内図に誘われるがままに階段を上がり辿り着いたのはバックスタンド2階席中央部。確認はしていないが全体的に料金設定が高いのかもしれない。

ダウンジャケットすら“機能しない”寒さに身体を震わせながら、遥か下方でウォーミングアップを行う選手たちを見守る。その目で追い求めるはフランクフルトの背番号20のみ。当然である。恥ずかしながら稲本潤一以外の選手はまったく知らなかったのだ。帰りの飛行機の中でマッチデープログラムを眺めて、ようやくイラン代表・マハダビキアが稲本の同僚である事に気づいたくらいだ(この日はベンチ入りせず)。ホームのゴール裏は立錐の余地がなく端から端まで赤と黒に染められていた。この時点から至るところで無数のフラッグが振られ、大音響の「男声」がスタンドを覆う屋根をビリビリと震わせていた。その迫力たるや僕の勝手な想像を遥かに超えるものであった。スミマセン正直ナメテイマシタ・・・フランクフルトおよびブンデスリーガの関係者に謝罪しなければならない。

フランクフルトのマスコットは鷹である。愛想を振りまきながら二本足で歩く二頭身のアレではなく、空を飛び鋭いツメとクチバシで他の動物を捕食するれっきとした「本物」である。両チーム選手紹介の後、何処からか飛んできたそのマスコットがピッチ脇に立つ鷹師の腕にピタリと舞い降りる。大きな翼を羽ばたかせる姿は誠に雄大で広いスタジアムにおいても映えていた。マスコットについてのアイデアを煮詰めている東京の関係者(+広告代理店の担当者?)に生きたままの動物を起用するという画期的な選択肢が残されているならば僕は鷹を推薦したい。推薦理由は至って単純だ・・・犬や猫では迫力に欠けるし、虎や象だと危険すぎる。
「同業他社の模倣」という批判を恐れるなら僕に妙案がある。多少コストは嵩むが鷹を3羽セットで売り出すのだ。これぞ徳川将軍家および御三家が鷹狩を行った史実が地名の由来とされる三鷹市を株主とするFC東京にだけ許されたネタである。

ビールも凍るのではないかと思わせる寒さの中で試合は始まった。期待の稲本は先発出場、ポジションは中盤の底であった。

2008年04月28日付
現在の青赤指数=63(→)
■■■■■■■■■■10発狂
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20絶望
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30暗鬱
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40不安
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50平常
■■■■■■■■■■60希望
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□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎さぁ、首都圏4連戦だ!

「ゴール裏の大男たち」
057_fever_pitch

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2008年4月15日 (火)

森のスタジアム(5)

スタジアムに向かう列車に乗り換えるため、フランクフルト中央駅の地下ホームへ降りる。今になって思えば、その下り階段のどこかに観光地と素顔の街とを分ける境界線が引かれていたような気がする。ツンと鼻につくビールとフットボールの匂い。そして毛穴にザラリとくる何とも形容しがたい感覚。いったい何処から湧いてきたのか、地元クラブのシンボルカラーである「黒と赤」に身を固めた大男たちがプラットフォームを埋めつくしていたのだ。

男たちの多くは冷たい雨が降り続くにも関わらず半袖のレプリカを身にまとい、これが流行っているのかは知らないが上腕から手首にかけて無数のマフラーを巻きつけていた。両腕を案山子のように伸ばしただけで小さなグッズショップが開けそうなボリュームだ。そして当然のように手には缶ビール、ときに瓶ビール(!)。本能的に感じる危険。誰ひとり自分に視線を向けるわけでもないのに、僕はひとり森の小動物のようにオドオドしていた。まともに組み合えば絶対に殺られる。こんな事を考えながら掌にじわりと汗をかく。

臆病な男だと笑いたければ笑えばよい。しかしよりによって突然歌い出すのだ、この大男たちが。なかなか到着しない列車にしびれをきらしたのか、体内のアルコールがきれたのか、もしくはもともと何かがキレているのか。理由はどうであれ、暗く狭い地下ホームに充満していた生温い空気は野太い合唱によって切り裂かれた。僕は巣から出てきた直後のシマリスのように瞳を小刻みに動かして周囲の様子を伺い続ける。まともに組み合えば確実に殺られてしまうのだ。

やがて列車がやってくる。歌声は鳴りやまない。列車が走り出す。歌声はまったく鳴りやまない。車内は寿司詰め状態(フランクフルトだけにスシという表現は認められるのだ)。身長176センチの立場で四方の視界を完全に塞がれるのは貴重な思い出となった(二度目は勘弁だが)。黒と赤に囲まれる不愉快な経験は埼玉高速鉄道の東川口~浦和美園間で幾度となく重ねてきたが、圧迫感と威圧感たるやその比ではない。とにかく大きくて、とにかく騒がしい。奥寺康彦、高原直泰、稲本潤一、小野伸二、長谷部誠、そして蝶野正洋。過去から今日に至るまで、身体的なハンデをもろともせずこの国で戦いに挑んだ男たちに改めて畏敬の念を抱く。

そんなドイツより背の高い国がある。それがオランダだ・・・そうだ、平山相太だって凄いんだぞ。男性の平均身長が182センチを超える世界一の巨人大国にあってソウタはトップリーグで堂々とレギュラーを張り続けたのだから。現役プレーヤーでありながら「あの頃のソウタは凄かった」と過去完了形で評されるのは寂しい限り。メンバーが完全に固定されていない城福東京。一試合一試合を大切に戦い続けて“ヘラクレス・ソウタ”の復権を自らの手で・・・いや、手を使ってはいけない。頭と足でビシッと頼むぞ!

ビール臭い大男に囲まれたまま列車は地上に出て、やがてマイン河の鉄橋を越える。そろそろ左手に森のスタジアムが見えてきた・・・見えてきたはずだ・・・もし僕がオランダ人だったら。もし僕がソウタだったら。

2008年04月15日付
現在の青赤指数=62(→)
■■■■■■■■■■10発狂
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20絶望
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30暗鬱
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40不安
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50平常
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■■□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎明日は「Night of Kurisawa」にならないかな

「ペーニャ・ポーランド」
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2008年4月 9日 (水)

森のスタジアム(4)

EU加盟国のドイツ。欧州連合を名乗り貨幣まで統一しておきながら国外からの旅行者には意外と敷居が高い。列車の路線図から町中の地図に至るまでありとあらゆる表記がドイツ語に占拠されており“標準語”英語がこれっぽっちも見当たらないのだ。ちなみに「駅」や「空港」といった基礎的な単語もドイツ語のそれは英語のそれからは連想すらできないほど異質な姿をしており意地悪な事このうえない。それほどまでに嫌われているのか、大英帝国は?

幸いな事にそのスポーツバーは入口のテラスに写真付きのメニューをディスプレイしてくれていた。ボリュームたっぷりのソーセージ2本にマッシュポテトとザワークラフトが添えられたプレート、メニュー番号は22。しっかり記憶したうえで店に入る。フランクフルトの試合開始まであと3時間。ドラフトビールと「羽生さん」をオーダーしてから店内を観察。そこには僕の期待感を十分に満たす光景があった。テーブル席こそ6割程度の埋まり具合だったが、テレビモニターに近いカウンター席は既に満席状態。お世辞にも若いとは言えない(それがイイのだ!)壮年の男女が思い思いにジョッキとグラスを傾けながら会話に興じている。きっと先週も、そして来週も。店内に飾られたフラッグと同じ色合いのマフラーを腰に巻いたオヤジさんが慣れた手つきでリモコンを操作してテレビの画面が切り替わる。雨に濡れながら試合開始前のウォーミングアップを行う選手たちを目にした時は思わずドキリとさせられたが、そこに映し出されたのがフランクフルトではない事を確認してひと安心する。

冷たいビールを喉で楽しみながら画面を追う。カイザースラウテルン。あれ?カイザースラウルテンだったかな?いずれにせよこの程度の知識しか持たない僕でも名前だけは聞いた事があるチームの試合中継だった。注目すべきはこれが2部リーグのゲームだという事。試合開始のずいぶん前からピッチ脇で傘をさしたレポーターが先発予想図や順位表のボードを使いながら、あれやこれや話をしている。日本のサッカー中継ではまず考えられない贅沢な時間配分である。スカパー!のJリーグ中継や民放テレビ局の日本代表戦中継でも試合前の“あおり”は長くて20分というのが相場だ(そのうち14分くらいがキリンのコマーシャルだったりする)。これほど悠長に試合の見所について映像を流し続けるのは大晦日の格闘技イベント中継くらいのものである。これぞ長きをかけて根づいた文化の象徴的な断片と理解すべきか、それともただ単純にフットボール以外の娯楽に乏しい現実の表れと冷ややかに捉えるべきか。数日しか滞在していない異邦人にそんな事がわかるわけがない。確実なのは国内リーグ中継の充実度では質量ともにこの国の方がはるかに充実していそうだという事、そして焼きたてのソーセージは国を問わずビールとの相性が抜群だという事だった。

カウンター席に陣取った常連さんたちの視線が徐々に画面に集まりはじめた。賑やかな会話が途切れる事はなかったが、話のテーマがフットボールに切り替わったのは確かに思えた。『おい、この選手はまだ現役だったのか!2部で頑張っているんだな』『まだまだ正確なフリーキックは健在だよ。2部だからって馬鹿にできたもんじゃないよ』『そうだよな、年末の天皇杯では毎年痛い目にあわされるからなぁ』『とにかく宮沢にはもうひと花咲かせてもらわないとな!』とまぁ、こんな会話がドイツ語で交わされていた事は想像に難くない。きっとあのオヤジさんたちはその後もペースを落とさずビールを飲み続け、カイザースなんとかの試合をオードブルとして楽しんだ後に、地元クラブの逆転勝利というメインディッシュを堪能した事だろう。フランクフルトの試合終了までバーに居残ったのだとすれば推定滞在時間はおよそ5時間・・・いったい何杯のビールを飲んだのだろうか?

「世界の車窓から」次回はフランクフルト中央駅からスタジアムに向かいます。

2008年04月09日付
現在の青赤指数=58(→)
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20絶望
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30暗鬱
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40不安
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□□□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎緑の玉座は座り心地がよろしいようで

「No Beer, No Life.」
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2008年4月 4日 (金)

森のスタジアム(3)

意思の疎通とはとかく困難な作業である。キャンプから日夜行動を共にしてきた仲間でさえ梶山陽平のパスに反応できないのだ(三ツ沢でのプレーについてはもっと別のところに原因があったように思えるが)。異国の地で突然話しかけれた外国人との会話を不自然なくフィットさせるなんて“ウチの”エメルソンくらいにしかできない芸当だろう。フランクフルト中央駅前の市電乗場は、長い列車運行間隔と強くなってきた雨足が原因で、屋根に覆われた箇所の人口密度が高くなる一方だった。喫煙マナーという概念がこの国では浸透していないらしく、かなりの比率の人々がところ構わず紫煙をくゆらしている。十数年前の東京、日本もこんなだったのだろう。「禁煙ファシズム」・・・ドイツというお国柄、僕はそんな言葉を思い出していた。

シンエツケミカルの関係会社で務めていたため、ニッポンには何回も行った事がある。初老の男性(鼻毛が伸びているのが気になった)は濁音が耳につく英語で僕にそう話しかけてきた。トーキョーで記録的な積雪があった年という証言から、頭の中のタイマーを独断で1984年にセットする。観光で訪れた冬の富士山は美しかったという男性の発言がサービストークでない事を裏付けるかのように、実際に旅をしなければ、そして心が動かねば記憶に残らないであろうマイナーな地名が次々と(鼻毛のように)飛び出してくる。アタミ、ヌマズ、シミズ。時節柄ひとつだけ凄く気になる(気に障る)単語が聞こえてきたが、できるだけ考えない事にした。
ちなみに僕は鼻毛が伸びている人間があまり好きではない(鼻毛愛好家の方々には申し訳ないが大嫌いである)。先からそれが目についてしかたがないのだが、できるだけ気にしない事にした。だいたい鼻毛という英単語を知らないので指摘する事もできない。知っていたところで指摘できるわけがない(あとで調べたら直訳“Nose hair”で通じるようだ)。
チベット問題をどう思う?サッカーの話に誘導しようとあれやこれや努力しているのに、男性は僕に難易度の高い質問をぶつけてくる。確かに日本人の想像以上にこの問題は欧州(少なくともドイツとポーランド)では大きなニュースとして連日報道されていた。話題の嗜好がまったく噛み合わないのだが、このシチュエーションで『中国人でないからよくわからない』という回答は最低だ。北京五輪のボイコット問題を織り交ぜながら、どうにかこうにかニッポンジンとしての答案を作成し、提出する。

一方的な試合展開をみせていた言葉のフットボールだったが、試合終了間際になってようやく僕がポゼッションをキープする事に成功する。今夜スタジアムに試合を観にいくのだと告げると、男性の口からは自然と“フランクフルト:こう戦う!”が飛び出してきたのだ。『アクシデントが起きなければフランクフルトが勝つとは思うが、相手のコットブスは降格圏内に位置しながらも、前節ではあのバイエルン・ミュンヘンに勝った。アップセットを演じた下位チームの勢いは脅威だ。フランクフルトは決して油断してはいけない』この男性は決してフットボールマニアというわけではないようだ。その証拠に(?)イナモト・オノには反応を示したが、ハセベについての理解度はアタミやヌマズより低かった。その程度の関心しか持たない男性でも、地元クラブのホームゲームについては必要最低限の情報はキャッチできている。「街に染み込んでいるフットボール」を実感したかった僕にとって、それは期待感を膨らませてくれる出会いだった。

スタジアムにはあまり足を運ばないが今夜はテレビで観戦するよと言い残し、男性はスタジアムとは逆方向へ向かう市電に乗車した。車中の人となった男性に手を振り別れを告げる。雨は少し弱くなってきたようだが、あたりを立ち込めるタバコの煙は相変わらずだった。

追記:
すみません、完全に構成ミスです。次回こそ「スポーツバー」に入ります。

2008年04月04日付
現在の青赤指数=56(→)
■■■■■■■■■■10発狂
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20絶望
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30暗鬱
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40不安
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□□□□□□□□□□90熱狂
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◎三ツ沢の数少ない収穫は「佐原さん」でした

「さらに国際交流」
042_more_smilingly   

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2008年4月 2日 (水)

森のスタジアム(2)

全行程が1週間に満たない程度の欧州出張は日曜か月曜に出国し金曜か土曜に帰国するのが定石だ。週末を含んだスケジュールを組んだ場合、同行する“お客様”でもいない限りそれなりの戦略なくして「観光目的だろう」という上司のハードマークをくぐり抜けるのは至難の業となる。この点でミドルウィーク(木曜)にブンデスリーガの試合が組まれていたのは幸運だった。しかも何の因果か、僕の宿泊するフランクフルトに限っての開催だ。

オイ、それを計算した上での出張アレンジだったのだろうという問いは野暮というものである。

インターネットカフェで知ってしまった日本平敗戦の報。沈んだ気分をまぎらわせるために小雨が降りしきる薄暗い街を歩く。20時30分のキックオフまでまだ十分に時間がある。デパートの玩具売場で“本場”シュタイフ社製テディベアの値段をチェック。やはり高価だ。気軽にお土産に購入というレヴェルではない。米国ドルだけが下落を続ける昨今の為替市場、依然ユーロの強さは健在だ。おそらく今年の“あのイベント”もそれなりにカネのかかったものになるのだろう。サイズは小さくても構わないから、もっとたくさんのクマがプレゼントされれば良いのにな。大小さまざまのヌイグルミを手に取りながら極東のオヤジが怪しく表情を弛ませる。可愛い過ぎる。でも、やはり高過ぎる。

僕のインスタントな印象ではドイツ人は2種類に大別される。滅多に笑わない人と絶対に笑わない人だ。その偏見は市場で出会った八百屋のオジさんのおかげで見事に覆される。たわいもない会話で交流を深めた上で遠慮なくポーズを要求しての写真撮影。観光地における市場関係者のサービス精神は万国共通であると再認識する。Danke schön!!

欧州のサッカーと直に接するにあたりどうしてもこの目で確認しておきたかったのは、スタジアムから離れた街中にどれだけフットボールが染み込んでいるのかという事だった。残念ながらフランクフルトの市街地一帯、通りという通りに地元クラブのフラッグが掲げられているような“絵になる”光景を見出す事はできず、メインストリートから一本奥に入った裏道でサッカーボールを蹴りあう少年たちにも遭遇できなかった(もっとも僕が歩いたのは観光地のど真ん中であるからこれも仕方ない)。

こんなはずはない。これだとブログのネタにもならない。市場を出た僕は真向かいに見える「最後の砦」スポーツバーへ歩を進めた。試合開始まで、あと3時間。

2008年04月02日付
現在の青赤指数=58(→)
■■■■■■■■■■10発狂
■■■■■■■■■■
20絶望
■■■■■■■■■■
30暗鬱
■■■■■■■■■■
40不安
■■■■■■■■■■50平常
■■■■■■■■□□60希望
□□□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎怪我の功名、ターンオーバー。

「国際交流」
041_smilingly 

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2008年3月30日 (日)

森のスタジアム(1)

飛行機が着陸体勢に入った。高度を下げた機体が雲海を突き抜け、眼下には広大な森が広がる。緑と黒で構成される森を縫うように細い道路が走る。米粒のようだった自動車の色が判別できるようになった時、不意に巨大な建造物が視界へ飛び込んできた。それは緑と黒の中に現れた唐突な白、周囲一帯を森に囲まれたスタジアムだった。ヴァルト・シュタディオン(森のスタジアム)、ドイツの人々にそう呼ばれる所以を実感しているうちに、いつのまにか飛行機はフランクフルト空港へ着陸した。

驚かされるのはその距離感だ。世界有数の国際空港からわずか数キロ(鉄道では隣駅)しか離れていないのだ。日本でも飛行場に隣接するスタジアムがあるが、スケールの面において比較の対象にならない(後述するが「フード」のレヴェルについては残念ながら味の素スタジアムと同等だった)。

初めての海外サッカー観戦。これから数度に分けてブンデスリーガの観戦記を書き残していきたい。もちろんソーセージを食べながら、そしてイナモトを観ながらもココロはトウキョウにあり。ドイツリーグを目撃しつつFC東京に思いを巡らせたいくつかの出来事を、不定期に。

2008年の東京、最初で最後の「桜の週末」。桃色に染まる街路樹ゲートの下でジョギングを楽しんだ後、シャワーを浴びて味の素スタジアムへ。流浪のセンターバック・増嶋竜也にとっても今シーズン最初で最後の味の素スタジアム(あ、ヴェルディ戦もあるのかな)。いずれにせよ、美しく切なく散ってもらおうではないか。桜吹雪を巻き起こすのはカボレか平山か、それとも。

2008年03月29日付
現在の青赤指数=57(→)
■■■■■■■■■■10発狂
■■■■■■■■■■
20絶望
■■■■■■■■■■
30暗鬱
■■■■■■■■■■
40不安
■■■■■■■■■■50平常
■■■■■■■□□□60希望
□□□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎羽生パパさん、おめでとうございます!

「すべての電子機器の電源をお切り下さい」
037_waldstadion

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2008年3月23日 (日)

Fujiyama Mountain

音読みと訓読みの共存理由について説明を求められたがうまく答えられなかった。『カンジには複数の読み方があるから難しい』ポーランド人のヤノタさんは言う。ニシタニさんのニシとカンサイエアポートのサイは同じカンジだけど「カンニシ」は間違いだよね。ならばどうしてフジヤマはフジサンでも認められるのか?

ワルシャワから南へ、クラクフという古都まで列車で移動する。6人用のボックス席が扉で仕切られているコンパートメントから外の景色を楽しむ。ニッポンと違って山が少ないだろう?そう言われてみると遥か遠方までなだらかな丘が延々と続く地形が不思議なものに見えてきた。

『山といえば』食堂車に移動した後もヤノタさんの言語学的探究心は止まらない。外国人向けの地図やガイドブックに書かれている事が多いFujiyama Mountainというのは奇妙な表現だよね。直訳するとフジヤマヤマになってしまう。Tonegawa RiverやKiyomizu-dera Templeなんかもそうだ。あれはどうしてなんだ?

上手に解説できない(そしてパンとスープに集中できない)僕は話題をすり替える作戦に出た。『トウキョウにもフジヤマがいるんだよ』ヤノタさんは青い瞳をパチクリとさせる。ああ、ヒトの名前か。ならばフジヤマさんはフジサンさんと呼ぶのは間違いだね。『いや、そうでもないね。このフジヤマさんはチームメートやファンからフジさんとも呼ばれているよ』パチクリ、アゲイン。ここにきてようやく形勢逆転である。

『そうか、フジヤマさんはディフェンダーなのか。良い名前だな、フジサンみたいに大きくて強そうだ』ところがこのフジヤマさんはあまり大きくないんだよ。『本当か?名前がフジヤマなのに小さくてよいのか?そもそも身体が小さいのにディフェンダーが務まるのか?』

質問が単純になればなるほど回答に窮する。クラクフ到着まであと30分以上あるから、ゆっくりと答える事にしよう。

2008年03月23日付
現在の青赤指数=58(→)
■■■■■■■■■■10発狂
■■■■■■■■■■
20絶望
■■■■■■■■■■
30暗鬱
■■■■■■■■■■
40不安
■■■■■■■■■■50平常
■■■■■■■■□□60希望
□□□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎磐田でもHirayama Mountainの噴火に期待

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2008年3月21日 (金)

雨のフランクフルト

躊躇したのだが、やはり我慢できなかった。
ゲーテ広場近くのインターネットカフェ。15分で1.60ユーロ課金されるシステムであるため、気忙しくキーボードを叩いた。そしてディスプレイに表示された日本平の結果に肩を落とす。試合の内容、経過がまったくわからない事が脱力感を加速させる。

『見なければよかった』後悔をズルズルと引きずりながら、カフェを去ることになった。外は冷たい雨。ただでさえ薄暗い街がますます沈んでゆく。市電にのってフランクフルト中央駅に戻り、ドイツ国鉄に乗り換えてシュタディオン駅へ。稲本潤一が出場する(であろう)試合を見にいく。

メインスタンドに座って観戦するフットボール。どちらが勝ってもどちらが負けても、嬉しくも悲しくもならないフットボール。赤と黒に染まるスタジアムで、僕だけ青と赤についてあれやこれや考え込んでしまうのかも知れない(考えても何も出てこないのに)。つい先程までの高揚感はどこへやら、すっかり頭の中はモヤモヤした何かで占拠されてしまっている。

切り替え、切り替え!集中、集中!

いつも東京の選手に叫んでいる言葉を自分自身に投げかける。それでも脳裏をよぎる『見なければよかった』を消し去る事はできない。

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