FC東京

2009年11月12日 (木)

西へ東へ

『緊急の場合はカイシャのケータイにお願い』というメッセージを送り、19時ちょうどに携帯電話の電源を切る。録画の予約は正しくセットされているよね?返答を待たぬまま情報遮断体制に入った。衛生の問題上、ソースの二度づけはお止め下さい。柱の貼紙に苦笑する。衛生という言葉が聞いて呆れるディープでワイルドな店内環境。立ち食いカウンターに設置されたソースにじゃぼり串揚げを浸し、荒々しく喰らう。

灰皿は一切置かれていない。全面禁煙ではなく、吸い殻は足元に捨てるというローカルルールだ。落花生の殻がフロアに積もるラッフルズホテルを思い出した。ただし、今夜はシンガポールスリングではなく、生ビールにハイボール。先発メンバーだけは事前に確認していた。最後になるかもしれない…浅利悟の重いコメントを噛み締めながら、コテコテに腹を満たして新幹線に飛び乗る。蓮根の串揚げが特に美味かった。

疲れと酔いのおかげで京都以降の記憶が消えている。延々とPlaylistの演奏を繰り返したiPodのバッテリー残量が時間の経過を証明していた。窮屈な体勢でも熟睡できたのは大きい。スムーズに(最近苦手な)夜更かしモードへシフトできそうだ。日付が変わってからの帰宅、深夜のキックオフ。テレビの音量はいつもより小さめの「13」に固定。育ちの地への凱旋を果たす彼の背番号にちなんでいるのは言うまでもない。

特に討つべき仇(かたき)もないのに長崎まで“飛ばされた”東京だったが、まったくテーマがないかといえばそうでもなく、かの名門・国見高校出身の選手にとっては思い出の競技場で久々にプレーする特別な日となった。結果として、注目を集めたカステラ兄弟が揃って結果を出したあたり、脚本としてはなかなか優秀だが、天皇杯日程会場検討委員会(仮)の面々が妙に自信を深めたりしないかどうか心配になった。

露骨なまでの不公平が容認される不思議なトーナメント。誰がどうみても(遠征が楽しいという個別の意見は別にして)公平ではない。「秘密兵器」ふたつ。中村北斗のFKは、おそらく元プロ野球選手の実兄が投げる変化球を足で再現したものだろう。相手GKが気の毒に思えるほどの魔球だった。もう一つが近藤祐介のCK。何も考えていないようで実は考えているようでやっぱり考えずに蹴っている雰囲気が奥深い。

頑強な身体を活かしたポストプレーなどで復調を印象づけた近藤だったが、負傷交代のダメージの程度が気になる。攻撃陣のカード不足は深刻だ。強風に悩まされた一夜だったが、“ドリブラー”田邉草民に吹きつけるアゲインストの風も相変わらずだ。大竹洋平がピッチに立つ機会も久しく見ていない気がする。中3日で次は丸亀巡業を強いられる東京。矛先を交えるのはJ1昇格を決め、意気が上がるベガルタ仙台だ。

まさに傷だらけの青赤。弁解無用の歪んだトーナメントだが、さすがに苦しい材料が出揃った感がある。次戦を制して地元・仙台(という噂)での準々決勝に駒を進めたい敵の意地が勝つか、昨年に続き師走の杜都で牛タン殲滅作戦を敢行したい僕たちの食い意地が勝つか。諸事情により讃岐うどんは断念し、牛タン一本に照準を絞る事にした。悲しく切ない天皇杯のテーマ曲が好きだ。あの歌声を12月に何度も聞きたい。

【第89回天皇杯3回戦】 FC東京(3-2)ザスパ草津 ※長崎県総合運動公園陸上競技場

2009年11月12日付
現在の青赤指数=63(→)
■■■■■■■■■■10発狂
■■■■■■■■■■
20絶望
■■■■■■■■■■
30暗鬱
■■■■■■■■■■
40不安
■■■■■■■■■■
50平常
■■■■■■■■■■60希望
■■■□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎フクアリコーナー自由席1枚あります

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2009年11月 9日 (月)

またも繰り返された情景

唯一できる抵抗は京王線が混雑しないうちに退散する事だった。ホイッスルが鳴るやいなやコンコースへ飛び出し、やがて左後方から聞こえてくる耳障りな『We are』を振り払って歩道橋を渡った。ベビーカーをエレベーターに押し込む。勝てない、どうあがいても勝てない。エレベーター内の鏡を睨みつける。大袈裟に音をたてて、息を吐き出した。ベビーカーの中の彼が、ポカンと口を開けてそんな様子を眺めていた。

奥様は勤務先のゴルフコンペに出場するため、早朝からお出かけ。「フツー」と逆の夫婦関係だが、こんな日はそれも相応しいかと思った。滞留した澱(おり)を一気に吐き出す。今日こそ流れを変える。流れを変えるとしたら今日しかない。用意したレプリカは敢えてアウェーのもの。なんでもいいから、流れが変わってくれたらそれでよかった。しかし、そんな小細工は効力のカケラもみせる事なく終わってしまった。

おもしろくもなんともない浦和に敗れる、おもしろくもなんともない東京。さすがは百戦錬磨のレッズ、先制するとすかさず自軍から退場者を出し、東京相手に10人で戦うという「数的優位」を手に入れた。守備一辺倒の相手に、今野泰幸を前線にあげて総攻撃を仕掛けた…と書けば見栄えは良いものの、籠城した相手に大砲をぶちかますような迫力はなく、殻にこもったヤドカリに恐る恐る前足で触れるワンコロのよう。

ワンコロといえば、ジェフ千葉が散った。残念無念。一年前、僕たちが手配した延命装置のスイッチを自ら切りにいくというシナリオが瓦解してしまった(悪趣味なので大々的に書きはしなかったが本当に楽しみにしていたのだ)。その千葉を葬った川崎の奮戦をみるにつけ、過密な日程やモチベーションの高低など、なんの言い訳も認められない事がよく理解できた。勝てない。どうして勝てない。どうしても勝てない。

この試合を勝てないようだと真の強者にはなれない。そう考え臨んだ一戦だっただけに、これまでの浦和戦と同じような敗北を喫してしまった事への失望は大きい。タイミングの妙とでもいおうか、ここで浦和。タイトル奪取の高揚感をさますにはもってこいの赤い冷水だった。優勝の可能性は潰えた。現実的な目標として見据えていた、アジアへの挑戦権についても崖っぷちに立たされた。梶山陽平は再び秋の大型連休。

ここで踏ん張れないようでは聖杯が泣く。
天皇杯「地方巡業」連戦は総力戦となる。

【2009年31節】 FC東京(0-1)浦和レッズ ※観衆40,701名

追記:
「ワンコロ」に繋げたくてヤドカリ云々と書いたが、この表現は適切ではなかったと自分で読み直して反省している次第。スクランブル体制でしっかり攻めていたけど…崩せなかった。交代枠が一つ余っていた事が、東京の現状を物語っているのかなあ。

2009年11月08日付
現在の青赤指数=63(▼)
■■■■■■■■■■10発狂
■■■■■■■■■■
20絶望
■■■■■■■■■■
30暗鬱
■■■■■■■■■■
40不安
■■■■■■■■■■
50平常
■■■■■■■■■■60希望
■■■□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎下降要因:
・弱い浦和に勝てない弱さ(▼3)

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2009年11月 8日 (日)

ウラワ・モード

開店直後の書店に駆け込み「優勝記念特別号」を購入したところで、僕のナビスコカップ狂騒曲はフィナーレを迎えた。記事の質量で『サッカーダイジェスト』が僅差の勝利といったところか。正確には前回に続いての連勝である。2004年『サッカーマガジン』は東京初戴冠の直後に発売した号の表紙に、こともあろうに「岡田武史&ジーコ」を起用する愚挙を犯した。あのとき憶えた失望は、今もなおシコリとして残る。

今後しばらくは【Pride of Lions】と題して、どれだけ続くか見当のつかない無計画ダラダラ長篇ものを書き残していくつもりである。ちなみにこのタイトルは東京スカパラダイスオーケストラの名曲から頂いているわけだが、その理由についてはいずれ本文のなかで…ちなみに「ライオンのプライド」はLion's Prideとなり、この場合は「ライオンの群れ」と訳すのが適当。実は僕自身も最初「誤訳」していたのだが…。

「11/3」を引きずっているのはブログだけであって、気持ちのうえでは完全に切替が済んでいる。正しくは優勝報告会で城福監督のスピーチに耳を傾けている段階で、ピリリと緊張が走るのを感じていた。微塵も浮かれていない様子を頼もしく思ったのと同時に『シーズンが終わるまで安息の日はやってこないのだろうな』と監督業の辛さに同情した。そう、リーグ戦の炎も消えていない。これが2004年との大きな違いだ。

ウラワ・モード。祝勝の宴もほどほどに、再び腹の底から湧き出てくるドロドロした感情。5年間に渡り後塵を拝し続けた忌ま忌ましい、赤だ。ここまで積み重なると、相性という言葉だけでは片づけられない。しかし、今度こそ。今度こそ機が熟したと信じる。2004年11月で止まっていた時計の針が、聖地で再び動きはじめた。次のステージへ進むために、もうひとつ大きなピリオドを打たなければ。さあ、浦和を倒せ。

浦和を倒せ。

2009年11月08日付
現在の青赤指数=66(→)
■■■■■■■■■■10発狂
■■■■■■■■■■
20絶望
■■■■■■■■■■
30暗鬱
■■■■■■■■■■
40不安
■■■■■■■■■■
50平常
■■■■■■■■■■60希望
■■■■■■□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎今日も勝ちたいんや

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2009年11月 2日 (月)

愛しき空間(後篇)

去来する思いは如何なるものか。重圧を感じているのか、それとも闘志が漲っているのか。右サイドから椋原健太が黙々とクロスをあげ続ける。そのシリアスな表情から内心を推し量るのは難しい。そこへ平山相太が堂々登場。ピッチ中央で仁王立ちする姿が凛々しく映える。こちらもまたキッと引き締まった良い表情だ…こいつは期待できるぞ。椋原の勢いあるクロスをドンピシャのヘディングシュートで押し込む平山!

…。

イテテ…よほど「真芯」で捕えてしまったのか、そのまま頭を抱えてうずくまるソウタさん…ずっこけるギャラリーと思わず表情を崩してしまうムッくん。周囲の空気がほんわりなごむ。凄いのか凄くないのか、よくわからなくなってしまうのもまた、彼の魅力の一片である。復活した後も迫力あるシュートを連発していた平山への期待は大きい。国立競技場は東京のホームである以前に、彼の「実家」でもあるのだから。

話が前後するが、全体練習終了後、チームは二手に分かれ各々のメニューを消化していた。おそらくは「控え枠」であろう選手たちの中に長友佑都の姿があった。背後でシュート練習を行っていた主力メンバーに背を向けたまま、じっと彼らの動きを見守る城福監督の姿が印象的だった。腕組みしたまま沈思黙考。ベンチ入りメンバーの選出はこの先混迷を極めるのではないか。ふと指揮官の頭の中を覗いてみたくなった。

クラブハウスへ帰る選手たちに注がれる声援と拍手。あたり一帯は温かな空気に包まれていた。塩田仁史は相変わらず満面の笑顔をふりまいていた。茂庭照幸にはトレーナーが付き添っていた。瑞穂での負傷がここまで尾をひくとは思ってもみなかった。ひときわ大きな声が向けられた先には、松葉杖を手に歩いて移動する石川直宏の姿があった。遠くから何度も手を振って応えるナオ。白い歯が見えて救われた気がした。

「2004年」を支えた彼らも、各々の運命に翻弄されたままその日を迎える。言いようのない物寂しさを感じてしまうが、べつにこれですべてが終わるわけではない。またきっと輝かしい舞台が待っている。陰陽さまざまなドラマが溶け込んだ闇が明けて、新しい朝がやってくる。特別な朝、特別な一日。取材を兼ねてか、クラブハウスから再び出てきた長友が売店を物色しながらスタッフと何やら談笑していた。貴方は…?

貴方はこの特別な一日に、特別な一戦にどのようなかたちで臨むのか?ウェアの上からでも明らかにわかるガチガチに固められた右腕。その痛々しさとは相容れない素晴らしい笑顔のコントラスト。告白せねばならないルール違反、もう一つ。リスク回避のため選手との接触の自粛を求められている時期にも関わらず、自ら禁を破り息子の手を握ってくれたユウト。どれだけ大物になろうとも憶えてくれている事が嬉しい。

答えは瞳の中に。力に満ちた鋭い眼光を間近で見て、確信した。彼は間違いなく国立競技場のピッチに立つ。そして僕たちは彼と一緒に喜びを分かちあう事になる、と。夢を信じて、希望を捨てずに。使い古された言葉ではあるが、こんなフレーズがしっくりくる。優しい時間、愛しい空間。足を運ぶ事ができて本当によかった。そこに集まった人々すべてが切実で真剣で冷静…を装っていた。想いは同じ、必ずや叶わん。

2009年11月02日付
現在の青赤指数=62(→)
■■■■■■■■■■10発狂
■■■■■■■■■■
20絶望
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30暗鬱
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40不安
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50平常
■■■■■■■■■■60希望
■■□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎これから千駄ヶ谷門へ向かいます

「城福さんを撮ろうと思ったら…」
350_invader

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2009年11月 1日 (日)

愛しき空間(前篇)

目を醒ました僕は、ベッドの中で少し緊張しながら唾を飲み込む。前夜渋谷の街で感じた喉の痛みが、はたして風邪に起因するものか、それとも単に騒ぎすぎただけなのか、それを確かめる作業だ。後者だった。ほっと一安心した僕は、食事と洗濯物干しを手早く済ませ外出の準備をする。息子と一緒に小平へ。「シャー」をマスターしたばかりの彼に少し厚着をさせて、お弁当とおやつを持参してのお出かけなのだった。

東久留米駅では年賀ハガキが発売されていた。気が早いなと思ったが、購入した東京中日スポーツを眺めて、今日から11月だという事実に気づいて、納得する。若き韓国人選手獲得の「確報」が掲載されていた。なんとも中途半端な時期に記事にしたものである。それよりペーニャ仲間が差し入れた「イルカパン」に食らいつく平山相太の写真を掲載してほしかった…奥様も絶賛。『あのテの写真が絵になるのは彼だけよ』

誰も来年の事など考えていない。目前に迫った決戦に備えて、精神的にも物質的にも着々と準備を進めている最中だ(まだ書けないが所謂「仕込み」はゲーフラだけではない)。リーグ戦、カップ戦、すべてのステージにおいて東京のシーズンはまだ終わっていない。補強の情報なんぞ今は雑音でしかない。もっと闘争心を刺激するような熱い記事がみたい。ソウタがイルカをガブリでも、今ならばグッとくるわけなのだ。

バスから降りる。ベビーカーの車輪が秋を踏む。落ち葉と団栗の実が奏でるパリパリパキパキという音が耳に小気味よい。通用門付近にセットされたラジカセから『カップを奪い取れ』のチャントが流れ、グッズ販売のテントが出店する特別仕様の小平。到着してすぐにヒマワリ君のランチタイムに突入した事もあり、ゆっくりと練習を見守る余裕もない。それでも構わなかった。そのときその場所にいる事が重要だった。

ルール違反を二つ犯した事を告白せねばならない。予約制で部外者が入るのは禁じられているであろう、人工芝グランドで遊ばせてもらった事。レオパレスリゾート、あかんまパークで修業を積んだ後、遂にたどり着いた憧れの地・小平…許して下さい、その時間は誰もコートにいなかったので。生まれてはじめて二本足で歩む緑の絨毯を堪能する息子から視線を外し…居残りパン食い競争特訓・平山相太の姿を凝視する。

2009年11月01日付
現在の青赤指数=62(→)
■■■■■■■■■■10発狂
■■■■■■■■■■
20絶望
■■■■■■■■■■
30暗鬱
■■■■■■■■■■
40不安
■■■■■■■■■■
50平常
■■■■■■■■■■60希望
■■□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎スペイン坂を勘違いしていました

「絶好調(なのだと思います)」
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2009年10月30日 (金)

外苑を歩く

公式サイトが忙しい。ヘッドラインニュースが引っ切りなしに更新されてゆく。「新雑ラテ」あらゆる媒体に監督・選手たちが登場するスペシャルウィークへ突入した事を実感する。なかでも最も注目すべきプログラムが某国営放送局「おはよう日本」に出演予定の平山相太だ。はたして月曜朝のニュース番組での視聴に堪えうる素材なのか。11月2日午前7時、国民の審判が下される。期待と不安でいっぱいだったりする。

日に日にテンションが高まるのを感じる。自分も何か頑張らねばと、ジムで普段やらない下半身の筋トレをハード設定でこなした結果、階段の上り下りすら厳しいほどの筋肉痛に襲われている。本番に間にあうだろうか…一発勝負の大舞台に向けてのコンディション作りはかくも難しい。「所用」のため国立競技場へ足を運んだ。少し遠回りになるが、外苑前から歩く。小耳にはさんだ情報をこの目で確かめたかったのだ。

3番出口から地上に出て神宮球場の方向へ歩くと、すぐに目に飛び込んできた青赤のフラッグ。距離にしてわずか数十メートルだけど存在感はなかなかのものだ。小さい事からコツコツと…これも立派な営業努力の結果。多摩地区以東の営業拡大戦略か。まさか安直に五十音順ローラー作戦を展開しているわけではなかろうが、麻布、青山ときたもんだ。青ときたら次は赤。赤坂を狙え。決して赤羽で妥協してはいけない。

[北区に在住の皆様に陳謝申しあげます]

以前の記事で触れた事があるが、この通り沿いにはラモス瑠偉のブラジル料理屋がある。これが僕の好奇心をかきたてた要因なのであった。実地調査しながら思わずニヤリとしてしまう。そのレストランの付近だけフラッグ掲揚の流れが途絶えていたからだ。事情は知らぬがラモスが意地を張っているようで何やら可笑しかった。秩父宮ラグビー場と神宮球場を抜けて「聖地」へ。敵陣の背後から潜入を試みる図式になる。

もっとも今はまだ静けさ漂う戦場。敵兵の姿は視認できず、ただ代々木門の石垣にズラリ並んだ「シート」がその気配を感じさせるのみであった。行儀よく整列したガムテープ。法的効力は皆無ながら、20センチ四方の「陣地」に込められた想いと願いは多摩川対岸の人々も同じであろう。お互い風邪などひかないように頑張りましょう。先頭に貼られたガムテープに書かれた文字の解読を断念して、千駄ヶ谷門へ向かう。

スタジアムから聞こえないはずの大声援が聞こえてきた…決戦まで残すところ4日。

2009年10月30日付
現在の青赤指数=62(→)
■■■■■■■■■■10発狂
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20絶望
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30暗鬱
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40不安
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50平常
■■■■■■■■■■60希望
■■□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎公園のガムテープは壊滅状態です

「川崎芋族?」
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2009年10月29日 (木)

ファイナリストの特権

『忙しそうでいいねぇ』声の主は隣の部署で勤務する先輩社員。わざわざ「そのために」さいたま市へ引っ越した、筋金入りのそっち方面の御方である。大変なんスよ、雑誌も買わなきゃいけないし、新聞も、あと記念グッズなんてのも発売されますし…無論まったく大変ではない。悔しがらせてやろうと、大袈裟に眉をひそめてまくし立てた、その途中で相手の策と悟る。腕組みしてニヤニヤしながら聴いているわけだ。

『浮かれてるねぇ』しまった、やられた。さてはそれが言いたかったのか。カップ戦ファイナル、まだ2度目だもんな。そりゃ新鮮味もあるし、ときめいちゃうよなあ。わかるよわかる、うんうん。上から目線、ご馳走さまッス。毎分毎秒「それ」ばかり考えてしまっている心の内を覗かれた気がして恥ずかしかった。なにせアジアの頂点まで昇りつめたわけだからなあ。経験値の多寡を引きあいに出されたら、歩が悪い。

相手のペースに乗せられた僕の負けだ。これ以上食い下がってもニヤリと笑われて、イエローカードを提示されるだけだろう。ここは素直に退却しよう。いやいや、まだまだ若葉マークですから、ホント。『天皇杯頑張って下さい』今度は対面の眉がピクリと動く番だ。他意はなかった。完全に忘れていたのだが、そのぶん想定外の威力を秘めた弾丸が無回転で突き刺さったようだ…米本拓司のゴールシーンを思い出した。

5年ぶりだもの。やはり嬉しい、すごく嬉しい。周囲に悟られぬよう、ふわふわへらへらしている。幸いにも何かと気忙しい日々が続いているため正気は保てているが、刻一刻とその瞬間が近づいてくるのを感じながら、胸の高まりを抑えきれない自分がいる。ファイナリストの特権を味わえるのは決して選手だけではない。幼いころの遠足がそうだったように、出発する前が一番楽しい。だからこの時間を大切にしたい。

さて、ここでさりげなくお誘いを。居ても立ってもいられない、青赤の煙を吐き出しながら情熱のケトルをピーピーいわせてる貴方へ。スケジュール帳の10月31日17時以降が空白になっていれば、そして渋谷という街に過度の抵抗感をおもちでなければ…こそっとメールを頂けませんか?ちょっとした「決起集会」へのご案内を返送させて頂きます。国籍・年齢・性別・性格・性癖不問。ただし青赤。唯一絶対の条件です。

2009年10月29日付
現在の青赤指数=63(△)
■■■■■■■■■■10発狂
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20絶望
■■■■■■■■■■
30暗鬱
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40不安
■■■■■■■■■■
50平常
■■■■■■■■■■60希望
■■■□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎上昇要因:
・元旦まであと10週(△1)

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2009年10月28日 (水)

噛みあう歯車(後篇)

「株」と「格」を上げる一方の岡崎慎司、さらにヨンセン。対戦相手の脅威となり続ける彼らだが、この二人が封じ込められる事で清水のサッカーは機能しなくなっていった。CKから失点?あれは仕方がない。決めた岡崎もさすがだが、現在の東京ならどのチームのどの選手にでもセットプレーから被弾する自信がある(威張るな!)。冗談さておき、核となる選手がそのまま急所でもあったのが、この日の清水だった。

「もぐらたたき」を思い出した。あっちを叩いてもこっちが飛び出す。両翼に振られたかと思えば中央を走られ、躍起になってハンマーを振り下ろすと、ひょいと後ろに逃げられる。そして何食わぬ顔で三角地帯から再構築…最終ラインをガッチリ固めた清水であったが、それ以上の打ち手がなかったといっても差し支えないだろう。攻撃的な選手を投入して、いよいよ力まかせにハンマーを振り回すが、東京は動じない。

二年目の秋を迎えていよいよ実を結びつつあるのか。慌てず騒がずボールを繋ぎ、時間を刻み続ける11人。泰然自若。東京からそんな気配を感じる日がこんなに早く訪れようとは。カンフル剤を打ったはずの清水のほうが先に消耗してゆくさまを、不思議な気持ちで見守った。ベンチ入りメンバーの顔ぶれから明らかだった意図、前回対戦の記憶が甦る用兵。はたして「河岸の市」で売られていたのか、二匹目のドジョウ。

文字通りのクロージング処理。左右の蓋を閉じて最後の抵抗に耐え抜くという指命。平松大志に続いて送り込まれたのは、藤山竜仁。嗚呼、泣かせてくれるよ城福さん…ここでフジさんだもの。色濃い采配に再びグッと引き込まれる。耐え抜くとは書いたものの、画面から伝わってきたのは、歯を食いしばり暴風に立ち向かうというより、むしろ淡々と防波堤を塗り固めて嵐をやり過ごす、そんな空気。FC東京、惑わず。

主力選手の離脱、そして予期せぬ負傷交代という危機に直面しても、スタイル・スタンスを変える事なく戦いに臨める。特定の選手の才能へ依存するところが大きいとみるむきもあったが、その強烈な「個」が欠けた事で、むしろ組織としての成熟度合が浮き彫りになってきたといえようか。すべての歯車が機能し、各々がしっかり噛みあっている。その絶え間なき連動と安定、欠落なき集合体の強さがそこに見出だせた。

『強くなってきた』

【2009年30節】 清水エスパルス(1-2)FC東京 ※アウトソーシングスタジアム日本平

2009年10月28日付
現在の青赤指数=62(→)
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20絶望
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30暗鬱
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40不安
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50平常
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■■□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎何故この時期に闘莉王が表紙なんダイ?

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2009年10月26日 (月)

噛みあう歯車(中篇)

機の到来を待ち続けたもう一人の男も、その輝きを取り戻しつつある。課題であった平山相太との位置関係も日々改善されており、二人の影が重なる場面も減ってきた。もとより自発光型のプレイヤーではない。闇夜を進む船舶のように、黒い海面を月光が照らさぬかぎり、ひたすら沈黙を守り抜く…そんな印象を覆す動きを見せる場面が増えてきた。チームの成長と併行して、赤嶺真吾自身もまた進化を遂げてきたのか。

選手名の言い違いを頻発する実況には辟易するわけであるが、その場面だけはアナ氏の戸惑いに同情を禁じえなかった。東京の右サイドに空いたスペースを衝かれ、危険地帯への侵入を許したかと思われた瞬間、自陣深くまで駆け戻りボールを奪還したのが、他ならぬ赤嶺だった。思わず目を見張った僕はテレビに向かって拍手を送る。アマラオだったり戸田光洋だったり…なんというか実に「東京的」で嬉しかったのだ。

もちろん本職の攻撃面でも存在感ある動きを披露してくれた。一瞬の隙を見逃さずにゴールを陥れる動きは健在であり(オフサイドには思えなかったなぁ)何よりも右に開いた平山のクロスに飛び込んだ場面…あの「泥臭さ」こそ真骨頂。やはり敵か網に絡まってこそのシンゴ。山本海人との交錯シーンを目の当たりにして、いよいよ青赤のステルス爆撃機が大一番を前に、空母から発進せんとしている絵が思い浮かんだ。

順位表では格上かもしれないが、今シーズンの直接対決における戦績を鑑みるに、どうも腑に落ちない。ピッチ中央を悠々泳ぎ続ける梶山陽平と米本拓司の姿に、最初は清水の無策(または大胆極まりない秘策)かと疑ったが、途中からその見方を改める事にした。「地に足の着いた」攻撃の組み立てに対し、清水が後手後手の対応を踏むほかなくなったのだ。攻守とも終始東京が主導権を握り続けたといえる内容だった。

軸の固定と核の分散。こんな言葉を用いて喩え、讃えてみたい。離脱者続出するなかでも「JOFUKU STYLE」遂行の軸となる三角形が健在である事は救いだったといえる。もはや説明不要、ブルーノクアドロスと今野泰幸のCBコンビに梶山を交えた豊穣なるデルタ地帯(上質の米が育つのヨネ)。攻撃の核が背番号10である事に疑いはないが、ではそれさえ潰せば機能不全に陥るのかと問われれば、答えはNOなのである。

2009年10月26日付
現在の青赤指数=62(→)
■■■■■■■■■■10発狂
■■■■■■■■■■
20絶望
■■■■■■■■■■
30暗鬱
■■■■■■■■■■
40不安
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50平常
■■■■■■■■■■60希望
■■□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎歴史の節目に大きな記念碑を

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2009年10月25日 (日)

噛みあう歯車(前篇)

まずは「現地組」の皆様へ…ありがとう。リーグ戦も残すところ5節。カップ戦ファイナルを直前に控えたこの時期に、話題がそれだけに集中しない事を嬉しく感じる。前回とは違う。シーズン佳境、アジアへの扉をこじ開けるための挑戦は依然として続いている。東京の炎は消えていないのだ。『やはり行く事にしました』前節終了後、僕の身近でも当初の予定を変更して日本平への遠征を決意した仲間が多くみられた。

この試合を見届けないでどうするの。その気持ち、実によくわかるのだ。シーズンを一本の線で見たとき、チームにとって重大な分岐点が生まれる。今日の試合はまさにその一つであり、日曜だろうが曇天だろうが忙しかろうが疲れていようが、ライヴで体感せざるにいられない「当事者意識」をかき立てられる状況が出揃っていた。日本平どころか明大前に行く気力すら残っていなかった自分自身を、少し情けなく思う。

対戦相手が順位表の「すぐ上」に位置する清水エスパルスという事情もあるが、それ以上にFC東京の周辺に起きた幾つかの出来事が、この一戦をより特別なものにしていた。言わずもがな、石川直宏を襲った受容し難い悲劇、そして藤山竜仁との契約非更新という寂しい報せ。かたや一日でも早く再会の日が訪れる事を信じて、かたや一日でも長くその姿を見られる事を願って。一分一秒の重みが増してくる、秋の入口。

石川直宏の代わりではない。テレビに向かいブツクサ文句を垂れる。J-SPORTSハイビジョン放送での生中継。16:9サイズで画面いっぱいに広がるフォーメーション表、右SHの位置に表示された鈴木達也を紹介するときに、実況アナウンサーが余計な言葉を挟んだ。「石川直宏の代わり」当たっているようで間違っている。彼こそはカボレ去りし夏の終わりから、試行錯誤を繰り返した後にたどり着いた、城福監督の結論。

石川直宏はいない。そして石川直宏の代わりもいない。カボレの代替でもなく、ナオの複製でもない。そこにいるのは鈴木達也というオリジナル。強風吹く日本平、開始わずか3分で試合が動く。右サイドでうまく時間を作った徳永悠平の、ふわり丁寧なクロスに反応したタッちゃん。破竹の勢いで得点を量産したエースに唯一欠けていたもの=ヘディングで奪ったそのゴールが、彼の発した雄弁なるメッセージに思えた。

2009年10月25日付
現在の青赤指数=62(△)
■■■■■■■■■■10発狂
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20絶望
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30暗鬱
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40不安
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50平常
■■■■■■■■■■60希望
■■□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎上昇要因
・実に頼もしい「全員勝利」(△2)

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2009年10月23日 (金)

ささくれデイズ

戦争より残業が嫌いな僕にとって、苦痛な日々が続いている。曜日の感覚が希薄になり、先週末の出来事が随分と昔の事のように思える。失意の大勝から一夜明け、家に篭っていても不健康だからと、家族で日比谷公園に出かけて「土と平和の祭典」なるイベントを見物。屋台でロコモコ(野菜は有機でお米はあーで鶏卵はこーで…となんだか身体に優しそうな一品)を購入して、自宅から持参したタッパに入れてもらう。

もちろんビールは青赤タンブラーに。箸はリサイクル、水の節約&生活排水による水質汚濁の軽減のために、会場の片隅には食器(タッパ)の汚れを拭き取るためのコーナーが設置されていた。もちろん紙ナプキンのようなしゃれたものではなく、不要となった布きれの有効活用。つまりは「エコ」推進なのである…タンブラーにタッパ。FC東京を通じても僕たちはホーム&アウェーで何気なく「エコ」しているわけだ。

もっとも「フクアリのタッパ」についてはエコというよりエゴの追求と表現したほうがしっくりくるわけだが…山盛りソーセージ争奪戦参加チケットは、木曜10時発売。ペーニャ仲間から無事に確保とのメールが届き、一安心する(案の定すぐに売り切れたみたい…本当に助かりました)。一年がかりの大作ドラマ、その最終回。あんなもんじゃすまさない。サマナラにサヨナラ告げる役まわりは、僕たちこそが相応しい。

…なんの話だったっけ?まあいいや。心にベットリこびりついた屈辱の記憶はそうそう簡単に剥がれるものではない。地面に貼ったガムテープとはワケが違うのである。本当に疲れているときは敢えて嫌な事を思い出して、意味もなく自分自身を苛立たせる事で、そのエネルギーをよそへ向ける事が多い。エコどころではない、とても不健康な体質なのだ…なんの話だったっけ?まあどうでもいいや、本当に…疲れたなあ。

2009年10月22日付
現在の青赤指数=60(→)
■■■■■■■■■■10発狂
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20絶望
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30暗鬱
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40不安
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50平常
■■■■■■■■■■60希望
□□□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎コクリツいたちごっこ開幕

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2009年10月20日 (火)

愛され人

なかなかできる事ではないよ。あの状況、あの立場でわざわざメッセージを発信してくれるなんて。現実と冷静に向きあって、すべてを達観したかのような穏やかな言葉を並べて。心の中では様々な感情が激流となってぶつかりあい、大きく渦巻いていただろうに。自分の痛みよりも周囲の痛みを気遣える、貴方はそんな人。わかっていたけど、やはり貴方はそんな人。優しい人。

月曜から遅くまで残業ですよ。華やかさのかけらもない、いったい誰を幸せにしているのかわからなくなる、そんな地味な仕事です。朝から、否、土曜の夕刻からずっと憂鬱な気分だった。やたらと文字数の多い診断結果を目にして、改めて力が抜けた。心の底で密かに期待した事があって、それがものの見事に裏切られた。脱力感はその証だった。「神様」とやらの信用失墜だ。

これまでも幾多の壁を乗り越えてきた貴方だから、必ず僕たちの前に戻ってきてくれる。それを信じて待つしかできない。数えきれない幸せを分け与えてくれた貴方に、せめて何か御礼がしたいけど、それもなかなか難しいだろうから、効果のほどは定かではないけど祈ります…実に役立たずの神様だけど。一分一秒でも早く、傷が癒えますように。貴方に笑顔が戻りますように。

一向に上手く進まない仕事を切りあげる。こんな遅くまで働いたわりに効率が悪い。どうも満たされない。黄土色の目をした倦怠感の塊になって地下鉄に揺られる。悲しみと苛立ちに塗れて、いっそ大声を出したくなるが、それを自重できるあたり、僕はまだ壊れていないようだ。こういうときこそ「平常心」なのだが…いやはや、言うのは簡単だけれど、なんて難しいのだろう。

日付が変わった。失意の10月19日が少しだけ「過去」になった。そして少しずつ、しかし確実に「未来」は近づいてくる。その摂理に希望を見出だす。一歩一歩、再会の時に向かって進んでいる。沖に出て、遥か前方に小さく見える島へ泳ぐみたいに、最初はなかなか実感できないけど。勝手ばかり言って申し訳ない、でも頑張って。頑張ってもう一度、あの苦しみに耐え抜いて。

みんな貴方を愛している。
みんな貴方を待っている。

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2009年10月19日 (月)

こんなにも悲しい勝利(後篇)

並のGKだったら失点していたかもしれない。前半だけで二度訪れた石川直宏の決定的な場面は、菅野孝憲の好セーブによって阻まれた。代表招集による疲れを感じさせない、むしろ平時よりもさらにコンディションが良いのではないかと思わせるほど、抜群のスピードとキレだった。東京も柏も好機は作り出すがゴールは割れず、そのまま折り返しかと思われたロスタイム、一瞬の隙を衝いて待望の先制点を奪い取った。

リプレイを見返すたびに、その巧妙なトラップに唸ってしまう。この日全得点に絡む活躍をみせた羽生直剛のスルーパスを受けた赤嶺真吾が、ゴール左隅へ流し込んだ。梶山陽平を基点として、実質たった2つのパスを繋いだだけで成立したゴール。得点できるときはこんなものなんだよな…前歯で下唇を噛みつつ喜びを表す、赤嶺得意の表情を見守りながら、僕は高く抱きあげたヒマワリ君をぶんぶんと振り回していた。

後半に入り、柏の守備陣の綻びが目につくようになる。アシストとゴールのキャスティングを入れ替えての2点目は、立場換われば憤怒していたであろう、気の抜けた失点パターン。椋原健太の強引なドリブル突破から中央へ送られたボールが、ペナルティエリア内での小競り合いを経て、高速回転したままラインの上でピタリと止まる。柏DFが視線を外した時点で勝負ありだった。あとは労せずゴールへ流し込むだけ。

降格の危機に瀕する柏レイソル、低迷続くシーズンを象徴するかのような力ない失点だった。今春、東京が鹿島戦で大迫勇也に決められたシーンが思い出された。歯車が狂うと、こんな不運な失点にも見舞われてしまう。完全にバランスを失ってしまった柏だったが、サッカーの試合というのはあくまで両軍による「共作」。両輪に同じ程度の負荷をかけないと、安定した前進は望めないのである。坂はますます傾斜した。

その後も梶山・羽生とリレー供給され続けたパスが柏を脅かした。事実上この試合を決する事になった3点目が平山相太の左足から生まれた瞬間、勝利を確信した味の素スタジアムは喜びの頂点に達した。笑顔のソウタに子供のように飛びついた、同じく笑顔の石川直宏。不意に水色のスパイクが涙でにじむ…もう限界、これ以上直視できない。日曜の夜、CATVでの再放送。画面に映し出される笑顔すべてが切なく映った。

歓喜一転、すべてが凍りついた。芝を叩くその拳に、ただならぬ事態が起きた事を、その場に居合わせた誰もが悟った。それは受け容れ難い既視感。誰もが最悪の事態を想像し、思い浮かべたその「絵」を即座に打ち消す。いくら探しても答えは見つからないのに、幾度も自問自答を繰り返した。何故、何故、何故。どうしてそれが石川直宏でなければならない?どうしてそれがこのタイミングでなければならない?何故!

今野泰幸は苛立ちを隠そうとしなかった。塩田仁史は戸惑いを隠そうとしなかった。6分。アクシデントの余波もあり、長いロスタイムが設定された。この時間にいったい何の意味があるというのか。心ここにあらず、それでも試合は続く。事情違えど、まるで何かを忘れるために声援を送る両チームのサポーターたち。あまりに虚しい。勝者なきスタジアムに『眠らない街』が悲しく響き渡る。眠れない夜の扉が開いた。

【2009年29節】 FC東京(4-0)柏レイソル ※観衆28,235人

2009年10月19日付
現在の青赤指数=60(→)
■■■■■■■■■■10発狂
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20絶望
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30暗鬱
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40不安
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50平常
■■■■■■■■■■60希望
□□□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎ブログの更新ありがとう

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2009年10月18日 (日)

こんなにも悲しい勝利(前篇)

久々高まった「代表熱」だったが、一気に冷却されてしまう。眼窩底に続いて何やら難しい漢字。負傷の一報もないまま飛び込んできた検査結果報告から、痛みの度合を推し量る事はできないが、長友佑都の次節・柏戦への出場が難しくなった状況だけはつかめてきた。突出した運動量=走行距離が引き起こした「勤続疲労」なのだとすればなんたる皮肉か。「11/3」に間にあってくれたらよし。それ以上贅沢は言うまい…

ブログ遊びで息をつく暇もなかった数日、携帯電話に書き残したままだった「原稿」がこれだった。不安は憶えるが、それでも長友は帰ってきてくれるだろう。すっかりリフレッシュして、国立競技場で暴れまわってくれるだろう。むしろこの欠場は、タイトルを賭けた大一番へ臨むにあたって、プラスに転じるかもしれない。そんな風にも考えてられていた。ポジティブになれる要素が、まだそこに残されていたからだ。

06、12、28、40。今年もテディベアはかすりもしなかった。当たるわけないと思っていながらも、やはり心のどこかで期待していたわけである。松坂牛と日本酒が好物と噂される可愛い白クマ。昨年は5点奪われての大敗を喫したイベントであり、青赤のクマ・ストラップを見るたびにそれが思い出されてしまうのが苦々しかった。今年の白いストラップは…もはや携帯電話に結びつける気にすらなれない僕なのであった。

『なかなか当たるものではありませんね』苦笑混じりで言葉を交わす。でもね、別にクマが欲しくて来ているわけではないですからね。数分前までの鼻息と動悸は何処へやら。『勝点3が取れたらそれ以外は要らないですよね』優等生発言で自身を納得させるハーフタイム。前半終了間際の先制点で気分を良くしていた。何よりも勝利を。本当はそれ以上に大切なものがあるという事を、この時点で僕は考えもしなかった。

先の日立台では快勝したものの、このタイミングで対戦する柏は、実に不気味な相手であった。ここ数年の相性の悪さに加え、徐々に追い詰められつつある窮状。黄色い菜の花が狂い咲くさまを、僕たちは蘇我で両の眼に焼きつけた。しかし、その不安を梶山陽平が切り裂いた。思わず声をあげてしまった右前方へのロングパス、鮮烈なるその弾道の先に、石川直宏。いつにも増して切れ味鋭い動きで、ナオは、この日も。

2009年10月17日付
現在の青赤指数=60(▼)
■■■■■■■■■■10発狂
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20絶望
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30暗鬱
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40不安
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50平常
■■■■■■■■■■60希望
□□□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎上昇要因:
・望みをつないだ4得点完勝(△2)
◎下降要因:
・石川直宏を再び悲劇が襲う(▼3)

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2009年10月17日 (土)

こんなにも悲しい勝利(序篇)

69分ですべてが止まってしまった飛田給。己の無力を痛感する。今はただ願う事しかできない、祈る事しかできない。『神様』

石川直宏に、光を。

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2009年10月14日 (水)

雨の千駄ヶ谷門

1回裏にスリーランホームラン。おおよそサッカーとは思えぬスコアだった。仕事を切り上げてジムに入ったのが10分前。背番号21番がベンチスタートである事を確認してから、ロッカーで着替えて水を飲んで、軽くストレッチをしてからフィットネス・バイクへ跨がった。テレビモニターを見て一気に不安になる…開始早々10分で3失点してしまう「強豪アフリカ勢」。いよいよ本気だ…本気でコイツらやる気がないぞ。

もはやアデバヨールがいる・いないの問題ではなかった。トーゴだろうがガーナだろうが関係ない。気の抜けた相手に良いプレーをしても正当に評価されないのではないか。心配なのはこの一点に尽きた。地元・日本平でも出場させてもらえなかった可哀相な選手もいるなかで、FC東京から招集された4人は揃って出場を果たした。左右SBは徳永悠平と長友佑都の「東京ゴリラウイングス」。嬉しくてウホウホである。

前後半45分ずつ、出場時間を内田篤人と分けあった徳永。この両名がボーダーライン上で争っているという図式の表れなのか。客観的に分析すると、スピードとスタミナで徳永に軍配が、フィジカルとルックスでも徳永に軍配があがるといったところだろうか。ボールを持てば迷わず低めのアーリークロスを送り続けた徳永、その評価や如何に。バイクをこぎながらどうしてもクロスの先に赤嶺真吾の影を追ってしまった。

相手より選手一人あたり1km多く走る事を目標としているらしい。さすが岡田監督、僕も最後の最後までひたすら走らされた…延々ペダルを踏みながら待ち続けた、石川直宏の登場を。最後の交代枠が彼に与えられたのを機に、汗で冷えてしまったシャツをもう一度熱くすべく、ピッチを上げた。ついぞや中村俊輔のパスを受ける場面は訪れなかったわけだが、限られた時間で再び左サイドを深く切り裂き、結果を残した。

いったいどうなる事やら、2010年の東京。今回の4人に加えて、本番では平山相太と権田修一が招集されてしまうわけだ(意地でも持論を曲げない)。なんとも暢気な帰り道、止んだと思った雨が再び土砂降りになってしまう。信濃町駅で茫然とそれを見守る。油性マジックとガムテープ、準備万端と思いきや…コンビニで想定外の出費。買ったばかりの傘をさして「聖地」へ向かう。汗が冷えて風邪をひかないか心配だ。

イイ歳して夜中に何やってんだろ、オレ。

2009年10月13日付
現在の青赤指数=61(→)
■■■■■■■■■■10発狂
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20絶望
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30暗鬱
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40不安
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□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎週末も出場できますよね?

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2009年10月13日 (火)

瀬戸際の花嫁(後篇)

《瀬戸際の花嫁》語呂合わせが気に入ったのでそのまま使っている。散々苦戦させられた末になんとかゴールインという展開も覚悟して、こんな遊び半分のタイトルを用意していた。結果的に「際」まで追い込まれず、でも愛してはいるけれど不満な点を挙げるとキリがなく、かといって他にいい人がいるわけでもなく、及第点と評すれば厳しいけど合格点と言い換えれば印象も随分と違ってくる、そんな結末なのだった。

前半早々、赤嶺真吾・平山相太のツートップが一度ずつDFラインの裏へ抜け出した場面が見られた。両者ともその手の動きを得意としているわけでなく、それは如何に讃岐が強気にラインを押し上げているかを表しているように思えた。格の差なんのその、なんとか一矢報いてやろうという反骨エネルギーがアップセットを生み出す。その積極性に少しばかり怖さを感じた矢先、思った以上にあっさり先制点が生まれた。

前線へボールが入れば2人、3人で囲んで潰しにかかる。サヌキのタヌキ対策はいたってシンプル。しかし、その捕獲網を突破されたときの打ち手は用意されていなかった。梶山陽平と鈴木達也のゴールは、ペナルティエリア内に生まれた空間を思うがまま「エンジョイ」した見慣れぬかたちのもの。やはりがっぷり四つに組むと力量差が顕れるのかな。ようやくリラックスしてビールを購入。バックスタンドは暑かった。

天皇杯の初戦はバックスタンドで強い陽射しに目を細めながら観戦するのが、毎年のパターンになっている。センターライン付近、はるか向こうに城福監督の姿。2点をリードした局面で、ピッチに怒声が響き渡った。両腕を激しく動かして叱咤激「怒」した監督の視線は、おそらくFWの二人のいずれか(またはいずれも)を捕らえていたやもしれぬ。相手との力関係とスコアを鑑みてもっとガツガツ攻めてほしかった。

何と言うべきか、丁寧に過ぎるのだ。うどんなんだから、ネギと七味を山ほど盛って立ち食いで激しく豪快に食い散らかせばいいのに。クロスのかかったテーブルで首にナプキンを巻いてフォーク&ナイフで静々「お召しあがり」になっているような、そんなまどろっこしさを感じたのだ。そばとうどんだけは許される。ズルズル汚い音をたてて吸引してもマナー違反にはならないし、公式サイトでお詫びしなくても済む。

先程までの得体のしれない何かへの恐怖は何処へやら。『勝てばよし』などと話していたファンが、いつのまにか内容まで求めはじめる。4点奪ってもなお尽きぬ欲求。釜の中のうどんよりも先に、スタンドの人々が茹であがりつつあった…これも含めて愛すべき天皇杯の光景。会場選定での不公平感、華のないイベント運営、契約更改の微妙な空気、哀愁を感じるテーマ曲。歪み含めたすべてが愛おしい。さらに、先へ。

今年こそは「エコパ」の一歩先へ、必ず。

【第89回天皇杯2回戦】 FC東京(4-0)カマタマーレ讃岐 ※観衆7,203人

2009年10月12日付
現在の青赤指数=61(→)
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20絶望
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30暗鬱
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◎日比谷「さか田」も美味い

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2009年10月11日 (日)

瀬戸際の花嫁(前篇)

携帯電話を片手に思わず苦笑してしまう。「GK」という文字が縦に並んでいた。塩田仁史の控えとして、権田修一と阿部伸行が揃ってベンチ入りしていた。超・守備的布陣、城福監督に秘策あり…などと格好よいものではなく、単純に選手が足りず苦しい台所事情がさらけ出されただけであった。京王線の車内で密かに後悔していた。キーパー3人が一緒に試合前のピッチへ登場して、練習する光景を見てみたかったのだ。

晴天に恵まれるもやや強い風が吹く味の素スタジアム。当日券売場には長蛇の列ができていた。手荷物検査からビールの売り子さんにいたるまで、何処か微妙に「違う」空気を楽しむ…楽しみたかったが、そんな余裕はなかった。時間ギリギリの到着。しかし決して「緩んで」いたわけではない。出かける直前のオムツ交換とその他作業に想定外の時間を要したのである。今日は途中でお別れ。妻子だけ先に僕の実家へ…。

いち早く両親に孫の姿を見せてあげたい。それなら少し勉強する時間を頂こうかな。僕は絶対にカマタマーレ讃岐戦を観たい。家族それぞれの思惑を整理して臨んだ天皇杯初戦。僕は秋晴れの飛田給で、奥様は国道6号線沿いのファミレスで、そしてヒマワリ君は大好きな「クロネコヤマトの宅急便」ミニカーをプレゼントされて大喜び。三者三様に充実した時間を過ごしたのであった。ジジ様&ババ様に感謝感謝である。

前日、湘南と水戸が大学生に敗れた。そしてこの日、先に試合が始まっていた大分、さらに浦和がリードを許していた。選手もファンも『まさか自分たちにかぎって』と思いつつ、一抹の不安に小さく身を震わすあかね色の午後。強制参加のロシアンルーレット、僕たちが手にする拳銃にも確かにタマが込められている事を再認識する。他会場の結果と経過を見てからトリガーを引けたのは、東京にとってよかったと思う。

松山空港から松山駅までタクシーで約20分かかる。四国に出張するときはいつも慌ただしく移動し、ギリギリのタイミングで特急列車に飛び乗る。本数が少なく、少しのミスが命取りになるのだ。ホームに流れる発車音が「瀬戸の花嫁」。常に脈拍を上げた状態でこれを聴いてきた。メインスタンド寄りのコーナーに陣取ったSANUKI UDON PEOPLEがこの名曲をチャントで奏でるのを聴く。やはり少しだけ動悸を高めながら。

2009年10月11日付
現在の青赤指数=61(→)
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20絶望
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30暗鬱
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40不安
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50平常
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□□□□□□□□□□99絶頂

◎十条「すみた」が美味い

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2009年10月10日 (土)

ナオ・ルネッサンス

今さらであるがサッカーダイジェスト誌の表紙には痺れた。本人も時期尚早と認める日本代表ユニフォームを着用しての特写。ページをめくると石川直宏の赤裸々なハートと、文字通り赤裸々なヌードを拝む事ができる。この雑誌は脱がすのが好きなの?「いつもエルゴラたまにマガジン派」の僕は、奥様の質問に答えられずにいた。インタビュー記事は特に目を引くものではなかったが、表紙だけでお腹いっぱいだった。

この季節、どの居酒屋でも秋刀魚の刺身が食べられるように、まさに旬なのである。「新雑ラテ」がこぞって彼を取りあげる。これほど多くのカメラとマイクを向けられたら『以前の自分なら勘違いしている』とナオ自身が語る。わかる。わかるよナオ、その気持ち(オイオイいつ誰がオマエにカメラとマイクを向けた?)冗談さておき、オトナになった彼がピッチの外でも「自分がよく見えている」事が理解できるのだ。

プレースタイルだけでなく、人間としての幅も広がった(のだと思う)。危険人物に認定されて敵のマークが厳しくなっても、失速する事なくゴールを積み重ねる。一方で、ファンや関係者に対する丁寧な立ち振る舞いは相変わらず、プロとしてというより一個の人間として賞賛されるべきものであり、彼に触れた人々は瞬時に魅了されてしまう。生まれ変わってサーフボードになったら絶対ナオに乗られたいと皆が願う。

背番号は21。一人の選手だけに「視点」を固定して試合を見守ったのは久々だった。注目度が高いためカメラも頻繁にその姿を捕えてくれた。序盤は所謂トップ下の位置で、やがて本田圭佑とポジションを入れ替え右へ。一番惜しかったのは左サイドをえぐりマイナスのラストパスを送った場面。あれを決めていたらナオの印象も良くなったろうに…おのれ中村憲剛め。一人勝手に「11/3」への因縁を深めながら観ていた。

途中交代でベンチへ退いたが、限られた時間で要点だけは慌ただしくプレゼンできたという印象。あんなもんじゃないけどねと声高に主張したいところだが、寄せ集めの急造チームでのプレーだけにあまり多くを求めるのも難しい。岡田監督も試合後に、新戦力として及第点の評価を与えているようなコメントを残しているし…否、安易に受けとめないほうがいいのだろうな、選手の名前を忘れるような監督の言葉なんぞ。

名波浩さんのなんだか落ち着かないインタビュー。最後にファンへ向けてメッセージを…で放送終了。ナオの言葉はスタジアムでのみ聞けるボーナストラックとなった。次戦でもスーパーサブとして出場機会を与えられると信じて。目一杯アピールして次のステージに歩を進めてほしい。ナオの前途を遮る雲なき事を…あ、一つだけ気になっているのが髪型。どうもあの人と重なってしまうのだ。髭男爵の「ひぐち君」と。

2009年10月10日付
現在の青赤指数=61(→)
■■■■■■■■■■10発狂
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20絶望
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30暗鬱
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40不安
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50平常
■■■■■■■■■■60希望
□□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎で、結局なんて話したの?

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2009年10月 9日 (金)

Double Rainbow(後篇)

戦前「Hot Spot」と予想されていた東京の左サイド=名古屋の右サイドでは、守備に重きを置いた長友佑都が上手に前進後退を繰り返していた。自身の脚力と相談して許容範囲ギリギリまでスペースを空けるが、それ以上決して無理をしない。小川佳純は明治大学の後輩にゴリゴリ「かけっこ」で圧倒された。他方、逆サイドの徳永悠平が敵陣深く侵入する場面が増えてくる。速く鋭いグラウンダーのクロスを放ち続けた。

2本目の虹が架かる「伏線」とでもいうべきシーンがあった。芝の上を滑るようなクロスに踵(かかと)であわせた鈴木達也。方向転換でエネルギーを奪われたボールは力なく相手GKに拾われてしまうが、このプレーを通じて二人の間で共通の手応えのようなものを感じたのではないか。達也が映し出す梟の残像。裏への抜け出しを意識させ縦に伸ばした敵の布陣を、梶山陽平が横方向へ拡げる…「きしめん」みたいに。

寸分の狂いもないロングパスが通った時点で、美しき創作物への期待感が芽生える。過程は完璧。しかし、それが必ずしも結果を生み出すわけではないという「摂理」を過去いやというほど思い知らされてきた。画龍点睛の屍に根差し果てなき脈動を続けるもの、それがサッカー。失望の連続に終わるなら誰も口にはしない。悩ましい事にこの果実、稀にとびきり甘くなる。中毒性の高い蜜に多くの人生が狂わされてきた。

稀有な事態を目撃できた旅人たち。瑞穂へ乗り込んだ青赤者に嫉妬を憶える。完璧な過程が完璧な結果に結びついたのである。緻密と大胆を組み合わせて建設された虹の架け橋が、ふわり優しくボールを渡した…ナニを先からグダグダ果実だの虹橋だのと「ポエム」しているのだオッサン?これも偏に台風のせいだ。丸の内線に閉じ込められて30分。西新宿と新宿の間で立ち往生。人間は地下で携帯電話片手に詩的になる。

逆転できるようになった。守り抜けるようになった。予期せぬ負傷によりプランに狂いは生じただろうが、城福監督の打ち手はまたも明瞭。どれだけ肘を振り回そうとも絶対「当たらない」人選、椋原健太と藤山竜仁を送り込んで名古屋の両サイドに蓋をする。もちろん「容疑者」のそばには東京最強の武闘派・佐原秀樹を派遣して睨みを利かせる事も忘れない。長いロスタイムも堅実に凌いで、リーグ戦連勝を果たした。

【2009年28節】 名古屋グランパス(1-2)FC東京 ※名古屋市瑞穂陸上競技場

ダブルレインボーを見た人間は幸運になるのだそうな。あれほど美しいものを見せられて幸せになれないだなんて嘘だ。虹よ。雨が止み、東京に希望の陽光が差す証だったのではないのか?勝利にも完全に晴れぬ心。一点の曇り、茂庭照幸の負傷。案の定東京は暴風雨に襲われ、僕は地下鉄に軟禁される。湿気に満ちた車内で、僕は残されたDFメンバーを指折り数える。毎年恒例「微妙な初戦」来る天皇杯に一抹の不安。

2009年10月09日付
現在の青赤指数=61(▼)
■■■■■■■■■■10発狂
■■■■■■■■■■
20絶望
■■■■■■■■■■
30暗鬱
■■■■■■■■■■
40不安
■■■■■■■■■■
50平常
■■■■■■■■■■60希望
□□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎下降要因:
・モニ眼窩底骨折による離脱(▼1)

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2009年10月 7日 (水)

Double Rainbow(中篇)

複数ある選択肢から「瑞穂の妖怪」平山相太が選んだのは、右で待ち構えていた石川直宏へのパスだった。ボールを引き寄せながら前へ行くと見せかけ、急停止して左へ切り返したナオが相手DFを腰砕けにする。自ら創出したわずかな時間と空間を利用して、優しく美しい放物線を描いた。Jで最も輝いている男の強烈なデモンストレーション。所属クラブでしっかり結果を残して、いよいよ日本代表への帰還を果たす。

ここまで、良くも悪くも茂庭照幸が起点になっていた。失点の要因になったCKは、スローインで処理すべきところをクリアミスしたために与えたもの。その一方で得点に至る流れもまた、茂庭のパスから組み立てられたものだった。玉田圭司のチェイシングを鮮やかにかわして前方へ絹のように繊細で柔らかいフィードを…とは書けないなあ、映像を見るかぎりは。接近してくる玉田に焦り、エイヤッと蹴ったボールが…

先入観かしら。同じ場面、同じタイミングでブルーノクアドロスがボールを蹴ったなら、ワーだのギャーだの叫ばず「流して」いたかもしれない。結果オーライ、モニ・フィードは見事に前方のナオの頭を経由してソウタの足元へと繋がったのであった。一喜一憂させてくれた茂庭だったが、後半不幸なかたちでスポットライトが当たる事になる。ケネディの危険極まりない肘打ちを受けてピッチに崩れ落ちたのであった。

痛くない、痛くない。これまた「痛がりキャラ」なる先入観が叩かせた軽口だった。最初はノホホンとしていたのだ。モニの事だから顔を歪めながら起き上がってくるに決まっているさと。1点リードしている状況も手伝って呑気に構えていた僕は、液晶画面を破らんばかりの怒声に平手打ちを食らう。城福監督の凄まじい表情にはじめて事態の深刻さを知ったのだった…左眼窟底骨折の診断、痛いのは茂庭だけではない。

診断結果が発表される前に書きあげてしまえばよかった。あの美しいゴールを振り返るのに、何故こんなに重い気分でいなければならないのか。名古屋だけあって、見事勝利にミソをつけてくれた。心配な茂庭の状態だが、現時点で全治は不明。横浜F・マリノスの中澤佑二が今年7月末に同じアクシデントに見舞われたときは全治2ヶ月の診断も、8月中旬には実戦復帰を果たしている。一日も早い回復を願うばかりだ。

2009年10月06日付
現在の青赤指数=62(→)
■■■■■■■■■■10発狂
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20絶望
■■■■■■■■■■
30暗鬱
■■■■■■■■■■
40不安
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50平常
■■■■■■■■■■60希望
■■□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎ただでさえ手薄なDFなのに

「これは本当に痛い」 Photo by Yama-chan
347_crash_scene

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2009年10月 5日 (月)

Double Rainbow(前篇)

土曜の朝、隣で眠る怪物を起こさぬように(念のため書いておくが奥様の事ではなく息子の事である)ベッドを抜け出す。音をたてずにウェアに着替え、家を抜け出す。程よく冷涼な空気が心地良く、軽く走るには最適なコンディション。いつものiPodではなく、ポータブルラジオを聴きがならのジョグ。クラブのホームページで告知されていたTOKYO FM「Saturday goes on」という番組のFC東京のコーナーをチェック。

6時25分から5分間、サッカーが上手になりたい子供たちの質問に東京の選手が答えるという内容だった。思ったよりも陽射しが強く、額にじんわり汗を浮かべながら、三年生「リョータ君」の声に耳を澄ました。石川直宏選手に質問です『どうして右利きなのに左利きになれたのですか?』思わず微笑んでしまった。子供ならではの素敵な表現だと思った。事実とは異なるけれど、言いたい事は凄くよく伝わってくるよね。

ここで(おそらく)小平での録音パートに切り替わるのだが、番組スタッフがいきなりシドニィ・シェルダンばりの「超訳」を披露してしまい一気に興が醒めてしまう。『どうやったら両足どちらでも巧く蹴れるようになるのかという質問なのですが…』オトナの都合、余計な気遣い。全然関係ないが、一般公募で「ゆめもぐら」に決定したはずの地下鉄の名称が、都知事の一声で「大江戸線」となった一件を思い出した。

そんな事情を知ってか知らずか、相変わらず爽やかな声でナオが回答する。小学生・中学生のころはまだボールを強く蹴れないと思うから、まずは近くへ丁寧に蹴る事を念頭に置いて練習を重ね、徐々に強く蹴れるように…云々、実に模範的な回答なのであった。子供たちにメッセージを。定番の流れでインタビューが進むわけだが、ここでも素敵な一言。『Jリーグという素敵な世界でプレーする事を目指して頑張って』

そう、素敵な世界。F1とのバッティングにもめげずに瑞穂へ乗り込んだサポーターたちは、強くそれを実感できた事だろう。まるで前日のラジオ放送が伏線だったかのように、左足で描かれた美しい弧線。どれだけマークが厳しくなろうと、確実にその包囲網を突破してしまう怪盗・ナオ。有言実行の「丁寧な左」。少年ファンのハートのみならず、名古屋グランパスからしっかり同点ゴールも奪い取る。溜息が漏れた。

2009年10月04日付
現在の青赤指数=62(△)
■■■■■■■■■■10発狂
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20絶望
■■■■■■■■■■
30暗鬱
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40不安
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50平常
■■■■■■■■■■60希望
■■□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎上昇要因:
・2009年名古屋完全制圧(△2)

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2009年10月 4日 (日)

青赤の子供たち

ひっそりとメンバーを拡大している非公認ペーニャ「育児放棄」のメンバーで、ロイヤルホストの一角に陣取った。ファミリーレストランと縁遠い人生を送ってきたが、やはり幼児を連れて食事をするには適した環境が整っている。ロイヤルを名乗るだけあって価格帯は高めだが、ビールは期待通りカッチリ冷えている。自動車を運転するパパさんに一礼し、グビリと。乾杯の動作をマスターしたヒマワリ君と、カツンと。

一歳数ヶ月にもなると、子供たちの個性も様々で、見ていて飽きない。脇目もふらず口に食べ物を詰め込む子、食事に飽きて店内の散策を開始する子、気がつけばママの腕に抱かれて眠る子、本当に人それぞれ。偶然にも皆、男の子だ。同世代の友達と比べて抜群の知識と経験を武器にもつ、FC東京スーパージュニアユースの中軸なのである…成人したこの子たちにペーニャを継承させるというのが地味だけど壮大な夢。

一週間以上寝かせておいた原稿を引っ張り出したところで、今日は「子供」にまつわるお話を。最初にトップチームへの昇格が発表されたユースの3選手へ。遅ればせながら、おめでとう。阿部巧・重松健太郎・そしてメディカルスタッフによるエイジングチェックに時間を要したか(どこのアフリカ人やねん)一人だけ後から発表された平出涼。下部組織から絶えず新しい血が送り込まれるのは、クラブとして健全な姿。

手放しで喜んでいられない。昇格してから先、さらに厳しい競争の世界が待ち受けている事は、先輩たちが様々な境遇に身を置いている現状からも明らかである。どうか一人でも多く味の素スタジアムの大声援を背にプレーする日が訪れん事を。カンテラーノならぬフカガワーノとコダイラーノ(総称クラマターノ)がトーキョーを牽引する日の到来を、僕は夢見ている。そして、それがそう遠くない未来だと信じている。

子供といえば、小山泰志がパパになったというニュースもあった。生まれてきた赤ちゃんがこれまた筋金入りの青赤で、体重1999グラム。クルマのナンバーを「1999」にする話は飛田給界隈でよく耳にするが(するか?)出生時の体重は望んで操れるものではない。小さく生まれて大きく育て、そしていつかトップ昇格を…あ、女の子か。梶山家、赤嶺家、羽生家、揃いも揃って女の子だったりする。単なる偶然なのかな?

選手と一緒にプレーしたいという叶わぬ願いを息子たちに託す(勝手に託されたほうはいい迷惑だ)。そのためには選手たちの遺伝子を受け継いだ、同世代の子供たちの存在が不可欠なのだが…ピーン!(電球)一人いた。今はちょっと遠くへ引っ越してしまっているけど、男の子がいた。資質はずば抜けているはず。若くして国際経験抜群、大きな瞳のカボレ・ジュニオール君を獲得しよう。彼も青赤の子供なのだから。

2009年10月03日付
現在の青赤指数=60(→)
■■■■■■■■■■10発狂
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20絶望
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30暗鬱
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40不安
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50平常
■■■■■■■■■■60希望
□□□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎怪我を治して頑張ってパパ!

「子供たちに夢を与える存在による危険極まりない行為」 Photo by Yama-chan
346_dorompa_with_kamehiyo_2

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2009年10月 2日 (金)

流星よ蒼く輝け

戦場のように慌しい朝。オムツ交換に失敗して、着たばかりのYシャツを早々に脱がなければならなくなった、10月最初の日。その「ウン」はFC東京へ届く吉報の前兆だったのだろうか。会議を終えてデスクに戻ってみると、携帯電話に数通のメールが届いていた。受信ボックスに並ぶ件名、それぞれ違いはあれど「ナオ」の後に無数の八分音符やハートマークが並んでいるのを見て、すっと身体が軽くなるのを感じた。

初めて購入した青いレプリカが「ISHIKAWA」だった。ジーコジャパンに初招集されたあのとき、喜び勇んで新宿西口のサッカーショップに駆け込み、見慣れぬ背番号26をプリントしてもらった。埼玉スタジアムへ足を運んだが、残念ながらお目当ての彼は試合に出場せず。背番号27の大久保嘉人がヘディングシュートを決めたが、オフサイド判定で結局スコアレスドローという、消化不良の結果に憤った夜が思い出される。

石川直宏(FC東京)

リストを一覧する。ひときわ光る四文字、そしていつもより重みを感じるクラブ名の表記。想像していた以上にジーンときてしまった。ナオ…日本代表への久々の招集、本当におめでとう。思っていても絶対に書けなかったけど、正直なところ監督が交代しないかぎり、絶対に呼ばれないと予想していたから、その反動も手伝い余計に嬉しかった(平山相太と権田修一には声がかからず…僕の予想はとことん当たらない)。

アテネの挫折、右膝の大怪我。順風満帆といかなかった日々、高く荒い波にもまれた数年を経て、貴方は一回りも二回りも強く大きくなった。精悍さを増した現在の風貌に、青いユニフォームはどれだけ映える事だろう。小平の愛され人よ、さらに輝け。ナオ…くれぐれも怪我だけには気をつけて下さい。僕もこれ以上社内文書を作成するときに「尚」を「ナオ」と変換して上司にどやされる事のないように気をつけます。

碧き流星が何処までも流れゆく夢が見たい

2009年10月02日付
現在の青赤指数=60(→)
■■■■■■■■■■10発狂
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20絶望
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30暗鬱
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40不安
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50平常
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□□□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎もちろんトクもおめでとう

「どの試合に出るの?」 Photo by Yama-chan
345_ready_to_shoot

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2009年10月 1日 (木)

芯(後篇)

赤嶺真吾の投入によって一列下がっていた鈴木達也、さらに石川直宏を下げ、最終的には新たなオプションである3バックへと移行。右に中村北斗、左に長友佑都、そしてトップ下の位置に今野泰幸という布陣は戦前の報道通りであった。事前に練っていた策だけあって、城福監督の佇まいからは迷いの類が感じられなかった。シチュエーションはまったく違えど、それはナビスコカップ準々決勝で感じた空気に似ていた。

佐原秀樹と平松大志を続けざまにピッチへ送り出したあの夜と一緒。意図が明確で、一本芯の通った決断。あれよあれよの間に逆転を許し、気を落としていた僕もまた、シャキッと背筋を伸ばして声量を上げる。交代枠を使い切り、あとは選手たちに賭けるだけ。心中こんな思いだっただろうか。そして見事にその策が奏功したのだから、監督にとってはしてやったりの展開だっただろう。新しい翼が突風を巻き起こした。

右、一切の惑いを感じさせぬホクトの翼。思い切りの良いアーリークロスは定規で線を引いたように真っ直ぐゴールへ向かって飛んでゆく。そこへ走り込む国見の盟友。プライベートでも仲の良い二人だけあって呼吸はピッタリと合っていた。ボールとボーズが同時に迫りくる恐怖に直面した相手GKがパニックに陥る。ソウタ、得点者としての栄誉は他に譲ったものの、「ヨゴレ」ならぬ「ツブレ」として値千金の働き。

左、一切の疲れを感じさせぬユウトの翼。その推進力と持続力は、世の常識を覆す。一段高い位置にセットされた発射台から、次々と魚雷が撃ち込まれた。海中を泳ぐように、自在に暴れ回る脅威の爆撃兵器は、蓄積した乳酸をも燃料にしているようだ。こぼれ落ちた標的へ見事に着弾したが、爆破するにはあまりに無理な体勢。ここから先が「体幹ゴリラ」の真骨頂だった。崩れそうで崩れないまま身体の向きを変えた。

派手さはないが難易度の高いゴールだったと思う。長時間に渡りアップダウンを繰り返した後になかなかできる芸当ではない。しかし驚きはこれに留まらなかった。その後も左サイドを蹂躙し続けた末、スタンドを狂乱に導く絶妙なクロスを上げたのだ。93分の結実、歓喜を誘う放物線の先にもまたひとり、一本太い芯の通った男の姿が。満たされぬ日々に対し、自ら提示した回答。それは何よりも雄弁な表現手法だった。

赤嶺真吾が跳ぶ。少し斜め後方に、身体を反らしながら。針金のように伸びた背筋はもはや揺れぬ心の顕れか。その凛と美しき空中姿勢に目を奪われる。スタジアムが割れる一秒前、すべての人々が息を呑んだ。

【2009年27節】 FC東京(3-2)ジュビロ磐田 ※観衆21,512人

2009年10月01日付
現在の青赤指数=60(→)
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20絶望
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30暗鬱
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40不安
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50平常
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□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎てなわけでラブレター大募集

「サイゴはシンゴ」 Photo by Yama-chan
344_akamine_tokyo

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2009年9月30日 (水)

芯(中篇)

ゴール裏からピッチに向かって左後の方角から右前の方角へ、楕円形のスタジアムを斜めに切断するように旅客機が飛んでいくのが見えた。その高度と機体の大きさからみて、隣接する飛行場から飛び立ったものではない事がわかった。大型の飛行機とは珍しいと思い、僕はちらちら目で追っていた。次第に小さくなってゆく翼が、半月の向こう側へ消えてしばらくの後、流星が地上で煌めく。試合が一気に動きはじめた。

絶妙なトラップミスと皮肉ると怒られるだろうか。平山相太の「ポストプレー」からこぼれ落ちたボールを石川直宏がインサイドで丁寧に蹴り入れる。今シーズン量産されてきたナオゴールのなかでおそらく最も球速の遅いシュートだった。ふわり浮いたボールが必死になって飛び出してきた相手GKをあざ笑うかのように、ゴールへ吸い込まれていった。見事なチェンジアップ。不意に違う球技の用語が脳裏をよぎった。

軌道をしっかり目で追える、それほど緩やかな箒星。願い事をするには十分過ぎる時間があった。『この幸せが少しでも長く続きますように』しかし怠っていた。近隣諸「席」とのハイタッチ外交に追われ、中長期的な視野にたった政策を打ち出せなかった。あのような失点パターンは廃止します…わずか2分後にそのマニフェストは瓦解する。権田修一の痛恨。ガシャンという金属音を残し、たちまち振り出しに戻った。

前田遼一に続き、今度はイ・グノ。完全にフリーになっていた磐田の出戻り救世主に逆転ゴールを許す。悪癖のオンパレード、実に嫌な流れで終盤に入った。そう簡単に変われないものなのかね、人もチームも。《いや、少しずつ前進しているはずだよ》《試合前『やりゃできるじゃん』って驚いていたでしょう?》鞄の中から聞こえてくる声の主は他ならぬ進化の象徴・石川ナオその人なのであった…ただしフィギュア。

もはや狙ってハズしているとしか思えないと、マニア層に一定の評価を得ていた毎年恒例のフィギュア企画。初代アマラオから年々「背番号を隠せば難解クイズの素材として重宝できる」微妙なデザインが物議を醸し出してきたわけだが、今回確かに何かが変わった。思わず驚き販売コーナーに走ってしまった、なかなかの出来映え。フィギュアは確実に一歩前進した。そしてチームもまた、進化の証を見せつけてくれた。

某スタッフさんによると例のフィギュアを見た「モデル」の彼は、開口一番『オレ、エロい!』と感想を漏らしたのだとか…。

2009年09月30日付
現在の青赤指数=60(→)
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20絶望
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30暗鬱
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40不安
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50平常
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□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎ワッペンだけ売ってください

「おや…?足?」 Photo by Yama-chan
343_dorompa_with_kamehiyo

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2009年9月28日 (月)

芯(前篇)

背筋に一閃、ピシャリと電気が走り、その直後、両足の裏から腹の底にかけてズンと重い衝撃を受ける。幽霊みたいに少し斜め上から客観的に自分を俯瞰している自分がいる。劇的な逆転勝利。ジュビロキラーによるロスタイムの決勝ゴールという、これ以上ないベタな演出だ。さあどうするよ、俺?残業中に現実逃避するために、ジムでテンションを上げるために、いつも思い描いてきたのは、こんな瞬間だっただろう?

どう喜びを表すべきだろう。叫ぶ?笑う?泣く?浮遊体と交わす自問自答。間抜けな顔していたはずだ。口を半端に開けたまま両腕をゆっくり突き上げて、声にならない声を発していた。アーアーと。息子が見ていたら喜んだはずだ。パパが僕の真似していると。意中の女性に誘いをかけようと、あれやこれやと作戦を練っておきながら、いざ顔をあわせると悲しいくらい中身のない世間話で終わってしまう、そんな感じ。

ツマミが「強」にひねられたままの心臓。通常時の三割増の血液を体内に送り出しているようだった。耳の後ろからじわじわと熱くなってくる。興奮に満ちたスタンドの真ん中で、明らかに周囲から遅れをとっていて、でも焦ってその遅れを取り戻そうともせず、なおも叫ばず、喚かず、一度大きく息を吸って、吐いて、再び天を見上げていた。幽霊は見えなかったが、半月が変わらず美しい光を放っていた。美しかった。

僕は自分だけに聞こえる音量で、アーアーと声を漏らしていた。アカミネのアーでもあり、嗚呼幸せのアーでもあり。すごく感激しているのに、なかなかそれを表現するには至れない。この気持ちは年末ジャンボ宝くじで3億円当たったときのそれに似ている(当たった事ないけれど)。うっすら涙ぐんでいたのを気づかれないように顎を突き出したまま、風で目を乾かす。体内の芯ともいうべき何かが震えたままだった。

一度は死地に踏み入れた足を強引に引き抜いてくれた赤嶺真吾のヘディングシュートだった。引き抜いてくれたという表現は、適切ではないか。苦境に立たされてもなお折れず、勝負に挑み続けたチームの総力で底無し沼から足を引き抜いた、そんな結末だった。この試合を落とすようだと「アジア」という目標に達する事が、かなり厳しくなっていたはずだ。まだ死んでいない、それを高らかに宣言する号砲が聞こえた。

2009年09月28日付
現在の青赤指数=60(→)
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20絶望
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30暗鬱
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40不安
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50平常
■■■■■■■■■■60希望
□□□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎浄さんに「大人の作法」を学ぶ

「大歓声に月も割れる」 Photo by Yama-chan
342_halfmoon

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2009年9月26日 (土)

芯(序篇)

こんな勝ちかたができるようになりました

2009年09月26日付
現在の青赤指数=60(△)
■■■■■■■■■■10発狂
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20絶望
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30暗鬱
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40不安
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50平常
■■■■■■■■■■60希望
□□□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎上昇要因
・劇的逆転に味スタ燃ゆ(△3)

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2009年9月25日 (金)

零の秋風(後篇)

敵が送り出した交代選手は、檻から放たれた野犬のように危険極まりない動きでピッチを駆けずり回った。疲労のせいか徐々に間延びしてきた中盤のスペースで、佐々木勇人に好き勝手にドリブルを許し、ズルズル下がりはじめた最終ラインは、播戸竜二の隙あれば裏つかんとする動きに脅かされ続けた。流れを変えるため投入された選手が、実際に試合の流れを変える。ベンチが思い描く「絵」を具現化する任務の遂行。

求められているのは「代わる」事ではなく「変える」事なのだ。残念ながら、東京はその役割を果たせるカードを持ちあわせていなかった。大竹洋平と近藤祐介の二人が揃ってベンチにも入れない状況は、現在の東京にとって酷な条件設定だっただろう。何度も壁に立ち向かうと言ったら聞こえも良かろうが、何度も同じ過ちを繰り返していてはいけない。田邉草民は高いレッスン料を支払い続ける。必ず花開くと信じる。

想定していたリードを奪えぬまま最後の直線に差し掛かった逃げ馬のように、ラスト20分は完全に失速した東京。スタンドで見ている僕たちも息苦しくなる展開だった。椋原健太が送り込まれ、徳永悠平がポジションを前方に移す。事前の報道から予測されたのは、長友佑都がこの左SHの位置に上がるオプションだったのだが、はたしてどのような狙いがあるのだろうか。新たな観察テーマを掲げて試合を追ったのだが…

ガンバの猛攻の前にピッチのむこう半分へ押し込まれたままの東京。前も後も徳永も長友もあったものではなく、全員が守備に追われ、ついぞや城福監督の意図は見えず仕舞いだった。勝点1を狙うというよりも勝点0で終わる事だけは阻止する、そんな前向きで後向きな目的意識にしがみついた選手たち。悔しいけれどこれが現実、今の東京にできる事のすべて。権田修一の奮闘光り、どうにか「修正目標」を達成した。

試合終了と同時に安堵感の溜息をひとつ。五割五分の達成感。ベストではないけど、やれる事をすべてやった結果。下向くわけでも上向くわけでもなく、視線を動かさずただ前方を見やった。何が見える?何かが見える?選手は去り、順位を下げ、秋風が吹く。強者相手に零封なる結果は残した。ただ、それ以上の可能性も零に近かったというのも正直な感想。気づけば順位表の真ん中、何やら見慣れた位置を寂しく漂う。

どうしても酒が飲みたくなった。奥様に無理を言い飛田給駅で別れた。カップ戦の頂という「点」に気をとられ、肝心の「線」リーグ戦における停滞感がぼやけて感じられるようになってきた。スコアレスドローに何処か納得する自分がいる。遠い存在に思えた「憧れ」に、一度は手が届くところまで接近したからこそ、この思いは悩ましい。力ずくでどうにかなるならしてしまいたい。でも、そんな簡単なものではない。

疲れているのに酔えなかった。乗客もまばらになった準特急が八幡山駅を通過する。力なく座り込んだ僕は、隣の車両から流れ着いた冷風を感じながら虚しく窓外を眺めていた。半袖ではそろそろ厳しい季節になってきた。帰路を急いでいるのに誰かと話がしたくなる矛盾。いっそ眠ってしまえと腕組みしたまま両脚を大袈裟に広げ、目を閉じてみた。酸素供給口を塞がれた眼球が、再び薄膜への拒絶反応を示しはじめた。

【2009年26節】 FC東京(0-0)ガンバ大阪 ※観衆23,014人

2009年09月24日付
現在の青赤指数=57(→)
■■■■■■■■■■10発狂
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20絶望
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30暗鬱
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40不安
■■■■■■■■■■50平常
■■■■■■■□□□60希望
□□□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎そしてなんだかもう金曜日

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2009年9月23日 (水)

零の秋風(中篇)

ベンチ入りメンバーにズラリ守備的選手の名が並んでいた事実が、苦しい台所事情を物語っていた。カボレと平山相太の不在という苦境に立たされたFC東京が迎え撃つのはガンバ大阪。「死に体」かと思われた一時期の惨状から脱し、再び勢いを取り戻した西の雄である。パスサッカー、そして中東貿易の成熟度でも東京の一歩先をゆくJの強豪クラブである。撃ちあいになると分が悪いのは、残念ながら東京であった。

序盤から積極果敢に攻め上がる城福東京。攻撃陣の層はこれまでになく薄く、複数得点を期待するのは難しい。胸に刻まれるは「ミッション・イチゼロ」なる共通目標だったか。サイドに広げてから敵のDFラインの裏へ潜り込む。前線でボールの収まりどころがないため、どうしても同じパターンの繰り返しに見えてきてしまうが、根気よくそれを繰り返せば、いずれ綻びが生じるはず。それを信じて待つほかなかった。

最初の好機は鈴木達也が送るプレゼント・パスに石川直宏が上手くあわせ損ねた事で水泡に帰した。結果論である事は百も承知だが、あの場面はタッちゃんにシュートを撃ってほしかった。城福監督がシーズンの分岐点になったと語る万博での一戦、彼が奪ったゴールからは、ある種の開き直りと野生味が感じられた事を思い出す。先発出場のFWとしてもっとエゴイスティックにトライ&エラーを重ねてほしかったのだ。

前も後も万全でなかったか、この日のガンバからはさほど凄みを感じなかった。そのぶん中盤、特に「底」に陣取る明神智和の存在感が際だっていた。東京のあと一手の「一手」を根こそぎむしり取る、明神の静かな重みよ。前後左右からどれだけ身体をぶつけられても微動だにしないその姿を、僕は切歯扼腕しながら睨みつけた。そしてその障害を軽々飛越できないのが東京の現状。次第に息があがっていくのを感じる。

終わってみたらスコアレスドロー。数字の上ではイーブンだ。審判も両チームに対し分け隔てなく不可思議な判定を繰り返し、トータルで有利不利が生じぬよう尽力していた(さすがはプロの審判だ!)。しかし最終コーナーを回り最後の直線、隠しようのない両者の差が浮き彫りとなった。交代投入された選手がもたらす効果、その差は歴然。何度も見せられてきた光景がまたも繰り返された。変化が感じられないのだ。

2009年09月23日付
現在の青赤指数=57(▼)
■■■■■■■■■■10発狂
■■■■■■■■■■
20絶望
■■■■■■■■■■
30暗鬱
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40不安
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■■■■■■■□□□60希望
□□□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎下降要因
・ナオ再び戦線離脱か(▼1)

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2009年9月22日 (火)

零の秋風(前篇)

出張から戻ってきた後、理由あって終電で帰れず、始発で帰る事もできず、始発から3本目の電車で帰宅した。充血した眼球がコンタクトレンズを拒絶したため、眼鏡をかけての朝帰りとなった。すべてが一回り小さく映る違和感まじりの世界。金曜の夜をズルズル引きずったまま、土曜の朝を迎えた。考える事がたくさんあったが、その全部を放棄して朝の光に包まれたベッドに身体を委ねた。妙に気持ちが昴っていた。

『ほらな?やはり人間、寝るならベッドにかぎるよ』つい一時間前まで固い床に抑えつけられていた背中が、スプリングの効いたマットの感触に嬉々としながら訴えた。そんな背中の抗議には耳を貸さず、サイドテーブルに眼鏡を置いて、僕は静かに目を閉じた。すべてをリセットしたかったが、一つだけ大切な情報を記憶のフォルダーに上書き保存しておく。16時00分・味スタ。リセット、リセット。とにかく眠らねば。

結局、数時間の仮眠しかとれず、もやっとした疲労を背負いながら、一日を強制稼動する事になった。家中を精力的に駆け回るフルタイム4WD・恐怖のヒマワリ君が、ガバリと顔の上に乗ってきたのだ。それは『そろそろ起きなさい』という奥様からのメッセージだった。軽い食事をとり、慌ただしく掃除を済ませたら、もう出発時間が迫っていた。急いで自分の服を着替えて、息子の服も着替えさせる。とても忙しい。

なんとか準備を整え、洗面所で歯を磨いていたら、リビングからギャッという悲鳴が聞こえてきた。奥様が蓋を探すわずかな隙に、背伸びしてキッチンカウンターに置かれた魔法瓶をつかんだらしい。頭からアイスコーヒーを浴びた彼が、驚きに顔を歪ませ固まっていた。床に散乱した氷と褐色の液体が、出発時間の延期を告げていた。もう一度シャワーからやり直し。ホットコーヒーでなかったのが不幸中の幸いだった。

予定より一本遅い準特急で飛田給へ到着。この日はブラジルにスポットをあてる年に一度の日。2002年の「サンバナイト」からスタジアムに通いはじめた僕には思い入れの深いイベントなのだが、今年は少しもの寂しさを感じさせるサンバのリズム。文字通りラスト・サムライとなったブルーノクアドロスがMDPの表紙を飾るが、恒例の「特写」ではなく通常のデザイン。特別な一日を印象づける笑顔はそこになかった。

2009年09月22日付
現在の青赤指数=58(→)
■■■■■■■■■■10発狂
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20絶望
■■■■■■■■■■
30暗鬱
■■■■■■■■■■
40不安
■■■■■■■■■■50平常
■■■■■■■■□□60希望
□□□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎ポヨンポヨンサンバ

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2009年9月21日 (月)

スランプの要因

しばらく「おやすみ」させて頂いておりました。今後もしばらく「おやすみモード」続きそうな気がします。愛するソニーエリクソンがNTT docomoと疎遠になってからずいぶん時間が経過しました。そう、遂に決断したのです。ソニエリとの決別、他のメーカーの携帯電話への移行を。買ってしまいましたよ、指紋がつくのも惜しい、ピカピカの新製品を。これがブログ更新が滞る一因になったわけです。困惑の毎日です。

同じケータイなのに、同じキャリアなのにどうしてこうも違うのか。監督が替わってサッカーそのものがガラリと変化するように、本当に戸惑いの続く毎日。文字入力、改行、句読点…嗚呼、どうも慣れないのであります。以前、自分のケータイを詳細に描写した事があり、それを記憶してくれていた御方に「正体」を見破られた事がありました(可愛い女性だったので、ビールをご馳走したのは言うまでもありません)。

だから多くは書きませんが…なんとかしてくれシャープよ!Pだとガンバ大阪、Fだと川崎フロンターレ、Nだとモンテディオ山形みたいだからと、消去法で選んだSHだったのに…本当に慣れるまでは大変そうです。ご覧頂いているブログは、ほとんど携帯電話で書いているものです。ですからその筆記用具の使い勝手が悪くなるというのは致命的な事。ガンバ戦が終わったというのに暢気に足湯の記事だなんて、最悪。

でも、どんなケータイだろうが「書くのが難しい」試合でもありました。そのガンバ戦ですが、連休中にゆっくり回想しながら書いてみたいと思っています。息苦しさに満ちた時間、欲しいものがハッキリしているのに手が届かない(あるいは手を伸ばせない)やるせない気分。一番更新を遅らせているのは、この晴れない気持ちだったりします。なんだか重々しくもやもやしている…考えても仕方がないのに心が苦しい。

最近ちょっとした「スランプ」なのです。

2009年09月21日付
現在の青赤指数=58(→)
■■■■■■■■■■10発狂
■■■■■■■■■■
20絶望
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30暗鬱
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40不安
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■■■■■■■■□□60希望
□□□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎秋風が身にしみませんか?

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2009年9月20日 (日)

胸に希望を(後篇)

平山相太のゴールパフォーマンスが月代わりになるとしたら…考えただけでドキドキする。あるときは「スパイダーマン」を真似てカッコよく、またあるときは「劇場版ポケットモンスター」をパクってキッズクラブのハートをガッチリつかむ。トドメは「おくりびと」以外に考えられない。生と死の意味を考えさせるソウタさんの納棺師パフォーマンスは、きっとサッカーという枠を超えた感動を巻き起こすに違いない。

月代わりのユニフォームというアイデアをそのまま頂き、僕は「JRA」と提携するという夢を見る。条件はそれなりに整っているのよね…まずは立地。言うまでもなく飛田給と東府中は京王線準特急臨時停車のお隣同士の間柄。土日に興行が開催される共通点を活かし、相互のファン取り込みを図れる。そして両者最大の共通点は「カレンダー」だと僕は考える。3月のクラシック戦線開幕から、12月のグランプリまで。

春から盛りあがり、冬にクライマックスを迎える競馬。夏はちょっとバテ気味になるところまで東京にピッタリだ。新緑のダービーから冬枯れの有馬記念まで、季節感ともなう興行形態はJリーグにもフィットするだろう。希望に満ちた春先は胸に「日本ダービー」。秋になったら天皇杯と「天皇賞」のコラボレーション企画を(どうコラボするの?)。「有馬記念」で勝ち進んだ天皇杯、決勝は元旦限定の「金杯」ユニ。

なんだか勝手に書いて勝手に元気になってしまった…絶対に買うだろうなぁ、青赤の「金杯」レプリカ。ブームは去ったとはいえ、まだまだカネはありまっせ、日本中央競馬会。パチンコメーカーが胸スポンサーとして認められず、遂にスポンサーからも撤退してしまった昨今、競馬に対する風当たりも強かろうが、もしJRAがリーグに容認されるなら…きっと不快感を示すのは「うまたせ!」クンくらいだろうなぁ…。

おっと、時間がなくなってきた。とっとと足湯を終えて、土産屋で「一六タルト」を買ってから、ボスのお迎えにあがるとしよう…ううむ、銘菓も悪くないな。「東京ばな奈」あたり本気になってくれないかな。胸ロゴに平仮名が入るのは違和感があるけど、贅沢言っていられない。いっそスカイダンサーズ(選手入場時の青赤ニョロニョロ)をバナナにしてでもいいから説得を…とにかく頑張れ営業。胸に新しい希望を!

2009年09月20日付
現在の青赤指数=58(▼)
■■■■■■■■■■10発狂
■■■■■■■■■■
20絶望
■■■■■■■■■■
30暗鬱
■■■■■■■■■■
40不安
■■■■■■■■■■50平常
■■■■■■■■□□60希望
□□□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎下降要因
・気がつけばどっぷり中位(▼2)

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2009年9月19日 (土)

胸に希望を(前篇)

暗い話題が続く。東京ヴェルディ、そして横浜F・マリノスという「名門」クラブが各々親会社の撤退、もしくは出資減決定という厳しい事態に直面している。これらは僕たちにとってまったく他人事ではなく、現にFC東京も新日本石油の胸スポンサー撤退というバッドニュースが漏れ伝わってきた後、これに替わる新しいスポンサード契約を結んだなどという明るい話は、一切耳に届かない。実に悩ましいわけである。

最近、驚くほど閑散としているのが夜の銀座。晴海通りを移動する際、数寄屋橋から四丁目交差点まで一度も止まらずたどり着くタクシーに、薄ら寒い違和感を憶える。テナントに逃げられたままの雑居ビル、人の往来が少なく、いやに広く感じる路地。如何にこの街が「カイシャノケイヒ」なるもので支えられていたかが、よくわかる。財政状況が苦しくなると真っ先にカットされるのが交際費、そして広告宣伝費の類。

ENEOSが消え、胸にポッカリ穴が空く青赤のユニフォーム。新たな支援者を求めて、いっそ胸ロゴをSOSに変えて窮状を訴えたい心境だろうか。親会社の本業でのつきあい(しがらみとは書かないよ)で、自然と重厚長大系大企業が主要スポンサーリストの多くを占める。新日石の後釜は、簡単に見つかりそうにない。出張ついでに立ち寄った道後温泉で、スーツの裾をまくり上げて「足湯」をしながら考えてみた。

まったく新たなスポンサーと契約できるのがベスト。FC東京にゆかりのある企業を思い起こす。最初に思いつくのは味の素。スタジアム命名権更新につぎ込んだ資金をこちらへ廻してくれたらよかったのにな、なんてぼんやり考える。足湯は程よく温かく「ぬぼーっ」には最適である。このときボスは風呂に入っていて、道後の湯の熱さを知る僕が裸のつきあいを拒否した経緯があるのだが、本題にはまったく関係ない。

道後温泉の中心にある共同浴場の建物は、「千と千尋の神隠し」に登場する油屋なる温泉宿のモデルになったといわれている。ジブリ作品をまったく観ない僕にとっては関心をひくものではないのだが、映画といえば。どこぞの雑誌かどこぞのブログで、どこぞの国のどこぞのサッカークラブが映画会社とスポンサード契約を結んだ事例が紹介されていた。その会社が配給する映画のタイトルが胸にプリントされる仕組み。

目から鱗が落ちる思いだった。よく考えるものである。シーズンを通して同じロゴである必要はないのだ。近日公開される新作映画をユニフォームを使って宣伝するという手法。月代わりだと仮定すると、シーズン通して10種類のユニフォームが登場するわけだ。コレクター癖の強いマニアなら、10種類のレプリカすべて買い揃えるかもしれない…10周年記念ネクタイを6種類まとめて大人買いした強者を僕は知っている。

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2009年9月15日 (火)

空気を濁したのは

仕事以外で決してミスを犯さないと評判の僕だが、バカンスボケか珍しく録画に失敗してしまった。CATV派の僕にとってミスの許されないワンチャンスだったのだが、はたして京都戦の映像は、文字通り灰の中に埋もれる事になってしまった。よって鴨池での一戦はダイジェストしか観ていない。そんな立場でグチグチ文句を垂れるなとお怒りになる「現場至上主義者」の皆様におかれましては、ここでお引取り願いたい。

試合後ゴール裏から『カップを奪い取れ』なるチャントが発生したという。皮肉だとしたらあまりに上等。昨シーズンと黒星の数が並び、もはやリーグタイトルには手が届かない。だからキッパリ割り切ってナビスコカップに照準を絞ろうぜ。誰もがそういうメッセージとして受け止めるだろう。なんだか悲しくなってくる。何の権利があって勝手に終戦宣言をしているのだ?誰のセンスでそんなチャントが飛び出すのか?

高い航空運賃を支払って灰と雨を浴びにゆく、間違いなく熱意溢れる人々。東京というクラブを彩る一面=スタンド、ときにはスタジアムの空気まで一変させる力を持つ重要なキャスト。あまりに節操ないではないか。味の素スタジアムを満員にする鍵。チームの戦績も大切だが、ゴール裏が醸し出す激しくも楽しい雰囲気、これも同じくらい大切だ。少なくとも僕自身、ゴール裏に魅了されて、この世界に浸かりこんだ。

優勝が遠のいても、アジアという目標が残っている。十二分に魅力的なゴールドだ。決勝進出決定、そしてチケット争奪戦の直後だったとはいえ、あまりに空気が読めてない。言葉を選ばず書かせてもらうと、ゴール裏は年々アタマが悪くなってきている(少しは言葉を選べよ)。試合後の会見で選手・監督いずれも、この件について触れていた。実に残念である。後先考えず歌いわめくなら、それは餓鬼の児戯に等しい。

以上、南島で波と戯れていた男の独り言。

【2009年25節】 京都サンガFC(2-1)FC東京 ※鹿児島県立鴨池陸上競技場

2009年09月15日付
現在の青赤指数=60(→)
■■■■■■■■■■10発狂
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20絶望
■■■■■■■■■■
30暗鬱
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40不安
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50平常
■■■■■■■■■■60希望
□□□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎あきらめたらそこで…

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2009年9月14日 (月)

anytime anywhere(後篇)

傍から見ると異常な光景だっただろうか。はてしなく青い海と白い砂浜。海岸沿いに建てられたホテルのプールでは、のんびり昼寝を楽しむ男女、そして水遊びに夢中になる子供たち。そんな人々に背を向けて、カウンターに設置されたデスクトップPC3台を駆使して、一心不乱にマウスとキーボードを操作する男と女、それが僕たちだった。最悪の事態も覚悟しながらの、見えない敵との闘い。勝負はあっけなかった。

「2004年の聖戦」を体験した僕にとって、あまりに拍子抜けする結末だった。『取れたよ』要領の良い奥様が僕より先に結果を出すのは想像できていたが、それにしても簡単すぎる。京浜地帯という最激戦区から遠く離れた石垣島から攻め入ったのが奏功したのだろうか(嗚呼なんてアナログな人間の発想)。間を置かず、僕も自由席チケット入手に成功。一連の「タヌキ講」作戦最終章、子ダヌキ再結集の準備が整った。

チケットの問題に続き、カボレの問題にも決着がついた。良くも悪くも緊張感から解放された僕は、改めて脱・東京の意識を強めて、息子のプール&海デビュー(加えて父子での大浴場&露天風呂デビュー)に集中する一方、入手が極めて困難とされる「辺銀食堂のラー油」と幻の泡盛「泡波」の確保に奔走した。慌しい毎日だったが、海水をがぶ飲みして号泣する息子をなだめている間、頭から青赤の一切が消えていた。

早々に寝静まる息子の寝顔を肴に、泡盛を水割りでくいくい呑むのが、一番落ちつく時間帯だった。鰹のワタの塩辛が、泡盛の美味さを引き出してくれた。青赤依存症を自認する僕も、こうやって人並みの(?)幸せな時間を過ごせるではないか。そんな感慨も思わぬ“奇跡”の前に吹き飛ぶ事になる。石垣からフェリーで10分、竹富島で水牛車に揺られ集落観光を終えたとき、待合所で遭遇したのである。「シッポ」に。

水牛の「だいちゃん」と記念撮影をしたとき、ドロンパのぬいぐるみを抱えていたのが決め手となったらしい。それにしてもなんたる偶然だろう。南も南、それも離島の離島ともいうべき日本の隅っこで、よくもまぁ。声をかけてくれた御方は、しかもこのブログに目を通して下さる青赤氏。恐ろしくすらある世間の狭さよ。かくして予期せぬ出会いを通じて、世界の果てでも青赤から離れられない運命を悟ったのだった。

追伸:
飛田給か明大前での「再会」が楽しみです

2009年09月14日付
現在の青赤指数=60(▼)
■■■■■■■■■■10発狂
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20絶望
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30暗鬱
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40不安
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50平常
■■■■■■■■■■60希望
□□□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎下降要因:
・灰と雨に霞むアジア(▼2)

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2009年9月13日 (日)

anytime anywhere(前篇)

パパママ先輩諸氏におかれては『何をいまさら』と思われるに違いないが、幼児を連れて旅行にでかけるのは、ある意味荒行である。窓から差し込む日光を感じながら、しかし、いつまでも白いシーツにくるまり眠り続ける。そんなバカバカンスな時間を過ごすのは、もはや叶わぬ夢であり、哀れいつもと変わらぬ時間に、強制的に叩き起こされる毎日だった。ありとあらゆる扉を開ける、そしてボタンを押す、最近の彼。

好奇心の塊と化したヒマワリ君の快進撃は止まらない。最近「噛む」事を憶えた彼の不意討ちは恐怖の的である。さすが石垣島だけあって、ホテルの中庭には『ハブに注意』などどいう看板が立てられていたが、こちとら部屋の中でも危険がいっぱいなのだ。それでも朝から晩まで家族一緒にいる時間は実に貴重であり、同時に家事・育児とはこれほどまでにエネルギーが必要なのかと、再認識するに良い機会でもあった。

BlackBerry(日本ではNTTドコモから発売されている悪魔の装置:携帯しなければ上司にどやされ、万が一紛失してしまうと始末書どころではない騒ぎになる)という恐ろしい通信機器のおかげで、世界中何処にいても仕事のメールが飛び込んでくる。心身ともに完全リフレッシュする事はできないわけだ。それでも連日徹夜で働かねばならない状況でもなく、こうして休暇も取れているのだから、贅沢言ってられない。

もう一つ。僕たち家族の生活から「東京」もまた、何処にいても離れられない関係にある。マイレージ交換が可能となる二ヶ月前から今回の旅程を組んでいたわけだが、鹿児島開催の京都戦は最初から「欠場」と決めていた。ただしナビスコカップ準決勝だけは見逃せないと、9月第二週に照準を定めた経緯がある。航空券をおさえたのは名古屋との準々決勝に臨む前の段階だったから、僕たちは「賭け」に勝ったわけだ。

一点だけ誤算があった。決勝進出を決めた以上、チケット争奪戦「参戦」は不可避であるという事を、すっかり放念していたのだ。もっとも、二ヶ月も前からこんな細かな事まで意識していたら、いつになっても夏休みなど取れないわけだが。意を決した僕は日本最南端のチケットゲッターとなるべく、レンタカーを飛ばしてチェックイン前のホテルへ潜入し、プールサイドにあるインターネットコーナーを占拠したのだ。

たまには文字通り「東京」と距離を置いて英気を養いましょう。そんな目標は欠片も達成できなかった事になる。遠く南の島にいてもなお、トランジットのわずかな時間を使いモノレールに乗って赤嶺駅へ行き、カボレ中東移籍の去就を伝える情報に気をもみ、観光地で写真を撮るときも必ず東京ドロンパのぬいぐるみを取り出し、ネタの仕込みに余念がない。もはや青赤と生活を切り離す事はできない体質なのであった。

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2009年9月12日 (土)

なんくるないさ通信(拾四)

巨大な尻と長い尻尾。息子にはそれが「ぞうさん」にしか思えない。手をぶらんぶらんさせ保育園で習ったダンスを再現。島の名物・水牛車に揺られて午後の散歩。一歩ずつ確実に前進する。一歩ずつ前進していかないと。

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※「なんくるないさ通信」おわり

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なんくるないさ通信(拾参)

島中央の集落を歩く。石垣の上に様々な表情をしたシーサーが並んでいた。この日の朝、カボレのカタールへの移籍決定を知る。南の島に流れるのんびりとした空気をよそに、刻一刻と世界は動いているというのだろうか。

《東京ドロンパを探せ》難易度70
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なんくるないさ通信(拾弐)

一夜明け、今度は竹富島へ。こちらは石垣島から目と鼻の先、船で10分ちょっと。東京の選手たちもキャンプのオフ日に息抜きに来た事がある島だ。星砂の浜で、奥様は星の形をした砂探しに夢中。ドロンパは猫と昼寝中。

《東京ドロンパを探せ》難易度20
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2009年9月11日 (金)

なんくるないさ通信(拾壱)

石垣島内では一升瓶で二万円の値をつけていたプレミアム泡盛「泡波」。生産量が極端に少なく、出会えただけでも幸せというガイドブックの触れ込みだったが…さすがに産地の波照間では、港の食堂で気軽に一杯3百円。

《東京ドロンパを探せ》難易度50
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なんくるないさ通信(拾)

石垣から高速フェリーでさらに1時間南へ。波照間(はてるま)、日本最南端の有人島。ニシ浜ビーチは地元の人々も一目置く美しさであった。こんな海でデビューを果たす息子は幸せ者だ…でも口に入った海水に大泣き。

《東京ドロンパを探せ》難易度70
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なんくるないさ通信(九)

誰もいないフルコートが二面。数えきれないほど目にした光景が甦る。ユルネバが流れるときの映像。土砂降りのなかサーキットトレーニングに励む選手たち。土肥洋一を思い出す。彼の男気は雨中でこそさらに際立った。

《東京ドロンパを探せ》難易度99
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なんくるないさ通信(八)

島の内陸部に「あかんまサッカーパーク」はあった。グアム以前東京がキャンプを張っていた地。クラブハウスにはここを訪れた古今東西各チームのフラッグが掲げられていた。十年の時を越え、新旧マスコットのご対面。

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なんくるないさ通信(七)

レンタカーで島を周回する。川平ビーチではあれほど晴れていたのに、一時間後には窓を割らんばかりのスコールに見舞われた。その雨もやがて止み、何事もなかったかのように晴れ上がる。『なんくるないさ』すべてが。

《東京ドロンパを探せ》難易度80
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なんくるないさ通信(六)

石垣でキャンプを張る千葉ロッテの選手たちも宿泊するホテル。プールサイドのインターネットコーナーを占拠し、夫婦でPC3台を使って決勝戦のチケット確保!でも奥様、コンビニ支払って。コンビニ、ないですよ…。

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なんくるないさ通信(伍)

ギラリ照りつける日差しの如く、携帯電話のアンテナは常に三本。離島の隅っこでも現実から逃げられないのか。常時仕事のメールをチェックできてしまう。そして彼に関する情報も…赤いユニフォームに背番号8ですか。

《東京ドロンパを探せ》難易度30
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なんくるないさ通信(四)

高速道路から下りた後、一般道でもなかなかスピードを落とせないように。南島へ深呼吸しにきたのに、なかなかシフトチェンジできなかった。それでも徐々に「ゆったり」してきた。三線の音色に耳を澄ませ目を閉じる。

《東京ドロンパを探せ》難易度20
331_where_is_dorompa_2

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なんくるないさ通信(参)

沖縄本島からさらに飛行機で1時間。今回のバカンスは石垣島で。ヒマワリ君のプール&ビーチデビューが最大の目的である。石垣と聞いてピンときたかたは、僕と同じキャンプフェチ。あかんまサッカー場にも潜入予定。

《東京ドロンパを探せ》難易度10
330_where_is_dorompa_1

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2009年9月10日 (木)

なんくるないさ通信(弐)

カボレ不在のマイナスをプラスに変える鍵となる男、赤嶺真吾。ルーツである?赤嶺駅の気になる張り紙が目に留まった。付近で不発弾処理を行うため、モノレールが運休になるとか。赤嶺で不発弾の処理とは…幸先良し?

329_monorail_announce


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なんくるないさ通信(壱)

摂氏33度の沖縄。那覇空港からモノレールで一駅。赤嶺という名の駅がある。その事を以前「本人」に問うたら『あの一帯に多いんですよ、赤嶺』と、かすれた声で、でもちょっと嬉しそうに答えてくれたのが嬉しかった。

328_dorompa_in_okinawa


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2009年9月 9日 (水)

西南西へ進路を取れ(後篇)

数分遅れで着陸した飛行機の扉を抜け、ボーディングブリッジに足を踏み入れた時点で、モワッとした熱気が僕の顔を包んだ。暑さのピークは過ぎたとはいえ、まだまだ。湿度の高さを感じさせる空気が、うっすらぬらりと皮膚を濡らしはじめた。だいたいどうして、京都サンガが鹿児島は鴨池で試合を開催するのか不思議に思い調べてみたところ、メインスポンサーである京セラの工場が同県内にある事と無関係ではないらしい。なるほどね。

そう、スポンサーは大切よ。FC東京だってこんな事態になる前に、もう少し新日本石油(ENEOS)のために何かできなかったのかと、考えてしまうのだ。ギャラなしでいいから選手をCMに起用させるとか…鼻で笑われて門前払いだな、絶対。そもそもイチローに支払っているギャラはいったい幾らくらいなのだろう。あの世界のトヨタですら、ギャラの安い「こども店長」を起用してまで、ケネディ獲得資金を捻出しているというのに。

ユニフォームから石油会社が去り、チームからエースが中東へと去る。あっちもオイルマネー、そっちもオイルマネー。一刻も早く、化石燃料に依存する必要のない世界が実現してくれないものか。穴を掘っただけで巨万の富を手に入れる人々、自国の人口の数倍もの外国人労働者を働かせて、自分たちは汗すらかかない生活を送っている人々。黒い液体が価値を失ったとき、何が起きるのだろう…カボレも帰ってくるかな(何十年も先だよ)。

動く歩道でターミナルの中心部に移動しながら、とりとめのない事を考え続ける。ビデオカメラを片手に、目では息子を追っている。来る週末、京都戦。カボレ不在で試合に臨む事は確定的な状況。今シーズンの経緯を鑑みると、これで即座にシステム変更するような考えを城福監督がもっているとは思えない。平山相太ともう一人を組ませる2トップの布陣は崩さずにいくのだろう。思い入れ含め、赤嶺真吾に白羽の矢が立つものと予想する。

前線からの献身的な守備、DFラインの裏へ抜け出すスピード、サイドへ流れた後のパスワーク。カボレの長所をそのまま継承できる選手はいない。しかしカボレに欠けていた決定力と、昨シーズンの実績。これらに希望を見出したい。ジュビロ磐田からのオファーを袖にして、東京での勝負にこだわった男の意地に期待したいのだ。西南西へ進路を取れ。朝一番のフライトで腹がへった。空港内のレストランで食事をする。ソーキそばを注文。

ソーキ?…しまった!

鼻息荒くして東京を飛び出したものの、勢い余って鹿児島を飛び越えてしまったわけでありまして…というわけで、次回より短期集中【FC東京■沖縄石垣景気動向指数】をお届けします。それでは『ゆくいみそーれー!』

2009年09月09日付
現在の青赤指数=62(→)
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20絶望
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30暗鬱
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□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎招集した以上は起用しましょう

「これがやりたくて沖縄に来ました」
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西南西へ進路を取れ(前篇)

酒場トークならカボレの一件だけで終電までノンストップ放談できてしまうわけだ。最近タクシーチケットなどというシャレた紙切れとは縁遠いため、パッと終電で帰ってしまうわけだが、少なくとも終電時刻の直前まではマシンガン。前回の記事で本件についてウダウダ書きなぐってしまったが、我ながら酷いなと思う…読めたものではない。過ぎた事は過ぎた事、キッパリと割り切るべきなのだ。ビジネスとして望ましい選択をしたまでと。

頭の中がすっかり11月の国立競技場モードになっているファンも多いかと思うが、まずはリーグ戦だ。いよいよ佳境という現状を思い出さなければならない。蝉の鳴き声とともに盛夏の勢いを失いつつある清水エスパルス。カップ戦で叩けた事は、リーグ戦で追走する立場にある東京にとって大きな意味があったと思う。ズルズル順位を落とす過程で、いつのまにか上位に位置しているガンバ大阪、さらにその上にいるのがサンフレッチェ広島。

一戦一戦を大切に勝ち抜くほか、僕たちには道がないわけで、その意味で再開後の初戦は非常に大切なものとなる。しかし、厳しい。相手が悪い。東京にとってある意味で最悪の対戦相手である。京都サンガ。ジンクスなどという安易な言葉では片づけられない、呪われた「引分御所」。百度矛を交えても決着はつかないとすら称される現代版「百日手」。監督は監督生命を賭け、選手は選手生命を賭けてドロー狙いで挑んでくる難敵だ(嘘)。

かたやカボレ、かたやパウリーニョと、期せずして「ブラジル人ストライカーが姿を消してしまいましたダービー」なる副題が添えられる試合は、京都主催ゲームでありながら、鹿児島県立鴨池陸上競技場で行われる。背景知らぬが、もし試合環境を変える事でドロー地獄から抜け出せるかも、といった生ぬるい発想でこんなスケジュールを設定したのだとすれば、『甘い』と一刀両断に切り捨て、京都のフロントに現実を見せつけてやりたい。

こんな小細工で勝てると思うなよ、サンガ。鹿児島だろうが絶対にまた引き分けてやる!(おいおい勝つって宣言しろよ)。冗談さておき、過去を遡り確認するのも嫌になるくらい、京都との試合はドロー続きなのである。カボレ離脱という激震に見舞われたチームの行末を案じる僕は、週末を待たず羽田から飛び立った。一路、西南西へ。鹿児島といえばカジツ=鹿児島実業出身のFWに、否が応でもファンの視線が集まっている。背番号24。

赤嶺真吾のルーツを訪ね、彼の現在を探る。そんな旅のはじまり。【FC東京■景気動向指数】グアム以来、久々の南国潜入レポート特別篇のスタート。真剣に期待した人は必ず裏切られる、毎度恒例のアレ。また後ほど。

2009年09月09日付
現在の青赤指数=62(→)
■■■■■■■■■■10発狂
■■■■■■■■■■
20絶望
■■■■■■■■■■
30暗鬱
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40不安
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50平常
■■■■■■■■■■60希望
■■□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎チケットゲット!(思ったより楽勝?)

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2009年9月 8日 (火)

アリガトウサヨウナラ

生きている以上、悩みは尽きない。どうしてもっと簡単に幸せになれないのか。ハッピーエンドかと思われた日曜、しかし舞台裏ではカボレが仲間たちに別れを告げていたのだという。メディカルチェックも兼ねた移籍交渉という報道からも、九分九厘カタールへの移籍は確実とみるべきか。スポーツであると同時にビジネスでもあるプロサッカーの世界、経済的強者へとカネもヒトも流れ込むのは必然。受け入れなければならない現実なのだ。

それにしても中東。昨今Jリーグで頻発する「強奪」ケースだが、これまではどことなく他人事のように思っていた。そして毎年のように「それ」を繰り返して、巨額の売り抜き利益を得るガンバ大阪のビジネス手法に感心すると同時に軽い嫌悪感を憶えていた。応援しているファンはどんな気持ちで受け止めているのだろうかと、常に疑問に感じていたのだ。余計なお世話と?その通りだ。当事者になってはじめてわかった。凄く複雑な心境。

一部で5億円とも噂される違約金を含めて、多額のキャッシュがクラブの金庫へ入り込んでくるのだから、ビジネスとしては実に魅力的なディールなのである。苦しい経済事情に悩む東京にとって渡りに船。仮に一年契約を全うした後、今シーズンオフに推定1億円の「高給取り」であるカボレとの関係を継続できるかといえば、おそらく(二つ以上のタイトルを獲得でもしないかぎりは)財政的に厳しかったのではないかと、勝手に予想する。

三十路間近、キャリアの終盤に差し掛かろうとしているカボレにとっても悪い話ではないはずだ。異国から異国へと求められるままに旅を続ける助っ人家業。エメルソンも旅人なら、カボレもまた旅人であったわけだ。いざ直面すると、悲しむ暇もないくらい気忙しい別れ。大富豪にオーナーになってほしいとは思わない。しかしエースストライカーと称される選手を、シーズン途中に売却せねばならない、そんなクラブであってほしくもない。

万事が順調に進むビジネスなどあろうはずがない。大型の投資案件でことごとく「コケ」続けた数年間。まずはその負債を完済して、そして再び原点からの再構築を。カネがない状況は理解できています。特に今回の一件を通じて肌で感じる事ができました。ですから「苦しい苦しい」の喧伝はもう十分です、村林社長。十分にわかりましたので、苦しいけど、それを乗り越えた暁には何が実現するのか、もっとビジョンを語ってほしいのです。

東京でのラストシュートになるのかもしれない、あの一撃。GKをかわして、無人ゴールの…サイドネットにズドン!最後の最後までカボレはカボレらしさ全開だった。並の選手ならシュートまで至らないようなボールでもフィニッシュに持ち込めるぶん、損している部分も大きいとは思うが…一度でいいから、堅守速攻・ハラトーキョーでカボレを観てみたかった。「真の姿」が明らかになったかもしれない…もっと大胆にカボっちゃうかな。

在籍期間は短かったが、獲得時のドタバタから今回の移籍騒動まで、過去にない「大物」ぶりを見せつけてくれたカボレだった。やや卑屈な物言いになってしまうが、東京からもようやく中東の「おめがねにかなう」だけの選手が出てきたのだなと…やはりイヤだね、こんな書きかたは。突き詰めると選手は皆、消耗品だ。しかし選手もファンも血の通った人間。どうしても情がわくもの。大好きなんだもの、カボレ。「東京的」な選手だった。

カボレ、本当にこのまま消えていってしまうのかな。闇夜に溶け込んだフクロウが、瞼を閉じるように、いつのまにか、ひっそりと。その瞬間、最後の光源を失った深林は漆黒の世界に支配される。抗おうにも無力。光がなければ生きていけない僕たちは、じっとそのまま夜明けを待つしかない。幸いにも再び朝はやってくる。しかし、それはフクロウが姿を消したという現実を映し出す光でもある。大きな喪失感を胸に、次の一歩を踏み出す。

戦いは道半ば。何があっても前進あるのみ。

2009年09月08日付
現在の青赤指数=62(▼)
■■■■■■■■■■10発狂
■■■■■■■■■■
20絶望
■■■■■■■■■■
30暗鬱
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40不安
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50平常
■■■■■■■■■■60希望
■■□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎下降要因:
・戦力低下は疑いないところ(▼2)

「カーテンコール?」 Photo by Yama-chan
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2009年9月 7日 (月)

再びあの場所へ(F)

そこに幾分の狂いもなかったように思えた。佐原秀樹に続いて、平松大志がピッチに送り出された。一枚、また一枚と砦を固めてゆくDFのカード。気がつけば5バックの3ボランチという布陣に。前後左右、勢力的に駆け回る平松の姿が印象的だった。筋書き通りに進められた仕上げ作業。シーズン序盤、大量失点に声を失った屈辱の日々。『ここで負けたら俺が今ちゃんに劣っているということになる』茂庭照幸の言葉に男の意地を感じる。

現実を受け入れ、現実に立ち向かう強い男。挫折を糧にできる強い男の、真正直な言葉。ストレスに満ちたシーズンを送る男たちの、静かな、しかし触れるものすべてを燃やしてしまいそうな、熱き情念の像をそこに見た。飢餓感を隠そうともしない三ツ首の伏龍が、飛田給の天高く、青い炎を吐いた。チームの総力が問われるタイトル、ナビスコカップ。はたして「我等ニソノ資質アリ」と満天下に宣言するかのような入魂の采配に、震えた。

技術的な事には疎い。試合展開を明確に記憶できる脳内容量もない。故にスタジアムで感じた「何か」を表現する事に固執している。緊張感に始まり達成感に終わったこの試合、僕の心に深く刻まれた場面は、上述の佐原・平松が投入されたときのスタジアムが揺れるような感覚。揺れといっても熱狂した観客が引き起こす横揺れではなく、ズンと背筋を上から貫く縦揺れ。震源地は他ならぬ城福浩。信念を貫き、信念を貫いて、信念を貫く男。

守りぬくだとか、引きこもるだとか、そんな閉塞感のある戦いかたに見えなかったのは…身内感覚だろうか。不思議と攻めに転じたと感じたのだ、僕は。城福さん、眼前の試合だけでなくトーナメント全体を勝ち抜くための逆算もしているのではないか。表と裏、コインの両面が磨かれていないと、あの舞台では輝けない。MVPは土肥洋一。しかし誰もがわかっていた、その土肥を輝かせたのはコインの裏で笑みを絶やさぬ塩田仁史だったと。

守るだけでなく、ボールを奪った後すばやくサイドを駆け上がる平松の勇姿に、狂喜乱舞した。勇気が湧いてきたのだ。意識は完全に聖地へと飛んでいた。あの日もそうだった。表と裏、先発と控え、ベンチとスタンド、子供と大人、男と女、そのすべての垣根を取り払い、一つになってこそのタイトル。ロスタイム、最終章。権田修一の胸元だけが、僕たちにとっての安息の地。そこにボールが収まるだけで、割れんばかりの拍手が注がれる。

早く吹け、でも吹くな。もう少しだけこの高揚感を楽しませてくれ。自由にプレーさせたい、そう念ずるのは選手への監督の気持ちと一緒か。座席での観戦に飽いたヒマワリ君、スタンドの階段を駆け上がりコンコースへ。遮るものなき広大な世界を四本足で堪能していた。そろそろ。付き添いの奥様ともども呼び寄せ、バックスタンドの手すり越しに待ちわびる。笛が鳴る。真ん中に小さな顔をセットし、僕たちは頬ずりとキスを繰り返した。

おめでとう。ありがとう。再びあの場所へ。

【2009年ナビスコ杯準決勝第2戦】 FC東京(1-0)清水エスパルス ※観衆22,181人

2009年09月07日付
現在の青赤指数=64(→)
■■■■■■■■■■10発狂
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20絶望
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30暗鬱
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40不安
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50平常
■■■■■■■■■■60希望
■■■■□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎何があってもカボレが好きだ

「強固なる砦」
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2009年9月 6日 (日)

再びあの場所へ(6)

おめでとう。理想的な試合展開、そして平山相太の有言実行ヘッド。一本芯の入った城福監督の見事な采配。プラン完遂、何処をどう切り取っても東京の完勝。遂に僕たちは再びあの場所へ帰る権利を手中に収めた。本当に嬉しい。しかし浮かれるのはまだ早い。深酒して明日の仕事に支障をきたすのはおおいに結構。男には(女にも)呑まねばならぬ酒がある。それでも一つだけ、忠告しておきたい事がある。録画の予約は済ませただろうか?

フジテレビ地上波で今夜の試合が放送される事実を知らずにいる青赤者たちよ、いますぐタイマー録画をセットするか、実家の父母に電話して、日ごろの親不孝を詫びるとともに録画をお願いするがよい。そんな事よりも、結婚のほうはまだなの?真剣に考えてるの?なんて小言を聞かされたとしても、今夜ばかりはグッと飲み込んで、爽やかに話を進める事が大切だ。肝心の放送開始は日付が変わり月曜の02時10分。高画質&W録設定必須だ。

嗚呼、嬉しい。

2009年09月06日付
現在の青赤指数=64(△)
■■■■■■■■■■10発狂
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20絶望
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30暗鬱
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40不安
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50平常
■■■■■■■■■■60希望
■■■■□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎上昇要因
・5年ぶりにあの舞台へ!(△3)

「世界に広がる歓喜のワ」
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再びあの場所へ(5)

あのときもそうだった。スコア面で圧倒的な優位に立つのみならず、相手は一人退場して数的優位も手に入れる。しかし、台風去りし飛田給は再び嵐に襲われた。よもやの同点、そして敗北も覚悟した平本一樹のシュートがバーを叩き、九死に一生を得る。タイトルはそうそう簡単に手に入るものではない。頂へ至る道程が険しいからこそ、価値も感激も増すというもの。清水エスパルス強し。まさに敵に不足なし。でも、勝ちたい。勝ちたい。

勝ちたいか?本当に勝ちたいか?是が非でも勝ちたいか?今日そのすべてをぶつけよう。

皆の想い、ひとつに。『再びあの場所へ』

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2009年9月 5日 (土)

再びあの場所へ(4)

東京は今野泰幸と長友佑都を、そして清水は岡崎慎司を「赤紙」すなわち代表招集礼状で欠く一戦(結果的にまったく別の「赤紙」で両者の戦力減は頭数の面ではイーブンに)。DFラインの主力二人が不在という状況下、現在Jリーグで一番勢いのある清水の攻撃を如何に食い止めるかが注目点の一つであったが、開始早々清水の右・東京の左サイドからクロスを上げられてしまう。中央では最重要危険人物フローデ・ヨンセン、ドンピシャ。

最悪の事態を覚悟し思わず目をつぶる。女優転向を断念した三十路間近のグラビアアイドルを思わせる(誰が思うねん)大胆極まりない「THEドフリー」。思いもよらぬ自由時間を満喫したノルウェー人FWのヘディングシュートは、幸運にも権田修一の真正面へ。さっそくの命拾いだった。夏を謳歌する蝉とTUBEと清水エスパルス。やはり「旬」の強さなのかと、改めて緊迫感が増してくる。その後も主導権を握られたまま時が過ぎた。

もしかすると新たな(しかも強力な)武器を手に入れたのかもしれない、期待値込みでそう思わせる米本拓司のミドル。大分戦のそれとは異なり、今回は地を這う弾道であった。あと少し反応が速ければ、阻止できたかも。清水サポーターはそう感じたかもしれない。貴重なアウェーゴール、先制点は唐突に生まれた。さては味をしめたか、ヨネ?18の夏に憶えた甘美な快楽。オトナへの階段を登るとともに精力的な「開発」に努めて頂きたい。

東京の2得点はいずれも個人の技量によるところ大きく、もちろん2点奪えた事は望外の結果ではあるが、その反面喫した失点はいずれも悔いの残るものであった。一度、真剣に心理学の専門家に分析してもらいたい「得点直後の失点シンドローム」そして「数的有利ってどういう意味ですか病」。慢性の腰痛のようにやっかいな持病にまたも泣かされる。『勝てた試合だった』なる感想は虚勢ではなく、いくばくかの喪失感を伴う結果だった。

試合後の監督会見で珍しく「個人教授」されていたのが大竹洋平。投入直後にみせた平山相太への絶妙な「ふわり」は痺れた。あれが結実していれば一転、城福監督も大竹自身もヒーローになれたかもしれない。その他にも選手個々の出来は誉められたものでなかったという印象。ボールの転がる先とはまったく異なる方向へ走った近藤祐介に、怒気含みの指示を出す梶山陽平の姿は、チグハグの象徴のように映った。どこまで修正ができるか。

【2009年ナビスコ杯準決勝第1戦】 清水エスパルス(2-2)FC東京 ※アウトソーシングスタジアム日本平

2009年09月05日付
現在の青赤指数=61(→)
■■■■■■■■■■10発狂
■■■■■■■■■■
20絶望
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30暗鬱
■■■■■■■■■■
40不安
■■■■■■■■■■
50平常
■■■■■■■■■■60希望
□□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎岡田さん…わかったんじゃない?

「さあ残り90分!!」
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2009年9月 4日 (金)

再びあの場所へ(3)

9月3日はドラえもんの誕生日である。学生時代に好きだった女性の誕生日と同じだったので、自然に憶え、忘れていった。Googleのトップにこの国民的ニャーがデザインされていたため、久々に思い出した。一方、何があっても忘れられない日がある。「20080516」最愛の息子の誕生日、そして「20041103」言わずと知れた東京の戴冠日。奥様の誕生日?彼女は一度だけ僕の誕生日を間違えた実績があるので、報復処置として格下げしている。

まさにその頂へと挑まんとしている状況下、むやみにあの一日を回想してノスタルジーに浸るような事はしない。しかしすべてが輝いて見えた午後、なかでもとびきりの光を放った一等星が、戸田光洋と茂庭照幸であったと主張しても、反論の声はあがらないと思う。一人少ない東京は、無惨なまでに敵の猛攻に晒され続けた(当然だ!一人多くても猛攻を受けてしまうのだから)。それでも最後まで志を貫き通し、落城寸前の砦を守り通した。

無数の火矢を受け、その身体は血と炎で朱に染まった。砦の中心に茂庭がいた。比喩・現実いずれの世界でも血を流しながら、地獄の果てまで走り続けた。限界をはるかに超えた奮闘によって、歓喜の瞬間がもたらされた…いけない、十分ノスタルジーだな。金沢浄が去り、期せずして「あのころの4バック」はモニを残すだけとなった。ベンチにすら入れぬ苦しい時期を経て、今野泰幸の代表招集によって廻ってきた出場機会。これも運命か。

ともすれば僕たちは忘れがちであるが、元来強運の持ち主。フル代表招集中の無断外出で一度は“追放”されるも、中澤祐二の負傷により、コンフェデレーションズカップに追加選出。ホノルルでバカンスをエンジョイしているさなか、田中誠の負傷によって再び緊急招集。ドイツの地へ乗り込んだだけでも幸運なのに、グループリーグで坪井慶介まで負傷してしまい、FC東京の選手として史上初めてワールドカップの舞台に立つという偉業。

舞台が大きくなればなるほど、一種神懸り的な展開でピッチに立ち続けてきた男、モニ。しかしその後は順風満帆とはいかなかった。ときに怪我に悩まされ、ときに愛車の盗難に悩まされた。出場機会が減り、僕たちの心を熱くした「試合中限定」快足守備も、目頭を熱くした「明後日」フィードも、セピア色の思い出になりかけていた…スタンドから注がれた声援に限界まで身体を折り、茂庭は見た事もないくらい深々としたお辞儀を返した。

2009年09月04日付
現在の青赤指数=61(→)
■■■■■■■■■■10発狂
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20絶望
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30暗鬱
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40不安
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50平常
■■■■■■■■■■60希望
□□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎風邪禁止怪我禁止弱気禁止

「深々と」
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2009年9月 3日 (木)

再びあの場所へ(2)

灰色の雲は静岡までつながっており、足柄のサービスエリアからは富士山の気配すら感じとる事ができなかった。昨年末、この場所で霊峰の雄大な姿を拝しながら、東京の勝利を祈った事を思い出す。『あとひとつ』勝てばファイナリストの栄誉を胸に、国立競技場という晴れの舞台へ駒を進める事が許される。しかし置かれている状況は似て非なるものだった。この一日ですべてが決まるわけではないからだ。今日で勝つ事も負ける事もない。

「見世物」としてはいささか刺激に欠けるが重要な一戦である事にかわりはない。頂上へたどり着くまでの経緯を、できるかぎり多く共有したい。幸いにも休暇取得できた僕も、僕と同じバスに乗る人も、仕事を片づけて/放りだして都内各所のバーへ急いだ人も、それすら叶わず殺気だった目で残業に追われた後、徹底した情報遮断のため女房のメールや子供の電話も無視し続け、家族の絆にヒビが入った貴方だって、皆、想いは同じだった。

渋滞とは無縁のままメルセデス・バスは清水市内へ。町工場のような建物から老若様々な従業員が出てきた。水色のつなぎの作業服に首から白いタオル。まったく異なる土地で、まったく異なる生活を送る人生を想像する。名所より町中を、観光より日常を。学生時代からそんな旅を重ねてきた。幾分ゆるやかな時の流れに心を委ね、今日もお疲れさまと、地の酒と地の魚で郷を愛でる夕餉…地方には地方の良さがある。やがてバスは坂を登る。

日本一のサッカーどころ。橙色のレプリカを着たファン、そしてスタジアムのスタッフ、売店のおじさん・おばさん。この町の人々は皆、どことなく温かく穏やかな印象を与えてくれる。長い時間をかけて、無理せず自然にサッカーが染みわたってきたような、一種の懐の深さのようなものが伝わってくる。同じ静岡勢でもヤマハスタジアムでは感じる事のできない空気だ。「Jの良心」そんな肩書が似合うのはエスパルスが一番かもしれない。

丘陵の中腹にそびえるスタジアムは、戦国の山城を思わせる。「山」にあるのに何故日本「平」なのか、いつも不思議に思う。山形戦同様、直前までドタキャンリスクを背負っていたため、スタジアムで当日券を購入する。その直後、余りのチケットをぷらぷらさせている顔見知りの青赤者に遭遇し、僕は腰から崩れ落ちる。ビール5杯、浮かんで消えた。試合前練習、選手たちがピッチへ登場。僕は一時も目を逸らさず、茂庭照幸を凝視する。

2009年09月03日付
現在の青赤指数=61(→)
■■■■■■■■■■10発狂
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20絶望
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30暗鬱
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40不安
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50平常
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□□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎記念マフラー瞬殺だった模様

「実は巧いんじゃないっすか!」 Photo by Yama-chan
321_bozes

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2009年9月 2日 (水)

再びあの場所へ(1)

新宿からベンツに乗って日本平へと向かっている。さすがの高級感、ふかふかのシートに身を沈めて、今宵の決戦へと思いを馳せる。応募が遅れた参加者が誘導された、2号車。事前に(参加人数次第では)マイクロバスになる可能性もほのめかされていたのに、蓋を開けてみたら、ベンツ。残り物に福がある、そう捉えると縁起が良いか。ホームゲームを後に控えての初戦。2試合180分、その「前半」を如何に戦うか。しかと見届けてきたい。

To Be Continued...

2009年09月02日付
現在の青赤指数=61(→)
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20絶望
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30暗鬱
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40不安
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50平常
■■■■■■■■■■60希望
□□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎残る90分にすべてを

「こんな大きなベンツはじめて」
320_mercedesbenz

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2009年9月 1日 (火)

The End of Summer(後篇)

流れるような崩しからの先制ゴールに触れた以上、残るトピックは米本拓司の『浅利超えキャノン砲』くらいしかないのだが(次点は交代枠を使いきったというのにいつもの癖かベンチ前のサイドで黙々プレーし虎視眈々と交代の機会を伺うカボレさん)、少し話題を拾い集めてみる。まずは大分のユニフォームから。胸については議論百出の感があるが、他人事ではない。何故「アレ」が認められてパチンコ屋さんがNGなのか理解できない。

パチンコといえば、先日“活字のファンタジスタ”日刊スポーツが大々的に飛ばした伊東美咲とパチンコ御曹司の結婚報道は、その後どうなったのか。閑話休題、後日あらためて書いてみたいスポンサー問題。いわくつきの企業でも、支援してくれたらスポンサー様。多くのデメリットが想定されるなか、決断に至った大分は、それほど追い込まれていたという事なのだろう。嗚呼、明日はわが身か?その「胸」よりも言及したいのは「背」だ。

何をどう判断したらあのような配色になるのだろうか。この日の空のように、ひたすら薄暗い灰色。そこに嫌がらせとしか思えない同系色の背番号。スタンドからはほとんど視認できない。数年前の広島のアウェーモデルも酷かったが、今回のドブネズミ(失礼)は、それをも超えた。おかげで何処で天敵・鈴木慎吾がプレーしているのかまったくわからなかった…冗談さておき、彼が出場しないでよかった。なにせ理屈抜きに危険人物だから。

家長昭博までもベンチ。知名度ではおそらく一番の高松大樹も、背番号のみならず、今野泰幸によって存在そのものを完全に消されていた。そんななかで最も印象に残った21番。帰宅後に調べた。東慶悟、大分ユース出身の1990年生まれ。つまり大竹洋平や椋原健太と同じ平成世代。この若さでボランチのポジションを任されているのだからたいしたもの。これは翻って米本への賛辞でもあるわけだが…その二人の若きボランチが明暗を分けた。

正直なところ、あのまま試合が終わったら、モヤモヤした思いは晴れぬままだった。交代出場した宮沢正史に必要以上に沸いたり(もはやセットプレーに活路を見出すほかない敵が送り込んだ“ピンチキッカー”なのに)、やけに早く『眠らない街』を歌い始めたりとなんだかチグハグなゴール裏。これ以上この試合に求めるものは見当たらず、事故が起きる前にとっとと終わってくれという心理の表れだったか。僕もそんな気分に陥っていた。

あの局面あの位置からシュートを撃った事に米本を除く全員が驚いた。そして、無回転のボールがそのままネットに突き刺さった事に米本を含む全員が驚いた。まるで初めて手にした猟銃で見事猛獣の額を撃ち抜いた猟師の倅(せがれ)のように、放心したまま喜びと驚きを表現する28番。すぐ近くで力なく崩れた21番が、その瞬間そこで何が起きたかを伝えてくれた。モノクロの情景ばかり描かれた絵日記、その最後のページにド派手な花火。

間近に迫る「大一番」へ弾みをつける素敵な幕切れ。一気に高揚したゴール裏を横目に、ヒーローインタビューへ向かう米本が二度、三度、拳を握り喜びを噛み締める。やっと実感が湧いてきたというのか…その初々しさが末恐ろしくもある。テレビで再確認すると、ベンチから出てきた椋原健太とじゃれあって喜ぶ姿が。仔犬のようで実に微笑ましいのである。気がつけば暗雲の隙間から半月が顔を覗かせていた。薄暗くもどこか優しい月光。

かくて夏は過ぎゆく。

【2009年24節】 FC東京(2-0)大分トリニータ ※観衆18,320人

2009年09月01日付
現在の青赤指数=61(→)
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20絶望
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30暗鬱
■■■■■■■■■■
40不安
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50平常
■■■■■■■■■■60希望
□□□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎市場休みでバスツアー後悔なし

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2009年8月31日 (月)

The End of Summer(前篇)

味の素スタジアムの上空一面、分厚い黒雲に覆われていた。いつ雨が降っても驚かない、不気味なまでに薄暗い飛田給。妖怪出現には最適のシチュエーションだったか。すっかり看板倒れになった「反撃の夏」。苦戦必至も高々と掲げたマニフェストの(一部)実現のために用意された最後の機会。夏の終わりはもう、すぐそこまで来ている。どっさり山積みになった宿題を、少しでも片づける事ができるか。石川直宏が先発として名を連ねた。

選手の入場を個人のチャントで出迎えるのは珍しい。続いてタイミングよく、スカパー!選出の6月ベストゴールの表彰が行われた。まさにナオ一色のオープニングだった。それにしてもこの表彰は、過去からずっと続いているものなのか?もしそうなら(僕の記憶が正しければ)東京の選手がこの賞を獲得するのは初めて。ビジョンに映し出される、あの夜、国立競技場を震わせた流星の煌き。それにも似た衝撃の結末へ向けて、笛が鳴った。

ナオが帰ってきた。ナオが帰ってきただけですべて劇的に変わるわけではなかった。提示されたのは二つの現実。前半は「じりじり」の展開。3バックと中盤をコンパクトにした布陣にことごとく潰され、シュートへ持ち込むのも一苦労だった(事実20分近く実績ゼロだった)。逆に大分には森重真人のあわやと思わせるヘディングシュートの機会を献上するなど守勢に回る場面も。観客の入り同様、物寂しい展開のまま時間だけ過ぎていった。

結果として、この停滞感が大竹洋平の復調を際立たせる事になった。カシマスタジアムで途中出場を果たした大竹を『戻ってきた』と評する声はちらほら聞こえていた。本当ならこの上なく頼もしい“補強”だが…はたして交代直後の結実、久々の「スイッチ」を感じさせる先制点が。石川と大竹、そこにカボレも加わり、それぞれ縦横の動きが小気味よく交錯した。ピッチに描いた「あみだクジ」を高速で辿るような、カクカクジグザグな轍。

ゴール裏からの視点では一気に手前、そして右へ右へと運ばれたボールが、カボレのチョコマカポン(専門用語を知りません)で西川周作の脇をすり抜けていった。得点の予感がした後、極めて短時間でネットが揺れたのが快感に思えた。『Too Late』と醒めた感想を抱いた鹿島戦でのゴールだったが、ひとつのキッカケとなったのなら、焼け石に注がれたとはいえそれは恵みの水だったかも。彼のスイッチも入ったのだとすれば、僥倖である。

※「The End of Summer(後篇)」へつづく

2009年08月31日付
現在の青赤指数=61(→)
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◎今節の小平南クンは要特訓

「ひさびさ歓喜の輪」 Photo by Yama-chan
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2009年8月30日 (日)

The End of Summer(序篇)

大分トリニータ戦、万が一敗れるような事があろうものなら、タイトルは「Summer of "The End"(邦題:何もできなくて… 夏)」にするつもりだった。邦題はもちろん、僕のカラオケの石川直宏=つまり十八番である、とある名曲のパクリだ。あの広島戦以来続く「ペトロヴィッチの呪縛」が解けぬまま迎えた第二の「ヴィッチ」。最下位に沈むとはいえ、かつてはカメナチオの称号を得るほどの堅守を誇った大分。空一面に広がった黒い雲。

正直なところ嫌な予感でいっぱいだったわけだ。土曜トウキョウ、日曜トウヒョウ。米本拓司の「スーパーミドル」にウヒョーだった週末、今日はパパ業務に専念させて頂いております故、たったこれだけの作文にて失礼…ようやく入手したドロンパ人形と戯れる息子と一緒に昨夜の試合を復習して…おっ!大好きな倉敷保雄さんの実況。凄く得した気分。やはり勝利こそが楽しい週末、豊かな人生の源泉。すべてが三割増で愛しく見える幸せ。

さっそくよだれまみれのタヌキすら美しい。

2009年08月30日付
現在の青赤指数=61(△)
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20絶望
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30暗鬱
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◎上昇要因:
・「反撃の秋」予感するわけヨネ(△2)

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2009年8月29日 (土)

大分戦直前『一言だけ物申す』

『FC東京■景気動向指数』をご覧の皆様

いつもありがとうございます。さて、明日の対戦相手・大分トリニータの周辺が騒がしくなりつつあります。菊池直哉加入。忘れてはいけません。何処かで見た事ある気がする胸スポンサーの決定。忘れてはいけませんよ。天候は下り気味、そしてナビスコカップ準決勝記念マフラーと同じ5百枚限定生産でありながら、まったく話題にならない(オマエがしてないだけだろう)ゲゲゲの鬼太郎コラボTシャツも密かに発売される胸騒ぎの土曜。

誠に僭越ながら一言だけ言わせて頂きます。

「後半」年間チケットが届いたからといって浮かれていては痛い目に遭います。大分戦は「前半」チケットです。絶対忘れてはいけません!これをやらかしたときの気分は実に微妙なもの。自身の不注意を責めながらも、ちょびっとだけ周囲に聞こえるくらいの声量で『ああ、やっちまったよ』とつぶやきつつ、少しだけ目を潤ませて当日券売場へ向かうのです。愛するクラブに余計にお金が落ちるのだからいいじゃないと、己を慰めながら…。

昨シーズンこのワタクシめが経験しました。

お出かけ前にどうぞ今一度荷物のご確認を。

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2009年8月28日 (金)

そんな限定グッズなんて

ナビスコカップ準決勝にあわせ、両クラブのマスコットがプリントされた、特製タオルマフラーの発売が発表された。それにしても、最悪のグッズである。常識的なセンスを持ちあわせているファンなら、あれは買わないだろう。うん、絶対に買わないな。僕は買いますけどね、保管用と贈呈用を含めて合計3本(だから僕のぶんを残しておいて…哀願)。5百本限定?日本平スタジアムでも同製品を販売する?清水と東京で各々5百本なのか?

そもそも5百本というのは如何ほどのインパクトなのか?やはり瞬殺の勢いで売り切れてしまうのか?ちなみにドサクサに紛れて質問すると、平山相太の青いハンカチはいったい何万枚生産すれば、あれほど長きに渡り在庫されたのか?これは以前より憤慨している事なのだが、限定発売と銘打って商売した後、あっさりその旗を下げて追加販売する手法はやめてほしい。「巨乳」「美人」「限定」…男を惑わす三大熟語。乱用はご法度である。

巨乳と美人は、ある意味で個々人の価値観に評価が左右されるところがあるので、騙し・騙されが通用する世界だ。しかし「限定」なる言葉には、文字通り限定的な意味しか含まれず、一度トリガーを引いたらそれっきりと割り切るべきなのである。可愛いマフラーが欲しい、それと同時にその時、その場でしか手に入らない一品を手に入れる、その欲求を満たさんがため、消費者は脇目もふらず売店へ雪崩れ込む。「限定」とはロマンなのだ。

何故僕たちがモツ煮に狂うのか?それは鍋底が見えたらそこで世界が終わるからなのだ!

だから絶対このマフラーを追加販売しないで頂きたい。しかし僕が入手に失敗した場合、主張を撤回し恥じらいもなく正反対の訴えを起こすだろう。「巨乳」「美人」同様、「限定」よ、オマエまで俺たちを裏切るのかと。どうでもいい事だが、このような両クラブで製作したコラボレーショングッズを販売する場合、どのような利益配分ルールを設けているのだろう?各々のホームで販売したぶんをそのまま山分け?ならば東京で買うべきか?

地元購入が望ましいのなら、まるで煙草だ。

2009年08月28日付
現在の青赤指数=59(→)
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◎でもやっぱり「買い」だよなぁ

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2009年8月27日 (木)

残された宿題

どうやら好きな女の子ができたようだ。わが息子・ヒマワリ君の話。年下が好みらしく、約3ヶ月遅れて生まれた「彼女」がテケテケ歩く後を、ズタズタとハイハイで追いかける姿は、哀愁すら漂っている。「二本足歩行」競争では遅れをとっているものの、彼なりにずいぶん賢くなってきた。テレビ番組のお気に入りはダントツで天気予報。お天気お兄さん・お姉さん問わず、日本地図の上に太陽や傘のマークが並ぶ画に興奮を隠し切れない。

最近では『それではお天気です』といった、番組進行上の言葉に反応して、得意のHHH(ハイスピード・ハイハイ)でテレビへ近づいてくる。そして土曜の午後、東京の天気が徐々に崩れゆく予報を確認しながら、チッと舌打ちをして『日程のボケが』とつぶやく…悪魔の子か。またしても、雨。長期離脱後、福岡で復活を遂げた石川直宏、あの日も酷い雨だった。姿を消す事で結果的に、残念な事ではあるが、ますます存在感を増したナオ。

傷癒えたと思えばまた他の傷。そして恐怖の偏頭痛、再び。過度の飲酒以外で頭痛を経験した事がない僕には、原因不明のナオの病が不憫に思えてならない。自身の欠場と歩調を合わせるように低迷していった東京。責任を感じているかもしれない。否、感じているに決まっている。メディアを通して、悲壮感に満ちたコメントが聞こえてくる。城福監督も状況を見極め、強行出場も辞さない構えか。お願いだから無理だけはしないで頂きたい。

味の素スタジアム側の努力もあって、劇的に改善した(以前が酷すぎたわけだが)芝生。残念ながら、先のライヴ・イベントで恐らくそのコンディションは悪化しているだろう。しかもそこに降雨。老婆心ながら(オッサンだけど)ナオ復活の舞台としてはあまりにリスクが大きい。対戦相手・大分トリニータは最低最悪の芝環境で苦しいシーズンを送る、ある意味で重馬場巧者。冷夏を過ごす青赤者には、不安な条件が出揃いつつあるわけだ。

ナオナオ書いているが、これは彼以外の選手全員に送るメッセージである。これでナオが戻ってきました、そして試合に勝てました、そんな展開で満足かと問いたい。「救世主」聞こえはいいが、それがなければ勝てないという揶揄の裏返しでもある。8月が終わる。一度も勝てないまま「夏」が終わろうとしている。プロとして悔しいだろう?恥ずかしいだろう?僕だってそんな東京、嬉しくない。最後のチャンス。出でよ、ニューヒーロー!

2009年08月27日付
現在の青赤指数=59(→)
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◎「えーねーちゃん」は好きだけど

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2009年8月26日 (水)

金沢浄、前へ。

ご多分に漏れず、唐突な報せに大変驚いた。金沢浄がジュビロ磐田へ完全移籍する…というかもうすでに「した」わけだ。若手選手の武者修行的意味あいの強い期限付き移籍には良くも悪くも慣れてしまったが、この時期にベテラン選手がチームを去るという事態は個人的には初めての経験。出場機会を求めての移籍という、最もシンプルである意味とても健康的な動機。久々に見た浄さんのブログには、決断に至るまでの葛藤が綴られていた。

写真と文章、そのいずれも彼の温かい人間性が滲み出ている味わい深いブログ。二次元の情報なのに、浄さんのつぶやき声が聴こえてくるような気持ちになるのが不思議だった。奇をてらうわけでもなく、笑いに走るわけでもなく、ごくごく自然体の表現でじわりと余韻を残してくれる、文字通り精神浄化作用のある「作品」だった。着々と物事は進展している。磐田では背番号16と決まったようだ。9月末にはその磐田との対戦も控えている。

『古巣復帰』だなんて。プロサッカー選手・金沢浄が最も長くキャリアを重ねたクラブはFC東京。ハラ・トーキョー・第一幕の鉄壁4バックを支えた若き職人。左サイドには、いつも浄さんがいた。遂に「あの4人」も残すところ一人だけになってしまったわけか。ファンなんて基本的に身勝手なもの。なんの根拠もなく、漠然と東京でキャリアを終えると思っていた。慎重で堅実なプレーを売りとする彼の攻撃的な決断…頼もしい。寂しい。

金沢浄、前へ。6年間本当にありがとう』

いつまでも感傷に浸っていられない。移籍を決断した事が正しかったと思わせてほしい。石川直宏とマッチアップする金沢浄。なんだか、少し想像しただけでワクワクしてくる。楽しみが増えるのだ。幸せな事ではないか。

2009年08月26日付
現在の青赤指数=59(→)
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◎ユース出身者ふたり「緑」

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2009年8月24日 (月)

心晴れず(本篇)

権田修一の真後ろ、「ど」がつくゴール裏の真ん中に陣取ったために、そのなんとも形容しがたい、緩やかな動きの一部始終を見届ける事ができた。おそらくどのスポーツ紙も、彼らが大好きな「弾」という表現は使えないであろう、ダニーロのボテボテ。ポストにぶつかったボールが、惰性でそのままゴールの内側へと転がりこんでしまった。忌まわしきスローモーション。上半身を目一杯ひねった状態で、権田の身体が寂しく固まっていた。

なんと力ない回転運動だったか。僕が吹き矢の世界王者なら、否、せめて世田谷区で3位くらいの実力があれば、針のように細い矢であのボールを止める事ができただろう。試合開始から数分の出来事。発端は「職場放棄」とでも表現したくなる、緩慢なマークの受け渡しミスだった。自業自得の痛みだったが、運のなさも多少は愚痴りたくなる。決まれば日立台以来のゴラッソだった平山相太の左足ミドルシュートは、逆にポストに阻まれた。

常に鹿島側へ傾いていた「針」が、一瞬だけビクリと東京側へ振れ、そしてすぐまた元の状態へと戻った。上手くペースをつかめないまま、その後も鹿島の猛攻に晒され続けた。猛攻という表現は適切でないかもしれない。遮二無二攻めてくるのではなく、ゴールと現在地を結ぶ最短ルートを常に逆算していて、それが的確に共有されている印象。だから、より速く・強くと力む事なく、頃合いをみて一気に複数のスイッチを入れる事ができる。

オフサイド判定だったが、興梠慎三の一瞬の飛び出し、そしてマルキーニョスの落ち着き払った追加点。いずれも偶然性への依存度が低い、いわば強者の「型」のような、過程と結果と無理なく結びついた建設物を見せつけられた。人間の目は、思った以上に高性能。ざわりと鳥肌のたつ恐怖感とともに、僕には見えた。マルキーニョスの眼球の動きが、確かに。権田の動き出し、左前方のスペース、ゴールまでの距離、一秒ですべて見極める。

決めるべき選手が決めるべき場面で決める。当たり前が当たり前である事のありがたみを数十分後、僕たちは痛感する。グリーン脇のバンカーショットをダフッたような、力なき小飛球。二本のシュートのコントラストが、両チームの力量差をそのまま表している…そんな自虐的で寂しい気持ちになった。結果として一度はネットを揺らした。解釈の仕方は自由。一筋の光明を見出せた人もいたかもしれないが、僕の感想は『Too Late』の一言。

鹿島の選手たちが、得点後さほど喜びを表さないのが印象的だった。スタジアムを出て、駐車場へと戻る暗い夜道、行き違うエンジのレプリカたちの表情も穏やかに映った。残すべき結果を淡々と残した常勝集団。一喜一憂には値しないという事か。悔しさついでに書いておくと、この試合で一番衝撃的なシーンだったのは、ライブでは初めて遭遇する大迫勇也。想像以上の強靭な身体で、競いあった東京DFを吹き飛ばしていた。鹿島、強し。

【2009年23節】 鹿島アントラーズ(3-1)FC東京 ※県立カシマサッカースタジアム

霧が晴れ、すべてが見えた。見たくなかったものまで、すべてが見えてしまった。そして僕たちが心から見たいと願う何かが、白濁の靄に包まれ、少しずつ見えなくなってきた。夏が往く。このまま「反撃」も終わるのか…

2009年08月24日付
現在の青赤指数=59(▼)
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◎下降要因:
・浄さんサヨナラくらい言わせてよ(▼1)

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2009年8月23日 (日)

心晴れず(序篇)

靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄

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靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄

靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄

靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄靄

「霧」は晴れど心の「靄」は晴れる事なく…試合前の「宴会」が一番楽しい思い出という寂しい週明け。更新はおそらく今夜遅くに。

2009年08月23日付
現在の青赤指数=60(▼)
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◎下降要因:
・このまま沈みゆくのか(▼5)
・ひとつだけ嬉しい報せ(△1)

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2009年8月22日 (土)

分岐路

仕事と宴会に追われ、絶賛夏バテ中である。連勝していたころは、誠にウェルカムだった過密日程も、今では苦痛を増す促進剤となっている。週末に負った傷が癒える前に、塩を塗りこまれる。ココロ冷える夏、残暑ならぬ惨暑の様相を呈しつつある。ここだけの話、家庭のほうもうまくいってない。『カボレのシュートが枠に飛ぶまで実家へ帰らせて頂きます』こんな置き手紙を残し、奥様がヒマワリ君を連れて姿を消してしまったのである。

もちろんフィクションである(枠に飛ばないのだけはノンフィクション)。土曜の夜に、僕だけどうしても外せない用事があるのだ。「でんしゃ」に興味を示し始めてから、初めての新幹線。大興奮必至の息子を、泣く泣く東京駅で見送らねばならないわけであった。どうも今週は新幹線に縁がない。かくして、ポッカリ空白ができた週末のスケジュール。割り切って「シングルライフ」を楽しんでしまおうか。僕はあれやこれやと計画を練る。

久々に石神井公園の公営プールで、ダラダラ汗をかきながら日焼けでもしようか。そして火照った身体をタオルケット一枚でくるみ、冷房をガンガン効かせた部屋で昼寝でもしようか。レンタルビデオ屋でちょっとだけHなDVDを借りて、壁が震えるほどの大音響で堪能してしまおうか(音下げろよ)。…いやはや、貧困な発想力と、潤いのない生活観。少し自己嫌悪に陥る。日曜夜に帰ってくる妻子とは完全にすれ違いだけど、やはり鹿島。

形勢不利、状況最悪。現地に乗り込んだら、どうあがいても帰宅は日曜深夜。それでも、これまで培ったきた(?)シーズン通しての“サポ触覚”とでもいうべき何かが、ジンジン刺激されるのを感じてしまうのだ。結果がどう出ようと、絶対に見届けなければならない(ような気がする)大一番。2009年を振り返るにあたって、重要な分岐路になりそうな一戦。山形へ行きそびれた遠征バッグが半信半疑の眼差しを僕に向ける。再び、荷造り。

うん。四の五の考えず、鹿島へ乗り込もう。

2009年08月22日付
現在の青赤指数=64(→)
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◎というわけで奥様、月曜朝に。

「旅の支度」
318_travel_goods

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2009年8月20日 (木)

飛車の捨てどころ肝要なり

『いったいなんのためにこんな窮屈な思いをさせたのだ?』コインロッカーから引き出された後、期待していた新幹線ではなく、見慣れた地下鉄へ連れ込まれたLESPORTSACのボストンが、旅程の変更に抗議するかのように、ズシリと肩に食い込む。バッグの中には登場機会を逸した遠征道具一式が、無念そうに、しかしチームの和を乱さぬよう、不満を表に出す事なく、静かに佇んでいた。新宿経由、久々に訪れる明大前の「CAFE BAR LIVRE」。

日焼けしたからか、マスターはいつもよりも精悍でなんだかカッチョヨク見えた。決して急なお願いにも関わらず、キャンセルが出たカウンター席を融通してくれたからヨイショするわけではない。絶対に、そんなつもりはない。絶対だ。平日夜、そしてFar Awayでの試合という事で、バーはフルハウス。山形へたどり着けなかった「残留組」たちの無念と渇望感が重なりあい、大きな渦となって、薄暗い床の上でムズリムズリと動めいていた。

試合は序盤から、無色透明の炭酸飲料を思わせる、清々しいばかりの打ち合いとなった。生温くなる前に急いで飲んじゃいなさいと、露店のおばちゃんに急かされながら飲んだ、ラムネソーダを思い出す。甘いのか甘くないのかわからぬまま、一気に飲み干した。瓶の中のビー玉がたてるカラカラという音だけ、印象に残った。お互いに決定的なチャンスを潰し・潰され、スコアが動かないまま時間が過ぎていった。前半終了、ふっと嫌な予感。

前半途中から、山形が作るブロックを東京が崩しにかかるという図式が、幾度となく繰り返された。まるで詰め将棋の問題集に挑戦させられているようだった。平山相太、そして羽生直剛が「王手」をかけたが「詰み」には至らない。今野泰幸、梶山陽平、徳永悠平。個々の奮闘には光るものがあったが、それが連鎖しない。息苦しさを増すピッチ上、最新鋭のサブリミナル空調システムが稼働したのか、バーのエアコンも徐々に効かなくなる。

現地の焦燥感を共有した喉が渇きを訴える。追加オーダーのDITAをジンジャーエールで割ってもらう間も、依然ゴールは割れぬまま。前半はまだ気持ちに余裕があった。平山相太のダイビングヘッドバットに腹を抱え笑った僕も、果てなくシュートをカボり続ける夏バテの梟には頭を抱えるほかなかった。終盤のカギを握る「持ち駒」も勝負の流れを変えるまでには至らない…思った以上に早い再会?ダメなときのトーキョーのダメなパターン。

立場が逆なら「結実」なる単語を使い、劇的な幕切れを回顧していただろう。不思議な負けでなければ、不思議な勝ちでもなかった。山形の粘り腰の前に、東京が屈した結果だ。ふと、新聞に掲載される将棋の対局記事を思い出した。盤面図に描かれし駒。投了寸前の棋士が苦しみぬいた末、敵陣深く迷い込んだ「玉」のイメージが、権田修一に重なった。前線へ上がった守護神。一点混じる場違い・色違いのユニフォームを、切なく見届けた。

【2009年22節】 モンテディオ山形(1-0)FC東京 ※NDソフトスタジアム山形

2009年08月20日付
現在の青赤指数=64(▼)
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50平常
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□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎下降要因:
・秋冬制に心傾く暑い冷夏(▼2)

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2009年8月19日 (水)

つばさをください

朝8時。情報番組のオープニング・トークをBGMにスーツへ着替える。あまり好きではない女子アナが、今朝もまた希薄な存在感を漂わせているのを、見なければいいのに見てしまい、朝から余計な苛立ちを憶えるのも、いってしまえば日課のようなもの。ルックス先行で実力のまったく伴わない彼女に、自分自身を重ねてしまっているのかもしれない。…ポカッ!痛ッ!モノを投げないで下さい!イタタタ!…も、モノを投げないで下さい!

軽薄にすら映るスカスカの相槌も相変わらずだが、いつもと異なるのは、同じ「8」でもそれが関西テレビであるという事だ。水曜、毛穴から滲み出す複数種類のアルコール臭をシャワーで流し落とし、僕はホテルを出る。タクシーで駅へと向かう道中、地上を走る地下鉄御堂筋線と併走しながら、僕はいよいよ状況が厳しくなってきた事を悟る。山形に行かねばならぬその日の朝、新大阪駅にいるというdisadvantage。まずは東京に帰らねば。

深夜まで続いたクライアントとの、クリエイティブかつエグゼクティブなミーティング。昨日のうちに帰京できていれば、違う展開もあったのだが…悔念を乗せた「のぞみ」号が東へ走る。昨夜、梅田界隈のガールズバーで僕を見かけた人がいたら、きっとそれは幼いころ生き別れになった、双子の兄だ。あれ?弟だったっけな?「蓬莱の豚まん」を土産で買う気力も湧かないほど、食べ過ぎて…否、疲れていた。山形の二文字が、霞んでゆく。

そもそも強行軍の旅程を想定していた。午後『コンビニでバウムクーヘン買ってくる』という言葉を残してオフィスを飛び出し、そのまま新幹線に飛び乗り(おいおい)、一気に山形へ乗り込み、東京の勝利を見届けた後、余韻に浸る時をも惜しんで、現地で合流したPGL(※)仲間のクルマでトンボ帰りするというプラン。木曜の朝にはいつもの生活に戻り、例の女子アナのベトベトした笑顔に舌打ちしてから、保育園へ向かうという流れ。

“奥歯ヤマガタいわしたろかツアー”勝手に銘打ち、楽しみにしていた真夏の密行だったが、気力・体力の双方と協議した結果、断念する事にした。天童駅で「VC3000のど飴」をなめる、そして限定配布される「将棋の駒」とやらを入手する。そんな野望を果たせないままオフィスに戻り、午後半休の申請を取り下げよう。東京駅へ滑り込む東海道新幹線、視界に飛び込む山形新幹線。僕はやっとスタートラインにたどり着き、そこで力尽きた。

(※)PGL 【ぴーじーえる】
ペーニャ・グアム・レオパレスの略称。規定人数に達していないため、非公認のまま活動している男女4名+α。活動拠点は基本的にグアム島・荻窪・神保町。参加資格は(1)20歳以上の健康的な男女(2)FC東京が好きまたは好きになっちゃいそう(3)美味しい餃子屋さん知ってます(4)シール類含むタトゥー禁止、のすべての条件を満たす者。(3)は最重要であり、紹介した餃子のレヴェルが、そのまま人間性の評価に直結する。

追記:
『大丈夫?』遠征断念のメールに、さっそく返信してくれる心優しき仲間…と思いきや、添付してあった画像が僕を無念の泥沼へ引きずり込む。おのれ…絶対にこの写真を見せたいがためのメールだろう(笑)許さんぞー!

2009年08月19日付
現在の青赤指数=66(→)
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20絶望
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30暗鬱
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50平常
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□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎午後半休は9月2日にスライド

「ヨネ牛」 Photo by Flying Micchie
317_yonezawa_steak

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2009年8月17日 (月)

耐えるとき(後篇)

毎度の事ながら話がまったく逸れてしまう。具体的な分析をしたわけではないが、どうも僕の印象では、横浜F・マリノスとの試合は「XX時30分試合開始」となる確率が高い気がするのだ。どうしてなんだろう?さらに話が変わるが、昨夜発売されたドデカイシッポ。アレは十中八九クッションでなく、コスプレグッズとして活用される事になるだろう。きっとズボンのベルト穴すべてにアレを装着して、蜜蜂の化物みたいな輩が出現するはず。

ナーサリー「中退」を決めた息子を、客席に座らせての観戦。周囲に迷惑がかからぬようメインスタンド左端の空席が目立つエリアに陣取った。偶然、すぐ前に「青赤娘」と呼ばれる若い女性が3名座っていた。いやはや、偶然。まるで遠目にその姿をみつけて、コソコソと変質者のように彼女たちのすぐ後ろへ移動したかのような偶然。下心に満ちた席替えだったが、結果として昨夜のモニ・ハイライトシーンを真正面から見守る事ができた。

前半30分前後、ライン際に転がったボールを渡邉千真と争いながら追ったシーン。たまらなく好きなのである。ガムシャラが似合うのさ、旦那には。キャンプのフィジカル・トレーニングでも、真っ先に脱落していくのに、大一番になればなるほど力を発揮し、血尿は出るわバカンスは中断するわ(挙句ホントにピッチに立つわ)と、エピソードには事欠かない。必死の形相で相手を制し、ボールがラインを割ったところで、前向きにバッタリ。

カッコ悪くてカッコ良い。モニ「らしさ」が滲み出ていて嬉しかった。楽しく頼もしいモニだった。危ない場面も散見されたが、結果として零封に貢献した実績は非常に大きい。佐原秀樹と平松大志の両名もベンチ入りする微妙な状況下、城福監督の信頼を得るに足る働きだったのではなかろうか(相手の拙攻に救われたという側面を加味しても)。試合後ゴール裏に発生した無数の「ワ」は、茂庭の復活ロードを照らす青信号のようであった。

旦那もういっちょ!バテるな!怪我するな!

前回『出来る事と出来ない事、やるべき事とそうでない事』の線引きと書いたが、一方のベテラン・金沢浄もさすが、その作業ができていたように思う。メンバーが代わろうともチームが目指すスタイルを変えない。そんな監督のマニフェストを実行するかのように、堅実な動きに終始していた。それでも中盤でタメを作る仕事は、かくも難しいものかと、自身の不在を通じて痛感させてくれるのが、「熱き夏のテクニシャン」梶山なのだった。

その梶山がいないという特殊な環境が、彼をまた一回り大きくしたというなら、この夜の収穫は勝点1だけに留まらない。ピッチ内で随一のスケール感を漂わせたのは米本拓司。『まだ青い』と思わせたドリブルもパスも、日進月歩の進化を遂げているのが、ビンビン伝わってくる。一歩間違えると規格外。僕たちはとんでもない可能性を秘めた原石が磨かれゆくさまを目撃しているのかもしれない。その長い手足は、どこまで伸びてゆくのか。

何をいまさらと?先見の明があったファンの皆様、スミマセン…ようやくそれを確信した次第。さて、何をどう書こうと横浜に勝てなかった(ヘタすりゃ敗れていた)のは事実。どれだけメンバーを落とそうとこんな試合でキッチリ勝点3を確保できるのが、真の強者なのかもしれない。その域にこれから達さんとしているのが今の東京。アジアを視野に入れた長き争い、幸いにも他チームも足踏み。今は耐えるとき。ただひたすら耐えるとき。

【2009年21節】 FC東京(0-0)横浜F・マリノス ※観衆24,913人

2009年08月17日付
現在の青赤指数=66(→)
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20絶望
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30暗鬱
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50平常
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□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎胸がスッキリしちゃいかんのです

「反抗期」 Photo by Yama-chan
316_rebellious_age


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2009年8月16日 (日)

耐えるとき(前篇)

『抱っこで写真を撮って頂いて結構ですよ』営業スタッフさんにそう言ってもらえると、気が楽になる。たぶん泣くと思うのですが…そんな言葉に彼は表情を変える事なく、軽く頷いた。「たぶん」は、僕自身が感じていた不安を和らげるための呪文に過ぎず、経験に基づく適切な副詞としては「きっと」または「間違いなく」を用いるべきだった。しかし両足をガバッと開きパイプ椅子に座る、彼の泰然たる姿にわずかな希望を感じてもいた。

僕よりずいぶん若く、僕より少しサッカーが巧いだけでなく、パパとしてもちょうど二週間先輩の彼。涼やかな笑みをたたえながら、よっこらせと立ち上がる動作からは、緊張も気負いも感じられず、いよいよ希望が膨らむのであった。しっかりキープしてくれよと心中念じながら、わき抱えにしたヒマワリ君を彼に託した。パス&ゴー!急いでシャッターボタンを三度押した結果、僕は三種類の泣き顔写真を手に入れた…結局、泣いちゃった。

『はい今日ふたりめ~♪』何故か嬉しそうなスタッフの囃し立てにも動じず、直立不動。大きな瞳に大粒の涙を浮かべ、両腕を伸ばし助けを求める息子であったが、パパ抱っこの状態に戻ると気が落ち着いたのか、彼に向かい手をプラプラと「バイバイ」する余裕すらみせた。変わらぬ笑みで手をふり返してくれたが、わが子の興味はすでに隣のテントへ。堂々とそれを無視して、ボランティアの女子たちに目一杯の愛想を振りまいていたとさ。

実にわかりやすい…まったく誰に似たのか…

累積警告による試合欠場も、キッズクラブのテントにて絶賛チビッコファン対応中の梶山陽平、その人であった。ピッチ外でも抜群の存在感を醸し出していた梶山だったが、その10番をはじめ、主力4名を欠いた東京は如何にして「勝点1を得る」に至ったか。注目の4人については、○が二つ、◎と△が一つずつといったところ。離脱者の回復具合にもよるが、茂庭照幸と椋原健太は山形でも起用してほしい。きっと9月上旬に実を結ぶはず。

モニの旦那が飛田給へ帰ってきた。スタンドからの声援に、いつもより深々と(見えた)お辞儀する姿は、グッとくるものがあった。韓流タレントが演じる韓国時代劇の主人公、それを真似する韓流お笑い芸人、みたいな髪型だった。ブルーノモニドロスは長髪もとい弁髪を振り乱しながら、東京の現在形に一所懸命adjustさせたプレーに徹しているように映った。出来る事と出来ない事、やるべき事とそうでない事、線引き作業は万全だった。

※「耐えるとき(後篇)」へつづく

2009年08月16日付
現在の青赤指数=66(→)
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30暗鬱
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□□□□□□□□□□99絶頂

◎指数増減はナシでございます

「ツバメ頭でかすぎ」
314_910

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2009年8月15日 (土)

あの日のように

接着剤を使わず組み立てたプラモデルのように、主要パーツがポロポロ欠け落ちていく。術後の回復が思わしくない長友佑都、帰国を果たすも試合には間に合わなかったブルーノクアドロス、さらに古傷が警鐘を鳴らす石川直宏。累積警告による出場停止の梶山陽平を加えると、実に4名のメインキャストを欠く緊急事態だ。再開初戦はアゲインストの風を受けながらの闘いとなる。それも、かなりの強風。組織としての総力が問われる一戦だ。

冷夏の予感?ご冗談を。ここまで大胆に追い込まれると、逆にワクワクすらしてくるではないか。痩せ我慢ではないぞ!(実際忙しさにかまけトレーニング激減体重絶賛増加中)椋原健太の守備能力とクロス精度の高さが、長友の代役というレヴェルに止まらないのはもはや周知の事実。石川直宏不在の報に胸をなでおろした港町の住人たちは、いざ蓋を開けてみたら、きっと田邉草民という個性的な名を憶えないわけにはいかなくなるだろう。

一試合欠場してまで『やべっちFC』のテーピングに専念した僕たちの「10番」の穴は、そっと静かに、しかし確実に金沢浄が埋めてくれる事になる。慌てず騒がず、でも結果はしっかりと残す。名人の金魚すくいを見守るみたいに、熟練された技を味わうのも縁日の楽しみかたの一つだ。そんな悠長な事を言ってる場合ではないと?御意、御意。たしかに「祭」でありながらこれは「戦」でもある。思いきり闘って頂こうでないか、あの男に。

あまり多くは書きませんぜ、旦那。日曜は、間違いなく旦那の夜になる。不安と期待と…やはり不安のほうが過半数を占めた視線を、旦那が独占する事になる。ひとつ、ビシッと見せつけてやって下さい、ヤツは終わっただのなんだの、好き勝手囃し立てる輩に。城福監督が好む足元の技術、ビルドアップの起点としての役目、そんなの『しゃらくせえ』と一笑に付し、旦那は旦那だけにしか出せない凄みを僕たちに思い出させてくれたらいい。

『ゼロに抑えりゃイイんだろ?』かぎりなく根拠に乏しい、でも完全無欠の自信を前面に押し出して威風堂々、旦那が「has-been」でないと満天下にアピールしてくれたらいい。ドキドキ・ドタバタ・ハラハラ・ジタバタ。久しぶりに目撃するエンターテインメント・ディフェンス・ショー。一緒に笑いたい。試合後に笑うなど、誰にでもできる。試合中に笑わせて、さらに試合後にもホロリと笑わせる。一部の天才だけが、それを可能とする。

そう、間違いなく、旦那の夜になるんだぜ。

2009年08月15日付
現在の青赤指数=66(→)
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◎水曜開催の前節は全試合土曜開催にしましょうよ

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2009年8月13日 (木)

おかえり東京

心配していた地震には見舞われずに済んだ。『イルカだって食うのさ、ここらの人間は』来年6月には定年退職する事が決まっている取締役の親爺が話してくれた。敬意と親しみを同居させるには、こう表現する以外、思いつかない。一年で今が一番不味いと言われて振る舞われた生しらすは、予想通り十二分に美味かった。しかし一番美味い時期のそれを昨年、熱海で食した事には決して触れない。それが営業であり、それがビジネスマナー。

イルカに話を戻す。クセがあるので刺身では到底食べられないらしい。「おすまし」に入れるか、ゴボウやニンジンと一緒に味噌煮にするか、いずれにせよ地場の人々にも珍味として扱われているそうな。なるほどたしかに「縁起モノ」として、一度は食べてみるのも良いかもしれない。しかし、目を疑う値札をつけた鮮魚を目の前に、わざわざ冒険に挑む非効率な勇気を、僕はもちあわせていなかった…肉、そして魚。食べてばかりの人生だ。

イルカ。食べてはみたいけど、食べなければならないけど、今は保留。その前に倒すべき相手がいる。まさに足下に、まさに眼前に。ビジネスでは初めて訪れる地。会議資料にゆっくり目を通す間もなく、新幹線を降りねばならぬ慌ただしさ。静岡市の東端、清水区。またもやって参りました、の重要取引先敵地なのであった。直前まで晴れていたのに、富士山を拝めるかどうかという地点から、急に曇りはじめる素晴らしいホスピタリティー。

懲りずにもう一度、9月2日に出張を組んでやろうかという野心が、ムクリと鎌首をもたげる。しかし、それはリスクと背中あわせ。平日の試合時間こそ、まさに酒場ゴールデンタイム。お誘い頂いて断るのは、ペナルティエリアでGKと1対1になりながら、パスを選択するのと同じくらいミステリアス。トリックプレーは墓穴を掘りかねない。正々堂々オフィスを飛び出そう(orあきらめよう)。タクシーに乗り、一人新幹線の駅へと戻る。

珍しく、無性に煙草が吸いたくなっていた。タスポカードという不思議な制度が導入されて以来、初めて自動販売機の前に立つ。頭では理解できていたものの、どう見ても未成年の僕も、簡単に煙草を買えなくなっているという現実を知る。駅前にコンビニがないのは鹿島神宮に限らず、都心を離れたら何処でもあり得るという事も、改めて。駅前で酒屋が“ついでに運営しているバー”に立ち寄る。「タリスカーの10年」を、ロックで頼んだ。

驚くべきはシングルモルト一杯、5百円玉でお釣りがくる事だ。とろみのある液体を舌の上で泳がせながら、轟音とともに通過する新幹線を耳で感じ、上りか下りかを判断するという、実にどうでもいい遊びに興じていた。やがて酒屋の店員さんが、煙草を一本もってきてくれる。ウイスキーを頼んだとき、恥じらいもなく、無心したのだった。KENT。LARKだったらよかったのにとは口が裂けても言ってはならぬ。久々に楽しむ、紫煙。

カバンから封筒を取り出し、ナビスコカップ準決勝チケット優待販売の案内に目を通す。8百円という破格の価格設定に驚き、惑う。安価を追求するのが消費者行動の原理原則であるが故、その思いは明らかに常識から逸脱している。もう少し高くても払うのに。こんな安売りで儲かるのか、クラブは?よくいわれる小布施の感覚というヤツだ。具体的な恩恵を求める購買でなく、幸せな未来を夢みての投資、そんな思いで僕はチケットを買う。

駅の時刻表には「7」「35」が整然と縦に並んでいた。一時間に2本しかないこだま号を待つ。すっかり渇いたコンタクトレンズが、眼球を圧迫した。いっそ外してしまいたいのだが、生憎メガネを持参していない。疲労の薄膜が何層にも重なった、ミルフィーユ状のストレスが腹の底に溜まっていた。それでもこれに耐えたら、やがて週末がやってくる。「東京」のある週末が帰ってくる。その事を考えたら、スッと力が抜けてゆく気がした。

空席の目立つ新幹線でアイスを食べながら、
心待ちにする何かがある生活を幸せに思う。

2009年08月13日付
現在の青赤指数=66(→)
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20絶望
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◎なんだかいきなりの正念場

「イルカは秋に食べたい」
313_sushi_in_fuji

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2009年8月 9日 (日)

いまさら彼奴について

Jリーグ中断、ネタ枯れの夏。新聞・テレビ各社、鬼の首を取ったかのように「のりピー容疑者」報道に躍起になっている。おかげで数日前まで、例の悪質なヒジ打ちでメディアから袋叩きに遭い、外出すらままならぬ状況になっていた「もりピー容疑者」はすっかり大手を振って一般人の生活を楽しんでいるという。この件についてはあまり触れてこなかったし、これからも触れない。既に議論百出している感があるのと、彼が嫌いだからだ。

せっかく書くなら、読んでくれる人を不快な気持ちにさせない、できるだけ美しい文章に仕立てたい。日々のブログ遊びはこんな自己満足の追求も兼ねている。故、嫌いなヒトや嫌いなモノについては、極力触れないようにしている。どうしても表現が辛辣になるし、ユーモアで包もうにも、本音の棘(とげ)が表皮を破り突き出てきてしまう。嫌いになってしまうと一途。特に彼のような「人相犯」タイプは、反吐が出るほど嫌いなのである。

『キサマテメーノカオヲカガミデミテミロ』無数のツッコミサイルで爆撃されそうなのでこのくらいでやめておこう。見て見ぬふりをきめこんでいた一件だが、『エルゴラッソ』8月7日発売号に掲載された六川則夫氏のエッセイを読んで、野次馬根性が夏の雲のようにムクムクとわいてきてしまった。どちらにも問題ありというのが六川のりピーの主張だ。つまり、被害者である長友佑都も、過剰演技で「クラシコ」の価値を貶めたというのだ。

正直なところ、一読した後は同感するむきもあった(僕という人間は元来素直にできている)。たしかにあれだけ長い時間倒れていたにも関わらず、直後さほどダメージを感じさせずにプレーしていた事実は『フェイク』と受け取られても仕方がないのかもしれない。しかし、三度四度読み直し、さらにインターネットで例の場面の動画を繰り返し確認したうえで、やはり氏の主張は議論のすりかえにしか思えなくなってきた。あまりにも危険。

骨が折れないかぎり、血が流れないかぎり、何食わぬ顔して立ちあがれというのか。違うだろう、あれはどう見ても許しがたい悪質な蛮行。彼奴をあの場で組み伏し両目を突き、身動きできなくしてからボコボコに殴る事が許されない以上、己の身を守るためには「事件」が起きる前に、あの野良犬をピッチから追放しなければならないのだ。同じルールに則り、互いの生活をかけて闘うのがプロフェッショナル。チンピラの喧嘩とは違うのだ。

もし目に入ったらどうする?心臓部を直撃したらどうするのだ?街中でナイフを振り回す馬鹿者に対し、まだ誰も刺していないから、少し刺さったがかすり傷だからOK、そんな屁理屈が通じるわけがなかろう。あのようなプレーを容認した審判は、その任務を全うしているとは思えない。あのようなプレーを見逃したのなら、明らかに適性に欠けている。いずれにせよ、なんらかの処罰を受けるべきだ。何かが起きてからでは、遅いのである。

だいたいあの男は、つい先日も2試合の出場停止処分を受けた、いわば「執行猶予中」の身分ではないか。そんな男に東京の、そして日本の(予定)宝を壊されて良いはずがないのだ。おそらくは再犯率が高いであろう危険人物、これ以上横暴な振る舞いを許さぬために、断固たる処置をとって頂きたい。出場しただけで危険行為と見なしイエローカードを提示するとか、彼専用のフェアプレーフラッグを制作し、それを掲げて入場させるとか。

等々力で実感させられた「差」、あれほどの選手層を誇りながら、何故、川崎は彼を起用し続けるのか。絶対にまたやらかすぞ、あの顔は。顔で判断するなって?ヒトを見た目で判断するななどと主張する輩にかぎって、ロクなヤツがいない。無茶苦茶な日本語だが、見た目で判断されるような見た目をしているヤツが悪いのである。良識あるファンなら、あんなプレーを見せられて勝っても喜び半減だろう(負けたほうも悔しさ倍増である)。

全日本少年サッカー大会において、見事ベスト4進出、そしてグッドマナー賞を獲得した川崎フロンターレU-12。輝かしき未来少年、若海豚(四股名みたいだけど)たちの模範となるような選手を起用して頂きたいものだ。

2009年08月09日付
現在の青赤指数=66(→)
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◎しばらく夏休みモードです

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2009年8月 3日 (月)

眩暈(めまい)

精神衛生上よろしくないため、新聞・テレビ・インターネットの類いには一切目を通していない。殻に閉じこもる感覚は久々。前回は…前回は、否、前回「も」クラシコだった。各種メディアではどのように報じられていただろう。『関塚監督のプラン通りの勝利』とでも書かれていただろうか。過密日程により蓄積した疲労。先発メンバーと前半の内容を観るにつけ「後半勝負」なる共通認識が、川崎のなかで出来あがっていたように思えた。

後半開始早々、その男がユニフォームに着替えて、ピンクのビブスで背番号3を隠した。あの時点では、佐原秀樹の投入で逃げ切りを図るという構想もあったのだろうか。選手が交代するたびに、勢いが増すフロンターレ。ヒジだけでなく、サイドも有効に使い攻勢に転じる。「1」の発想は城福監督にはなかったのかもしれない。あくまで勝点「3」に固執する。三枚目のカードが赤嶺真吾だったという事は、これを物語っているのだろうか。

completely agree…それに対して、まったく異論はない。しかし、流れを確実に引き寄せる川崎に対し、東京は多摩川を逆流するかのように、徐々に失速していった。田邉草民にとっては失意の一夜となったか。最初のドリブルを奪われて迷いが深まったのか、パス・シュート、いずれの決断も裏目に出ていた。あの瞬間、彼は世界中の誰とジャンケンしても負けただろうし、どの売店に並んだとしても自分の直前でビールが売り切れただろう。

試合開始まで一時間以上を残して売り切れた生ビール。キックオフ前に感じたストレス、その数百倍大きな失望を味わう事になった。残念ながら、FC東京の完敗だった。多摩川クラシコ連敗。目の逸らしようのない、負の歴史がまたひとつ、刻み込まれた。2008年、「対岸の人々」が味わった無念を、2009年は僕たちが。深まる失意、嵩ます因縁。絶対に勝たねばならない一戦だった。引き分けなど要らない、それがクラシコ。勝ちたかった。

石川直宏の先制ゴールは、わけのわからないうちに決まっていたのに、どうしてだろう。同じ場所から観ていたのに、あれだけ選手が密集していたのに。「魔の89分」谷口博之の蹴ったボールが権田修一の股間を潜り抜けていくさまは、しっかり視認できたのだ。コマ送りの映像を確認させられるように、今でも鮮明に。熱い。痛い。簡単には消えそうにない、屈辱の焼印。膚を焦がす嫌な匂いに顔をしかめ、天を仰ぐ。金魚みたいに息をする。

酸素が足りない。歌い、怒鳴り続けて、もう窒息しそうだった。星ひとつ見えない漆黒の夜空。小刻みに三度、空気を吸引して心肺に送り込む。軽く眩暈がしたが、なかば自棄になって声を絞った。悲しかった。昨年は天を仰いで倒れた選手たちが、ガクリうつ伏せで力尽きていたのが、悲しかった。地を睨み、固く握られた両の拳は、しかし芝と土以外の何もつかみ取る事ができなかった。壮絶なる力負け。まさに正真正銘の「完敗」だった。

水曜、鹿島相手にあのような勝利を収めて、土曜に再び。終わる事のない等々力の夜宴。どっかと椅子に座り込み、放心状態でそれを見守る。相変わらず呼吸が苦しく、半開きの口をパクパクさせながら屈辱に耐えた。退場する審判団に向け“まだそんな余力の残っている人”からブーイングが乱れ飛ぶ。それをやって何になる?寝室で聞く蚊の羽音のように、生産性の欠片もない雑音が不快に響く。正面から受け止めるべき敗戦ではないかな?

薄暗いサイクリングロードを右折して、橋を渡る。二子玉川駅から先、瀬田の交差点まで悲しいくらい急な登り坂が続く。失速したら負けのような気がして(まぁ負けたのだが)躍起になってペダルを踏んだ。その坂を登りきったとき、少しだけ気が紛れた。敗戦後の復路は初体験。行きより帰りのほうが遅いなんて負けのような気がして(だから負けたんだっての)僕は歯を食いしばって環八を北上した。練馬まで約60分。悲しき激走だった。

【2009年20節】 川崎フロンターレ(2-1)FC東京 ※等々力陸上競技場

2009年08月03日付
現在の青赤指数=66(▼)
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20絶望
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30暗鬱
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40不安
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50平常
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□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎下降要因:
・悔しいけれどフェアな結果(▼3)

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2009年8月 1日 (土)

クラシコへの想い

及第点のハッピーエンド。名古屋戦の余韻を切り裂く騒音。HUB吉祥寺店、FC東京の勝利を祝して…時間限定でカクテルが半額だなんだと、酔っ払いのカラオケみたいな絶叫アナウンス。パチンコ屋じゃないんだから…興醒めした僕は耳を塞ぐ。まだヒーローインタビューの途中なのに。スピーカーを壊さんばかりのアピール…やや外し気味のHUBであったが、直後に映像を切り替えたのは良い演出だった。等々力は延長戦に入っていた。

準決勝の相手は、またかよ…のエスパルス。『清水よりも浦和のほうがよかった』なんて軽口を叩きながら、座席を移動する。禁煙席スペースの大きなスクリーンの前へ。川崎が延長戦に挑んでいる。その事自体は悪くない流れ。間をおかず週末「多摩川クラシコ」で対峙する強敵だ。少しでも消耗してほしいというのが隠せぬ本音なのである(隠せよ)。愛するクラブの勝利のためならば、どれだけセコい魂胆であろうと、それが正義なのだ。

フレームインしてきたリピート映像を観て、正直『マズイな』と感じた僕がいた。川崎のファンには堪えられない劇的な展開。王様・ジュニーニョのとんでもないゴールで、敗戦間際に蘇生したイルカは、生命感に満ちていた。追撃二発、失意の鹿島を蹂躙し、衝撃の準決勝進出を決めた。クラシコのデモンストレーションにしては十分過ぎる内容だった。勢いづいたイルカがキバを剥く。鹿のツノを削り作った鋭いキバ。まるで、鮫みたいに。

復讐するは我らにあり。負けていなかった、しかし叩きのめされた。5月、思い出すのも腹立たしい屈辱の敗戦。何故こんな腹立たしいか、反芻する。勝てたからだ。勝っていたからだ。大きな声で言えない、敗者の分際で決して口走ってはならない言葉。恥を忍んでこっそり書き残しておく。仮にもクラシコを名乗るなら、勝利以外になんの価値もない、そんなギスギスした闘いに育てあげてみろ。美しさは要らない、この試合にかぎっては。

予兆はある。だから今は死ぬほど口惜しい。
勝ちたい。それ以外の何も、僕は望まない。

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2009年7月31日 (金)

ギャップ(後篇)

4点必要な名古屋、1点で「片づく」東京。特殊な矯正が入った眼鏡で試合を眺めみる、そんな物珍しい感覚。塩田仁史を襲ったオープニングショットで肝を冷やしたが、東京は平時と変わらぬサッカーを展開できていた。メンバーが替わっても…と手放しで賞賛するのは危険かもしれない。核であり、軸であるCB二人と梶山陽平の存在あってこその磔と土台。このうち誰が欠けようともレヴェルを保つ事ができたら、いよいよ本物なのだが。

半死半生の赤鯱に引導を渡すチャンスは十分過ぎるほどあった。しかし、カボレが、赤嶺真吾が、代わる代わるブレーキペダルを踏み続ける。アスファルトを焦がす軋んだ音が、サポーターたちの歯ぎしりとシンクロした。前がかりにならざるを得ない敵のライン裏を突くのが常套手段。プラン通りのカウンターからトドメをさそうとした東京だったが、カチリ冷えたシャンパンボトルのコルク栓は、すぐに抜けそうで、なかなか抜けなかった。

思い描いていた「絵」と、画面越しに伝わる現実の差違に戸惑い、やがて焦れはじめる。ケネディが“あの長身にして、あの足技”を披露した時間帯から、潮目が変わる。微かな希望を見いだした名古屋が、逆襲に転じた。ここから先は、モチベーションという分銅を使っての天秤あそび。なりふり構わぬ勢いが乗り移ったようなヘディングで、再び失点。ディスプレイを見上げる人々の首が固まり、口が開きはじめた。天秤がグラリと傾いた。

一攫千金を夢みる者の勢いは恐ろしい。残り時間はまだまだある。あと1点奪われたら、いよいよとんでもない事になる。徐々に浮き足立つバーのフロア。僕もじっと座っていられなくなり、テーブルから離れて、立ったまま遠く横長のディスプレイを凝視し続けた。準備万全だったシャンパンボトルは、閉栓されたまま放置され、瓶の表面に無数の水滴が付着していた。一滴、また一滴、その水滴が冷汗となり背中を伝い、僕を不安にさせた。

序盤に勝負を決められていたなら、おそらく切られる予定のなかったカードだったのではなかろうか。石川直宏・平山相太を「消費」せざるを得ない選択を迫られた、城福監督。はたしてこの二人が見事クローザーとしての任務を全うする。『そんなに力む事ないよ』そんな言葉が聞こえてきそうな、自然な振る舞い。赤嶺が競い落としたボールを奪って、鋭いクロス。右足を合わせるだけ。角度こそ違えど、再びマイナスのボールからの一撃。

短期間で見事なる変貌を遂げたグランパス。補強はケネディのみならず、ブルザノビッチなる選手までも獲得。外国人枠無視の贅沢な散財かと思いきや、ケネディはアジア枠での獲得という(羨ましい?)事実を再認識させられた。10月に瑞穂で再会するときは、またまったく別のチームになっているのだろう。そんな新生・名古屋へ期待を膨らます瑞穂の住人たちのハートにチクリ、冷たい夏の思い出を。平山のDeja VuなゴールでGAME OVER。

少し気の抜けた音をたて、瑞穂の夜空にコルク栓が舞う。吉祥寺も息苦しさから解放された青赤者たちの歓声に包まれた。何度も繰り返されるその映像、ゴール裏のカメラが捉えた得点シーン。“そこにいた”平山も見事だったが、ようやく揺れたネットの前で、天を見上げて一息つく鈴木達也の、安堵と疲労が入り混じる表情が印象的だった。涼しい顔で見事に結果を残す二人。先発に定着する者の「凄み」を、さらりと見せつけてくれた夜。

最上級のハッピーエンドとはいかなかった。理想と現実の狭間にあるもの。それが先発と控えとを分かつ「何か」だとすれば、石川と平山が漂わせる風格が頼もしくもあり、また少し不安にも感じる。ガッチリと固定された「現在の11人」だが、硬直化したものは脆く折れやすいのも事実。晩夏の準決勝では残念ながら、飛車角落ちでの闘いを強いられる。二兎を追う権利を保持する城福東京、実りの秋に向け求められるは、さらなる底上げだ。

【2009年ナビスコ杯準々決勝第2戦】 名古屋グランパス(2-1)FC東京 ※名古屋市瑞穂陸上競技場

2009年07月31日付
現在の青赤指数=69(△)
■■■■■■■■■■10発狂
■■■■■■■■■■
20絶望
■■■■■■■■■■
30暗鬱
■■■■■■■■■■
40不安
■■■■■■■■■■
50平常
■■■■■■■■■■60希望
■■■■■■■■■□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎上昇要因:
・2004年以来の準決勝進出(△2)

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2009年7月30日 (木)

ギャップ(前篇)

2009年ナビスコカップ準々決勝。結果として第一戦を制した4チームすべてが、第二戦を落とす事となった。リーグ戦との兼ねあい、ホーム&アウェールールならでは駆け引き。試合開始早々の形勢逆転があるかと思えば、試合終了直前の劇的展開もあった。東京は、メンバーを大幅に入れ替えて敵地・瑞穂へと乗り込んだ。最良の結果とは言えないものの必要とされた唯一すべてを手に入れ、5年ぶりの準決勝へ。あれから、もう5年が経つ。

鉄道模型のような大きさに見えるのぞみ号にそっと「魂」を乗せて走らせた。ガンバレ。『名古屋も吉祥寺も電車一本なんだけどね』オフィスからターミナルを見下ろしながら、周囲に聞こえない音量で、ボソリと。そんな僕のボヤキを嘲笑うかのようにJR中央線が止まる。橙色も、黄色も。ご丁寧に中野から先に乗入運転している東西線までも、事故で運転を見合わせているとの一報。まったく、試合の前から波乱含みの展開なのであった。

こういうときの決断の鋭さと行動の速さを、もう少し「他」で活かせないものか。迷う事なく地下鉄のホームへ走りながら、僕は自嘲気味に笑う。神保町から都営新宿線で京王線直通、明大前で井の頭線へ。完璧な迂回路が思い浮かんでいた。あまりに強い冷房で凍りつきそうな車両が、やがて地上へ滑り出る。“アンテナ”を3本立てた携帯電話が震え、再び交通情報を伝えてくれた。『中央線動いてるよ』僕は笹塚駅ホームで途方に暮れる。

良かれと思い果敢に飛び出したが、どうやらオフサイドだったようだ。少し様子をみれば今ごろ運転を再開した中央線快速電車で楽々到着していただろうに。テキパキ行動したと思えば拙速というオチ、一生つきまとわれるであろう、卓越した勝負弱さ。乗り慣れない井の頭線の中でガックリしながら汗を拭く。急行列車は久我山駅で停車。すっかり伸びた田邉草民の黒髪を思い出す。去年の今ごろは学生服で、井の頭線に揺られていたわけか。

見憶えのある商店街を小走りで急ぐ。いつも長蛇の行列ができるはずの肉屋だが、今日は閑散としていた。その角を曲がると目的地はすぐそこだ。【メンチカツ売り切れ】という貼紙を横目に、予定の20分遅れで「HUB」吉祥寺店へ到着した。このバーを拠点とするペーニャの方々と一緒に観戦させて頂くのである。入店してすぐ、視界に入ってくるのはドリンクを注文する人々の行列。試合開始を待たずして、すべての座席が埋まっていた。

一点奪えば暑気払い。重量感のあるパイントグラスで生ビールを流し込み、小さく身震いする。早い時間に一点奪えば、そこから先は気の向くままに祝杯を重ねればよい。口ではあれやこれやと言いながら(ブログにあれやこれやと書きながら)どうしても緩みがちな納涼気分。やはり僕はバカタレだった。開始早々、名古屋MF吉村圭司のミドル。見事に枠を捉えたシュートを、塩田仁史が辛うじて掻き出す。事後に思い返す、大きな分岐点。

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2009年7月29日 (水)

212日ぶりの戦場

30秒…いや10秒でいい。目をつぶって一緒に思い出してみませんか?腰を90度折り曲げて深々とお辞儀する姿を。バックスタンドからゴール裏を見渡した後、口唇をギュッと結び左胸のエンブレムを力強く叩く姿を。必死の形相で、青赤のゴールネットを揺らすまいと奮闘する姿を。そして何よりも僕たち全員を幸せにしてくれる、あの人懐っこい笑顔を。闘いぬいた。痛みと苦しみに直面し続けた、苦難の時を乗り越え、彼が遂に帰ってくる。

彼が鎖から解き放たれる場。草原や花園などではなく、そこは戦場。感傷に浸る事も許されず、彼は最前線での闘いに放り込まれる。数えきれぬほど語らいあってきたその背中で、再び僕たちの希望と不安を一身に背負う。親友の口癖となっている言葉。はたして彼は「平常心」でいられるだろうか。これまでにない不安を胸に、復活の地へ足を踏み入れるのではなかろうか。ならば今度は、僕たちが彼の背中を押す番だ。大きな声で、勇気を。

212日ぶりの戦場。7月29日、復活の守護神・塩田仁史の2009年が幕を開ける。瑞穂でその瞬間に立ち会える幸福者には、責務がある。見慣れたはずのその背中に、少しでも困惑の影が浮かんだら、雷鳴が如き声援で、それを吹き飛ばしてほしいのだ。東京で、テレビの画面越しでしか再会を果たせぬ僕たちも、微力ながら共に奏でよう…縛めから解放された彼に捧ぐUnchained Melodyを。さぁ、泣くのはやめて。涙は試合の後までとっておこう。

Godspeed you.

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2009年7月28日 (火)

Unchained(後篇)

名古屋戦を軽視しろというつもりはないが、現実的なやりくりで、ここを上手に乗り切ってほしいのだ。4点リードしている時点で、意図あるメンバー交代は絶対必要。虫垂炎の症状をごまかしごまかしプレーしてきた長友佑都は、遠征メンバーからも外してほしい。椋原健太が遜色ない働きをしてくれるはず。共に左足を痛めている今野泰幸と梶山陽平、この二人を外すのは勇気のいる選択であり、おそらく二人を同時に外す事はないだろう。

守備が崩壊しないかぎり「勝てる」一戦だ。やはり今野とブルーノクアドロスという軸は動かせないか。いや、ケネディという厄介な巨人を退治するミッションこそ、乾坤一擲・佐原秀樹の輝ける舞台になるかもしれない。いやいや、それでもやはり「コンブル」固定こそが勝利を手中に収めるための確実な選択だろうか…さすればビルドアップの起点となる二人と梶山が形成する三角地帯は、立入厳禁の重要戦略拠点のままなのかもしれない。

以上、ここまでが27日月曜の落書きである。

週末の外出続きが堪えたのか、ヒマワリ君が熱を出してしまったのである。ブログの更新どころでなく、アイスノン枕に小さな…否、大きな頭を乗せ、無意識に嫌がって寝返りをうつか細い首筋に、ガーゼを巻いた保冷剤をあて続けた。授乳期を終えた男の子は、結構すぐ熱を出すと聞いた事があるが、まさに今そういう時期なのかもしれない。もっとも、すべてのバロメーターといえる食欲が旺盛である時点で、大きな心配は要らないのだが。

日付が変わり28日火曜、喉が渇いたぞという大きな泣き声で起こされ(まだ2時だぞ)、最近お気に入りの「電話の子機」で前頭部を殴られ、再び起こされる(まだ4時だぞ)。大事をとり仕事を休んでくれた奥様に王子を託し、充血した目で出勤する。地下鉄の中でチェックした記事には『罰則ぎりぎり』『ターンオーバー』といった単語が並んでいた。やはりメンバーを入れ替えて瑞穂に乗り込むようだ。規定に従うと、入替の上限は5名。

その5名の枠をフルに活用するとの報道だ。内訳は僕の想像とは違っていたが(上述のトライアングルに加え、前線で時間を創出できる平山相太だけは外せないと思っていた)、そこは城福監督が判断する「ベスト」。出場機会を得た選手たちは、是非このチャンスを活かしてほしいものだ…とまぁ、こんな事を書きながら、僕は電話の親機で脳天をかち割られたかのような衝撃を受けている。名古屋行き中止という判断を悔いてしまう理由は…

言わずもがな、塩田仁史復活というドラマ。

2009年07月28日付
現在の青赤指数=67(→)
■■■■■■■■■■10発狂
■■■■■■■■■■
20絶望
■■■■■■■■■■
30暗鬱
■■■■■■■■■■
40不安
■■■■■■■■■■
50平常
■■■■■■■■■■60希望
■■■■■■■□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎ベストメンバー規定…ねぇ。

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Unchained(前篇)

盛況のうちに幕を閉じた大相撲名古屋場所であったが、なかでも印象に残る活躍をみせたのが大関・琴光喜の奮闘だった。愛知県岡崎市出身、すなわち僕の奥様と同郷という事もあり応援するようになったのだが、11日目に横綱・白鵬を寄り切った一番は、手に汗握る素晴らしい内容だった。もっとも、翌日から連敗し、あっさり優勝争いから脱落してしまうあたりも、彼らしい「活躍」だった。賜杯の行方は、白鵬と琴欧洲の二人に絞られた。

琴欧洲勝紀、本名カロヤン・ステファノフ・マハリャノフ。2002年11月の初土俵から驚異的なスピード出世を遂げて、大関の地位まで駆け上がってきた「角界のベッカム」。3歳年上の元・客室乗務員を口説き落とすという発奮材料を味方に、日本語も驚くべきスピードでの上達をみせる。この国への滞在期間を鑑みると、彼のブログと某キングのブログを比較して、そのセンスの良さが実感できる。相撲トーク終了。ここまでが前置きである。

FC東京はそんじょそこらのチームじゃない

びっくりしたのだ。同じブルガリア出身で、琴欧洲とも親交が深いといわれている、イリアン・ストヤノフのコメントに。ブルガリア代表DFであり、サンフレッチェ広島が展開する「どんな強豪が相手であろうとも一歩も引かず、真っ向勝負を挑む果敢で華麗なパスサッカー」を、最終ラインからコントロールする男。そんなストヤノフが口にした『そんじょそこら』なる言葉。琴欧洲同様、日本語堪能のストヤノフならではの味わい深さだ。

通訳が日本語に翻訳しただけだろうって…?インターネットの翻訳サイトを開いて、ブルガリア語で『そんじょそこら』はなんと言うのか調べてみた。検索結果:SONJO SOKORA。まさか!一瞬ドキリとしたが、該当する語は存在しないという意味らしい。『今日のゲームで槙野、ミキッチ、森崎和がベンチに座っていれば、結果は違っていたかもしれない』懲りないペトロヴィッチであったが、ストヤノフの発言で少し溜飲が下がる思いがした。

ストヤノフに誉めてもらった(?)FC東京であるが、厄介な一戦をミドルウィークに迎える事になった。そんじょそこらのアレではなかったみたいだ、ジョシュア・ケネディ。すっかり自信を取り戻した感のある名古屋とストイコビッチ監督。今さらながらダヴィの起用に固執した不可解な采配を悔やんでいるのではないだろうか?スコアの面では圧倒的優位のまま「2nd. Leg」に臨める東京だが、油断は禁物。攻守の秤、意思統一が重要だ。

以降、勝手な予想と想像を綴らせてもらう。さすがの城福監督も、瑞穂ではガッチリ固定されている「先発の鎖」を解くのだと思う。一戦必勝とはいえど、シーズンを線で考えるべき局面は必ずやってくるわけで、今回がまさにそれなのである。赤鯱が蘇生したといっても、銛(もり)は深く突き刺さったままであり、半死半生の状態である事にかわりはない。陸揚げの瞬間、最後の抵抗を試みる流線型のボディをひと突きすれば済むのである。

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2009年7月27日 (月)

恥を知れペトロヴィッチ(後篇)

やりきれない気持ちで席を立った僕は、久々味わう脱力感を背負って、出口へ向かった。その途中、白色を基調とした浴衣がやけに似合う村林社長に出会う。無念そうに右の拳で左の掌をパチーンとぶつける社長から握手を求めてきてくれた。お世辞ぬきで、浴衣姿がなかなかイケてるのだ。夏休み期間は浴衣と団扇(うちわ)でハーフタイムにドロンパと一緒に盆踊りする社長…好感度を上げるにはもってこいの作戦かもしれない。無理かな。

でも、お偉くなればなるほど「可愛げ」ってのは大切よ。犬飼さんになくて、鬼武さんにあるのは、それ。だから、ねぇ?村林さん。

祝勝会ではない打ち上げも久々。「ぎょうざ家」に到着後、僕はとんでもない過ちに気づいた。試合後、城福監督が秘密兵器の輪ゴム鉄砲を炸裂させるかどうか、メインスタンドから注目していたばかりに、こともあろうに財布を座席に置き忘れてしまったのである。財布の中にはいくばくかの現金の他、銀行のキャッシュカードや各種クレジットカードが入っている。さらに、わざわざ東京のレプリカに着替えて写真撮影した自動車免許証も。

それより大きな問題が。再発行が許されないアレ。カネ、カード、メンキョより大切な、クラシコ・川崎戦のチケットも入ってるのであった。その他にも、スポーツジムの会員証にもわざわざ青赤のレプリカに着替えて撮影した写真がプリントされている。すごーく満足そうなあの笑顔…いかん、あれは恥ずかしすぎる!暗鬱たる気分で、僕はペーニャ・ナーサリー関係でお世話になっているクラブスタッフの携帯電話を鳴らし、助けを求めた。

乾杯のビールすら注文する気になれず、ただ呆然と時間の経過に焦れる僕に、10分と間を置かず朗報が届いた。しっかり忘れ物として預けられているという。嗚呼!日本に生まれてよかった、東京で生きててよかったです。灯火を落とした味スタへと走る。多種多様な金属音をたてイベントの撤収作業が進むスタジアム、スポーツボランティアの皆さんは、その時間になってやっと一日の仕事を終え、締めのミーティングを行っていたところだ。

本当にありがとうございました。ミーティングの輪の中に乱入し、僕は御礼の挨拶をさせて頂いた。試合後、いつも僕たちのスタジアムをぐるり一周して、あらゆるゴミをピックアップしてくれるボランティアの皆さん、この夜の試合内容はアレでしたが、試合後、僕は実に勝手に、個人的な感動を味あわせて頂きました。これもすべて保有資産の一部、そして完売されたといわれる川崎戦のチケットを失うかもしれないというリスクの裏返し。

嬉々としながら線路向こうの「ぎょうざ家」へと戻る道中、見た事もない閑散とした大通り。しかし(恥ずかしいけれど)その瞬間、勝者は僕ひとりだった。現金も、恥ずかしい写真の免許証も、ジムの会員証もすべて僕の手に戻ってきた。これもすべては東京のホームゲームを支えてくれる、ボランティアの皆さんのおかげだ。ありがとう東京!ありがとうスポボラ!やはり人生、リスクを冒さぬ者には、本当の歓びは与えられないのである。

ねえ、本当に満足?ペトロヴィッチさんよ?僕は「ぎょうざ家」で待つ仲間に借りたママチャリをこぎながら、怪しくニタリと笑う。

【2009年19節】 FC東京(0-0)サンフレッチェ広島 ※観衆27,846人

『こんな守備的なサッカーを誰が見に来るのか。まるでバルセロナのようなスター軍団と対戦しているかのように守備を固め、彼らは亀の甲らから出てこない』

前節、ジェフ千葉相手に4対1と大勝を収めながらも、試合後のコメントで敗者をこきおろした、サンフレッチェ広島・ペトロヴィッチ監督のコメントである。

2009年07月27日付
現在の青赤指数=67(→)
■■■■■■■■■■10発狂
■■■■■■■■■■
20絶望
■■■■■■■■■■
30暗鬱
■■■■■■■■■■
40不安
■■■■■■■■■■
50平常
■■■■■■■■■■60希望
■■■■■■■□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎自分で招いたリスクなんですけどね

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2009年7月26日 (日)

恥を知れペトロヴィッチ(前篇)

ペトロヴィッチよ、恥を知れ。言い過ぎとは思わない。彼が築きあげてきた好感度の高い広島のサッカースタイルに敬意を感じていたからこそ、期待を裏切られた気分で一杯だ。圧勝したにも関わらず、試合後に対戦相手を愚弄するようなコメントを残した前節、その舌の根の乾かぬうちに(2枚あるから乾きにくいのか)あのつまらないサッカーである。夏休みを過ごす少年少女たちに夢も希望も与えない、ただただ暑苦しい試合内容だった。

良い悪いではなく、好き嫌いで語るわけで、一言、大嫌い。長いシーズン、局面にあわせ臨機応変に戦術をカスタマイズする必要もあるだろう。連勝を続ける東京、あからさまに「引いて」試合に臨んでくる相手もでてくるだろう。しかし、よりによってそれがサンフレッチェ広島になろうとは、まったく思いもしなかった。千葉戦の後、会見の場で語った勇ましいばかりの言葉は、ブラフだったというのか。まったく食えないオッサンである。

あるいは目の肥えた観客には見応えのあった一戦だったのかもしれない。自陣深く守りを固めて、敵の一瞬の隙をつかんと闇夜で目を光らせる熊…あのねえ、熊なんだから、もう少しわかりやすく、真正面から攻めかかってきなさいよ。スタンドの大多数が求めていたのは、フェンシングではなく、ボクシング。それも気持ちよいくらいの殴りあい、喧嘩。日本で一番面白いだの云々と、一生懸命メディアにもちあげてもらった一戦だったが…。

蓋を開けてみると、残念ながら観客動員増は到底見込めぬ、我慢比べのような試合展開。「穴熊」とはよく言ったもので、プロの棋士ならまず選ばぬ、守り一辺倒のガチガチ布陣なのだった。僕は買いかぶりしていたのか。信念を貫いた結果J2降格の憂き目に遭い、それでもさらに信念を貫かんと、異例の監督続投、大部分の選手も残留したうえで見事なJ1復帰を果たす…敵ながら密かに敬意と、ちょっとしたロマンすら感じていたのだが。

後半の序盤、システム変更したのか、前線の選手が前へ張り出してきたように思えた時間帯もあったのだが、気がつけば再び「はじめてのおさんぽ」で、横断歩道が怖くて道路を渡れない臆病者のパグみたいに、腰が引けた紫なのであった。徹底的に巣穴に籠ってしまった敵に、東京もこんがり手を焼き続ける。梶山陽平の飛び出しや徳永悠平のアーリークロスなど、効果的な「変化」もみられたが、いずれも得点には結びつかず。じり、じり。

ポジティブに物事を捉えると、イビチャ・オシムに多大な影響を受けたセルビアの名将をして、信念を曲げてまでの引きこもりというカードを選択させたのが、現在の城福東京という事になる。裏のスペースを完全に消し、6バックとも7バックとも映った、徹底的な守備的腐心というか守備的布陣を崩すなら、やはり求められるのは、セットプレーからの得点か、突出した個性のいずれかだと痛感させられたのも事実。大竹洋平が観たかった。

ロスタイムは3分。ボールを奪い前がかりに攻め込む自軍の選手たちに、全身を動かして興奮気味に指示を出すペトロヴィッチの姿があった。通訳を介すまでもなく、そのボディランゲージが表す指揮官の意思は『戻れ!戻らんか、戻れ!戻るのだ!』なのであった。最後の最後まで「ミッション勝点1」は貫き通された。苦笑混じりに薄汚いブルーの半袖シャツを見守りながら、僕たちは試合終了のホイッスルを聞いた。まさかのスコアレス。

京都サンガ以外には絶対不可能とすら囁かれていたFC東京とのドロー、その偉業を見事達成したペトロヴィッチ監督は、満足そうな表情でベンチのスタッフ・選手たちと握手を交わした後、敵将と健闘を讃えあった。僕は密かに城福監督が握手を拒否するか、何故かポケットに入っていた輪ゴムを指鉄砲で一発お見舞いするか、そのいずれかを期待していたのだが、そこはさすがの城福さん、一切の揚げ足を取らせない、素敵な笑顔での握手。

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2009年7月25日 (土)

恥を知れペトロヴィッチ(序篇)

『こんな守備的なサッカーを誰が見に来るのか。まるでバルセロナのようなスター軍団と対戦しているかのように守備を固め、彼らは亀の甲らから出てこない』

前節、ジェフ千葉相手に4対1と大勝を収めながらも、試合後のコメントで敗者をこきおろした、サンフレッチェ広島・ペトロヴィッチ監督のコメントである。

2009年07月25日付
現在の青赤指数=67(▼)
■■■■■■■■■■10発狂
■■■■■■■■■■
20絶望
■■■■■■■■■■
30暗鬱
■■■■■■■■■■
40不安
■■■■■■■■■■
50平常
■■■■■■■■■■60希望
■■■■■■■□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎下降要因:
・広島がそれをやっちゃいかんよ(▼1)

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2009年7月24日 (金)

つかむべきは

僕たちの桃色蹴球通信『エルゴラッソ』紙が表紙に選んだ2009年第19節の注目カードが、他ならぬFC東京vsサンフレッチェ広島なのである。指揮官が理想に掲げる攻撃的なパスサッカースタイル。『日本サッカーの未来を担う』とまでもちあげられた、信念対信念の激突。また、この一戦は両チームが誇る看板FWが繰り出すパフォーマンス・コンテストという見処も包含している。すなわち、旗をつかんでのアレと、股間をつかんでのアレ。

当然つかむべきは股間であり、勝利である。

飛田給イライラ決戦。実績では佐藤寿人に、新鮮味では平山相太に分があるとみた。はたして、どちらが相手サポーターの怒りの炎に油を注ぐ事ができるか。闘いをヒートアップさせる、その熱量比較にも注目が集まろう。リーグ戦も折り返し地点を通過し、いよいよ城福東京「Revenge Tour 2009-2010」が開幕する。決して秋冬制に賛同しているわけではなく、来年の元旦がツアーファイナルになるんだぜという意味を込めてのネーミングだ。

ツアーは、シーズン前半に苦杯をなめさせられた、広島そして川崎との連戦からスタートする。現地参戦せず、しかも実家の風呂場でケータイ観戦となった5月の広島戦。小さな液晶画面のコマ落ち動画だけに、試合の詳細まで見届けられたわけではないが、カボレを欠く攻撃陣は、石川直宏の惜しいシュートがあったものの、結果として完敗に近い敗戦となったという印象。しかし《あのときの俺たちとはひと味違うんだぜ》がツアーの副題。

今日本で一番面白いのは?…そんな刺激的なコピーが踊る、ピンクの専門紙。言われなくても面白い、現在のFC東京。あえてそれをフューチャーしてくれるなら、オフを過ごすナオのように、気分良く波に乗らせて頂こうではないか。小細工抜きで、ひたすら直線的に、徹頭徹尾攻撃的に挑んでくるのが広島。そんな相手に対して、ゲームを支配する事ができれば、火薬不要の花火が無数に打ち上がり、浴衣デーをより華やかに彩る事だろう。

もうケチョンパンにしてやりたいのである。

【註】 けちょんぱん [副]
完全にやっつけるさま。徹底的に痛めつけてもう二度と立ち上がれないくらいの精神的なダメージを与えた挙句、一切の同情を含まぬニタニタ笑いを浮かべながらヒラヤマイケルポーズで追い討ちをかける、無慈悲なさま。ケチョンケチョンとコテンパンの合成語であり、西日本で使われるコテンチョンは同義。

写真は三連休に家族で訪れた那須のアウトレットで撮影。アディダスショップのサッカーコーナーにて、買いもしないのに片っ端からレプリカをかき集め、頼まれてもいないのにその一角を青赤に染めたものである。わはは

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2009年7月23日 (木)

宮沢正史の現在地

何故かJ2の選手が表紙を飾る専門誌。なるほど、実は密かに東京ヴェルディも絶好調。破竹の6連勝とやらで上位に肉薄しているのだそうな。やるなヴェルディ絶好調!さすがヴェルディ絶好調!絶好調!絶好調!これを言われるとそれ以上の良化が見込めない気がするので、複雑な気分。やんわり拒否反応を示した石川直宏の意思を尊重し、このブログでも自粛してきたが、ヴェルディ相手なら問題ないだろう。いよッ!ヴェルディ絶好調!

何度も書いてきた事だが、他意なく、真剣に心の底からヴェルディの昇格を願っている。ダービーのないリーグなんて、ワサビ抜きの寿司みたいなもの。もっとも、ツンともスンともこない、干からびたワサビなのだけど。それでもあの「緑」は必要悪。良性の腫瘍というか、豚肉の脂身というか、とにかくまあそんな存在(ワケわからん)。味の素スタジアムでの「ホームゲーム」が2試合増えるという効能以上の何かが期待できるのだから。

だから、頑張れヴェルディ絶好調!と、こう書き残しておいて、木曜の朝を迎えたわけであるが、どうやらあちらさんは昨夜、敗れてしまった模様。絶好調だなんてNGワードを書きすぎてしまったからかもしれないなと、なんだか申し訳ない気持ちになってしまった僕であったが、まあその、なんだ、とにかく頑張ってくれ、名門・ヴェルディ絶好調!…閑話休題、余計な話でずいぶん寄り道してしまったようだ。そろそろ話を本題に戻そう。

依然として、表紙のモデル人選にはまったく納得できないわけだが(先週号の表紙が石川直宏だった事を思うと、その落差たるや同じ雑誌とは思えない)平山相太を18節MVPに選出した実績に免じて『サッカーマガジン』誌を購入。Jの扱いが小さい週刊誌はいつも立ち読みで済ませてしまうが、東京が勝つとご祝儀を兼ねて購入する事にしている。前例なき連勝は、前例なき連続購入という現象を誘発しており、懐が少しスースーしてきた。

平山の他、今野泰幸も18節ベストイレブンに選出。妥当な評価と満足しつつ、11人の顔写真が並ぶなか、歯をみせていないのが東京の二人だけという事が少し気になった(これは選手名鑑発売時から気になっていたのだが…東京の選手は往々にして表情が硬いのだ)。顔写真の口許ばかり注目していたため、思わず見落とすところだったが、ふと、懐かしい笑顔が視界に飛び込んできた。人の好さそうな、でも少し困った感じの笑顔、宮沢正史。

なんだか、嬉しいな。

シャムスカ監督解任後の初戦、浦和を相手に久々の勝利を飾り、九州石油ドームが笑って泣いた、そんな状況だったのだろうか。その試合で、堂々先発フル出場を果たした宮沢。興味深いのは寸評だ。【鋭い出足で浦和のパス交換の輪に入ってインターセプトを連発】【守備に重心を置きながら、随一といって良い運動量】驚いた。(失礼ながら)言葉だけ並べたなら、これが宮沢へ向けられた評価だとは、誰も想像できないのではなかろうか。

なんだか、嬉しいな。

ポポヴィッチ新監督から守備へ注力する事を要求されたので、自分でも必要だと思っていたのでチャレンジした。東京を離れて以来、西へ東へ移り住み、決して順調とはいえない日々を重ねてきた宮沢。ここにも一人、N字型成長曲線を刻む男がいるのかもしれない。そういえば石川直宏“Version 2002-2004”の縦の突破と、宮沢が左後方から送るロングフィードの相性はバッチリだった。はたして宮沢正史“Version 2009”の正体や如何に。

CATVの再放送を録画予約。今夜ゆっくり鑑賞したいと思う…足の速さは、あのままかな?

■Masashi Miyazawa - Recommended Back Number
2008/03/30 『不意に宮沢正史を思う』

2009年07月23日付
現在の青赤指数=68(→)
■■■■■■■■■■10発狂
■■■■■■■■■■
20絶望
■■■■■■■■■■
30暗鬱
■■■■■■■■■■
40不安
■■■■■■■■■■
50平常
■■■■■■■■■■60希望
■■■■■■■■□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎先は長いから無理は禁物!

「一度吐いちゃえばラクですよ!」
303_hirayamichael_3

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2009年7月22日 (水)

平山道(後篇)

感覚が麻痺してしまうのも理解できる。現在東京が公式戦何連勝しているのかを、正確に答えられないファンも多いだろう。しかし、この事実を忘れてはならない。7月に闘った4戦、僕たちが喫した失点がわずか「1」であるという実績を。その堅守を支えるのが、言わずと知れたCBコンビ。この日も相方顔負けのインターセプトから、ドリブルで駆け上がる姿で痺れさせてくれた、ブルーノクアドロスが、貴重な追加点を演出してくれた。

お互い1本ずつ、セットプレーからの惜しいヘディングがあった。それが伏線に思えてくる二人の共同作業。ブルーノが右足で叩きつけたボールがバーへ当たり、跳ね返りを今野泰幸が冷静に押し込んだ。流星だなんだと、美しいゴールを見慣れてしまった僕たちにとって、久々の泥臭い得点シーンだった。点を取るべきFWがきっちり仕事し、さらにCKからCBコンビが点を奪う。苦しい状況でも確実に光明が見出せるのが、現在の東京だ。

あの場面でブルーノが完全“どフリー”状態だった事実を差し引いても、チームとしての底力がついてきている事を実感できるのだ。かつての磐田、鹿島、浦和。常勝軍団と謳われ一時代を成したチームは、如何なる苦境に立たされようとも、勝つ術を体得していた。得体の知れぬ懐の深さを見せつけられ、いつか超えてやるぞと勇んでみたものの、いつになればその域に達する事ができるのか、皆目見当もつかず、途方に暮れる日々を重ねた。

『ひょっとしたら』こんな勝ちかたができるチームが結局、強い。過去、散々対戦相手に抱いてきた思いだ。決して美しくはないが、最後は勝って終わる。勝ったから強い、強いから勝った。終わってみればそんな勝ちかただったのではなかろうか…この夜の勝利は。締めの一品、賛否両論キープショー。それは天然なのか、計算づくなのか、彼だけにしか醸し出せない独特の空気で、平山は時間を、そして“漢”藤本主税の表情をも歪ませた。

責任感の塊のようなキャプテン・藤本を沸騰させるに止まらず、重箱の片隅で展開されたニヤニヤとイライラの交錯は、大宮に対する絶妙なる駆け引きとなったのかもしれない。時の流れを緩める作業を務めた両名が、突如ネジを巻き直したのだ。『聞いてないよ』と慌てふためく大宮陣営に、こぼれ球を拾った鈴木達也が迫る。彼に並び、一気に追い抜く脅威のダイナモ・長友佑都。あの時間にしてあの激走。まさに緩急自在の再襲撃だった。

「3点目の使者」タツヤが送るラストパス。右前方45度に方向転換した長友が飛び込む…その刹那、左後方45度から猛然と奪い取る、ヒラヤマイケル。彼もまた、理屈の通じないタフガイなのであった。スライディングから生まれた左足での3点目。長友の突貫は気の毒としか喩えようのないムダ走りとなった。前後半ロスタイム、そのまま終わると見せかけて、期待を裏切るツンデレゴール。両軍ともに、一人のスーパースターに翻弄された。

世間は安易に覚醒という言葉を使いたがる。はたして怪物は眠りから醒めたのだろうか。とっくの昔に目覚めていたように思えるし、まだ鼾をかいて眠っているようにも思える。その道は。何処へ往くか、何処まで続くか。それは誰にもわからない。きっと彼自身にもわからない…いや、彼が一番わかっていない気がする。精悍さを増した顔つきで、しかし相変わらず飄々と、彼は彼だけの道を往く。険しい道なのに、それを一切感じさせずに。

小雨降る街道を南下する。戸田橋には人影が見えず、上機嫌の僕は、この橋を渡り終えるまで歌い続ける事にした。ヒラヤマ~ヒラヤマ…橋の途中で東京都に入った。結局、僕は何回その名を唱えたか、数え忘れてしまう。

行きはよいよい中山道。
帰りもよいよい平山道。

【2009年18節】 大宮アルディージャ(0-3)FC東京 ※NACK5スタジアム大宮

2009年07月22日付
現在の青赤指数=68(▼)
■■■■■■■■■■10発狂
■■■■■■■■■■
20絶望
■■■■■■■■■■
30暗鬱
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40不安
■■■■■■■■■■
50平常
■■■■■■■■■■60希望
■■■■■■■■□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎下降要因:
・連戦の代償…離脱者続々(▼1)

「次はムーンウォークだな…」
302_hirayamichael_2

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2009年7月21日 (火)

平山道(中篇)

芝の長さなど、実際プレーした者にしかわからぬ事情はあっただろうが、それでも東京のサッカーが安定感を欠いた一番の要因が「疲れ」である事に疑いはない。長友佑都のトラップが乱れ、梶山陽平のパスがあと一歩のところで届かない。米本拓司のサイドチェンジが大飛球になってしま…これは疲労と関係ないか。両ボランチの位置でボールを失い危機を招く場面が散見された事が、受け手とな