Shooting Star(中篇)
カボレが倒され、やすやすとPKを獲得したころ、ドロンパみたいなお腹をした彼は、ママの腕の中ですやすやと寝息をたてていた…作戦は成功したようだ。唐突な感があった先制のチャンスだったが、青赤ビギナーズにとっては実にわかりやすいシチュエーションであった。じっくり腰を据えて「0か1か」を見届ける事ができるからだ。『PKって普通は入るんですか?』イノセントな質問へは返答に窮してしまうのが、人の世の常である。
背番号9から10へと権利移譲されたのを確認したうえで、僕は答える。『普通は決まります。決まりますよ』復唱したのは自分を落ち着かせるためだった。心中カボレに詫びながら、梶山陽平を凝視する。力強く蹴りこまれたボールがゴールネットを、そしてスタジアムを揺らす。観戦経験の多寡に関わらず、平等に心の準備が許されるPKは、新人研修にもってこいの教材だった。ビギナーズも出遅れる事なく立ち上がり、笑顔でワッショイ!
予想以上の「はやさ」だったのは、先制点を奪うタイミングだけではなかった。あっという間に空になった紙コップ二つ。オイオイ、可愛い顔してなかなかイケるじゃねーかと、公約通りビールを振る舞う。夜空の下で飲むビールは最高!そんな理由で青赤に染まってゆく人がいても良いではないか。しかし僕のスカウティングは甘かった。敵は(味方だけど)祝勝の宴席で、霧島地鶏の刺身を肴に、焼酎をロックで飲み干す強者だったわけだ。
安定感が増す一方の4バック、さらにはボランチの二人を軸とした守備陣の奮闘により、東京リードのまま時間が経過する。すなわちビール飲み放題、レディースデー・ハッピータイムが継続。何杯オーダーしたかは伏せておこう。あまりに多いと彼女たちの名誉を傷つけるし、あまりに少ないと僕が単なるケチオヤジになってしまう。高さが武器のはずのヨンセンに、高さと無縁のゴールを奪われ、ハッピータイム終了。さすがは強豪・清水。
駒沢で遭遇したエスパルスとは違う。時代が違えば国民的スターになっていたはずの岡崎慎司がいる。決勝トーナメント進出を決めたうえでの予選最終節という、微妙なモチベーションとも無縁。【反撃の夏】新たなコピーを掲げた、城福東京の行末を占うには格好の対戦相手だ。この季節、雑誌『ターザン』が腹筋特集を組むのと同じくらい、清水が調子を上げてくるのは恒例のパターン。かくしてオレンジ色の試金石が眼前に立ち塞がった。
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2009年06月30日付
現在の青赤指数=63(→)
■■■■■■■■■■10発狂
■■■■■■■■■■20絶望
■■■■■■■■■■30暗鬱
■■■■■■■■■■40不安
■■■■■■■■■■50平常
■■■■■■■■■■60希望
■■■□□□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂
◎季節はずれの「絶対残留」
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