西へ東へ
『緊急の場合はカイシャのケータイにお願い』というメッセージを送り、19時ちょうどに携帯電話の電源を切る。録画の予約は正しくセットされているよね?返答を待たぬまま情報遮断体制に入った。衛生の問題上、ソースの二度づけはお止め下さい。柱の貼紙に苦笑する。衛生という言葉が聞いて呆れるディープでワイルドな店内環境。立ち食いカウンターに設置されたソースにじゃぼり串揚げを浸し、荒々しく喰らう。
灰皿は一切置かれていない。全面禁煙ではなく、吸い殻は足元に捨てるというローカルルールだ。落花生の殻がフロアに積もるラッフルズホテルを思い出した。ただし、今夜はシンガポールスリングではなく、生ビールにハイボール。先発メンバーだけは事前に確認していた。最後になるかもしれない…浅利悟の重いコメントを噛み締めながら、コテコテに腹を満たして新幹線に飛び乗る。蓮根の串揚げが特に美味かった。
疲れと酔いのおかげで京都以降の記憶が消えている。延々とPlaylistの演奏を繰り返したiPodのバッテリー残量が時間の経過を証明していた。窮屈な体勢でも熟睡できたのは大きい。スムーズに(最近苦手な)夜更かしモードへシフトできそうだ。日付が変わってからの帰宅、深夜のキックオフ。テレビの音量はいつもより小さめの「13」に固定。育ちの地への凱旋を果たす彼の背番号にちなんでいるのは言うまでもない。
特に討つべき仇(かたき)もないのに長崎まで“飛ばされた”東京だったが、まったくテーマがないかといえばそうでもなく、かの名門・国見高校出身の選手にとっては思い出の競技場で久々にプレーする特別な日となった。結果として、注目を集めたカステラ兄弟が揃って結果を出したあたり、脚本としてはなかなか優秀だが、天皇杯日程会場検討委員会(仮)の面々が妙に自信を深めたりしないかどうか心配になった。
露骨なまでの不公平が容認される不思議なトーナメント。誰がどうみても(遠征が楽しいという個別の意見は別にして)公平ではない。「秘密兵器」ふたつ。中村北斗のFKは、おそらく元プロ野球選手の実兄が投げる変化球を足で再現したものだろう。相手GKが気の毒に思えるほどの魔球だった。もう一つが近藤祐介のCK。何も考えていないようで実は考えているようでやっぱり考えずに蹴っている雰囲気が奥深い。
頑強な身体を活かしたポストプレーなどで復調を印象づけた近藤だったが、負傷交代のダメージの程度が気になる。攻撃陣のカード不足は深刻だ。強風に悩まされた一夜だったが、“ドリブラー”田邉草民に吹きつけるアゲインストの風も相変わらずだ。大竹洋平がピッチに立つ機会も久しく見ていない気がする。中3日で次は丸亀巡業を強いられる東京。矛先を交えるのはJ1昇格を決め、意気が上がるベガルタ仙台だ。
まさに傷だらけの青赤。弁解無用の歪んだトーナメントだが、さすがに苦しい材料が出揃った感がある。次戦を制して地元・仙台(という噂)での準々決勝に駒を進めたい敵の意地が勝つか、昨年に続き師走の杜都で牛タン殲滅作戦を敢行したい僕たちの食い意地が勝つか。諸事情により讃岐うどんは断念し、牛タン一本に照準を絞る事にした。悲しく切ない天皇杯のテーマ曲が好きだ。あの歌声を12月に何度も聞きたい。
【第89回天皇杯3回戦】 FC東京(3-2)ザスパ草津 ※長崎県総合運動公園陸上競技場
■■
2009年11月12日付
現在の青赤指数=63(→)
■■■■■■■■■■10発狂
■■■■■■■■■■20絶望
■■■■■■■■■■30暗鬱
■■■■■■■■■■40不安
■■■■■■■■■■50平常
■■■■■■■■■■60希望
■■■□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂
◎フクアリコーナー自由席1枚あります
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