« ドラマの舞台設定 | トップページ | 国立から神宮へ »

2008年6月 2日 (月)

転ばぬ先の杖(ナビスコカップ予選最終節展望)

想像以上に戦闘的だった“暴れん坊”ぶりに嬉々とさせられた週末が過ぎ、今朝の僕は新幹線で通勤した。久々の同居を通じて「将軍」の異名を与えられたヒマワリ君(生後2週間)、そんな彼の夜泣きのおかげで頭がぼんやりしたままロクに機能していなかった。それでも僕には寝ようにも寝られぬ理由があった…非常に引っ掛かっている事があったからだ。この日梅雨入りが発表された東京に新幹線が到着するまでの1時間半、極めて文系な脳内構造をしている僕は必死になって稚拙な加減算を繰り返しようやくひとつの仮説を導くに至った。

【グループ2位の成績上位2チーム決定方法】
決勝トーナメントに進出する2チームは、各グループ2位の4チームの中から、以下の順によって決定する。
1. 予選リーグの勝点
2. 得失点差
3. 総得点数

4. 抽選

当事者意識が高まるにつれて否応でも気になってくる「4. 抽選」。
イッタイナンナノダ、コレハ?勝点、得失点、総得点のすべてが同じ成績ならば申し訳ないけどサッカーとは全然関係ない世界で決勝トーナメントに進めるチームを決めてしまうからさ、悪いね!という何とも軽はずみな無責任さを感じてしまうのは僕だけだろうか?そもそも抽選方法が明記されていないのが気になる。「あみだくじ」を得意とするチームもあれば、何が何でも「ジャンケン」勝負に持ち込みたいと願うチームもあるだろう。これは勝負の世界に生きる男たちにしか理解し得ない非常にデリケートな問題といえる。さらに心配なのは抽選の模様が公開されるのかどうかという点である。W杯3次予選・オマーン戦を控えた岡田ジャパンの直前練習や、某専門誌のコラムでセルジオ越後氏が激怒していた日本サッカー協会役員改選の選任方法にもみられるように、この国のサッカーシーンでは現在“非公開”が花盛りである。この流れに乗って国内カップ戦の決勝トーナメント進出チームを決める大切な抽選ですら密室の中で行われようとしているのならば、もはや救いようがない。いつのまにか“敗者”とされたチームの関係者やファンのやり場のない怒りがネガティブな空気を生み出す事は不可避である。

確率論の上で可能性がある限り、それを追い求めるのが夢追人(と書いてヒマジンと読む)の宿命。ならばいったい如何なる条件が整えばこの抽選が実現してしまうのか、新幹線が三島駅を通過するあたりから一生懸命シミュレーションを積み重ねてみた。

Cグループ
  千葉(0-3)川崎
  札幌(0-4)柏
Dグループ
  新潟(5-3)横浜FM
  大分(2-2)大宮


さぁ、どうだ。予選突破の可能性が残されたチームと望みが絶たれたチームのモチベーションの差異を考えると、あながち実現不可能なスコアではないような気がしてくる(ビッグスワンの乱打戦が少々“苦しい”かもしれないが)。確率の多寡は横に置いておいて、とにかく予選最終節がこのような怒涛のスコアで終了した場合、我々は惑星大直列とでも呼ぶべき奇跡の横並び現象に直面する事となるのだ。
すなわち川崎、柏、横浜、大分と、実に4チームが勝点9、得失点差+3、総得点数10という同一成績で並び立ってしまうのである。そして笑えない事に我らがFC東京もまた最終節の結果次第ではこれらの仲間入りを果たす可能性が残されているのだ。

Bグループ
  東京V(2-2)FC東京

各グループ2位の決定方法には当該チーム間の対戦成績という項目も用意されており、これによって川崎と横浜が栄えある抽選に臨む権利を得る事となる。これに東京を加えた3チームで、決勝トーナメントへ進出できる残る1席(または2席…Aグループ神戸の成績次第)を奪いあう事になるのだ。もはや筆舌に尽くし難いほどエキサイティングでファンタスティックな展開、日本サッカー界が総力をあげて提供し得る極限までのスペクタクルなドラマに国中が熱く震えるであろう事は容易に想像がつくわけである。

…やめてくれよ、ホント。

審判問題、選手の不祥事、そして記憶に新しいドーピング問題への後味悪い対応。日本サッカー協会に対する風当たりは日増しに強くなる一方である。火に油、泣きっ面に蜂。このような時期はネガティブな事件が連鎖的に発生するのが世の常であったりするのだ…まさかと思って油断していると痛い目に遭う。先述の総得点数までの項目比較だけであっさり抽選に移行するくらいなら、もう少し踏ん張って“サッカー的要素”だけで決勝トーナメント進出チームを決定する努力(というよりむしろ発想)が必要だったのではなかろうか。最後の最後だけ例外的にアウェーゴール的要素を加えて強引に判定するのも一策だろうし、あれだけフェアプレーの重要性を説いているのだから単純に予選リーグを通じて提示された警告カードの総数で優劣をつけてもよいだろう(むしろこれが決定方法に含まれない事が不思議に思えて仕方がない)。

『アリエナイ瞬間、ガアル』
他ならぬどこぞの財団法人が以前このような秀逸なコピーを掲げて「奇跡」の実現性を謳っているではないか。『アリエナイ』『ナイ』などと高を括っていたら手痛いしっぺ返しを喰らうぞ、協会上層部のお歴々は。もう一度冷静に考えてほしい、できる限りの努力・準備を徹底せぬまま、規約だルールだと主張していざ「抽選」を実施した際の世間の反応を。またもや自分たちの首を絞める騒動に発展するであろう事がどうしてわからないのか。

今からでも遅くない。日本サッカー協会は恥を忍んで頭を下げ、安易に抽選に逃げる現行規定を緊急変更せよ。私案ながらアウェーゴールやカードの枚数については、その制限の有無次第で各チームのサッカー戦術、スタイル、そして(松本が松本だっただけにあまり大きな声で言いたくないのだが)選手個々人の意識も変わり得るとも考えられるため、既に予選リーグを戦い終えた段階でこれら項目を追加するのはある意味アンフェアだ。そこで満を持して僕が温めていたアイデアを披露したい。
1. 予選リーグの勝点
2. 得失点差
3. 総得点数
4. 監督演説

…笑うな。
無機質かつ機械的な抽選などに運命を委ねるくらいなら、よほどこちらの方が美しいではないか。与えられた演説時間は各チーム3分、演題は基本的に各監督に一任されるが『予選リーグを戦い終えての反省』『決勝トーナメント進出に向けての抱負』を盛り込む事は絶対条件とされる。演説の模様はJリーグ公式サイトにおいてインターネットライブ中継され、ファン・関係者の採点投票によって勝ち抜けが決まるという空前絶後のシステムだ。
チームの知名度、そして組織票などによって決して平等とはいえない採決が下されるという不安もあるかと思うが、きっとそれは杞憂に終わる。真の感動とはつまらぬ小細工を無力化させてしまうものなのだ。紆余曲折を経て舞台の壇上に立った指揮官・城福浩という人間の秘められた才能がいよいよ満天下にさらされる時がやってきた。昨冬移籍が確実と報じられた今野泰幸を、そして古巣との離別に悩み苦しんだ羽生直剛の心を鷲づかみにした情熱的な言霊の魔力に、FC東京ファンのみならずすべての演説視聴者が魅了されてしまう事は疑いようがない。

もっとも、それほどまでの名将に率いられたチームが予選最終節を落とす事など考えられないわけである。しっかり勝点を11まで伸ばして7月の準々決勝に向け一同意気を上げようではないか。その後ニヤニヤしながら「他所様(よそさま)」の抽選を見守るのが予選突破を祝す美酒に添える最高の肴となるだろう。

そう、他人の不幸は蜜の味なのだ。

追記:
案の定、文中「架空順位」を導く計算過程においてミスがございました。
謹んでお詫び申しあげるとともに、それがたいして重要なポイントでもないため特に訂正を加える事なく放置させて頂きます事、ご了承願います。

2008年06月02日付
現在の青赤指数=65(▼)
■■■■■■■■■■10発狂
■■■■■■■■■■
20絶望
■■■■■■■■■■
30暗鬱
■■■■■■■■■■
40不安
■■■■■■■■■■
50平常
■■■■■■■■■■60希望
■■■■■□□□□□70幸福
□□□□□□□□□□80歓喜
□□□□□□□□□□90熱狂
□□□□□□□□□□99絶頂

◎下降要因
・松本の悲劇…攻守とも「1点」の重みに泣く“敗戦”(▼2)

長沼健元日本サッカー協会会長のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげます。

|

« ドラマの舞台設定 | トップページ | 国立から神宮へ »

コメント

Cグループはこの想定スコアだと
得失点差で千葉が3位となり
対戦成績で川崎1位柏2位じゃないでしょうか?

そうするとノブリンの広島弁演説との闘い・・・

投稿: 通りすがり | 2008年6月 3日 (火) 11時39分

通りすがり様
コメントありがとうございます。
はぁ、何度も確認したつもりなのにやはり計算ミスがありましたね…スミマセン、ご指摘の通りです。ホント数学は苦手なもので(レヴェルとしては「算数」ですかね)。
それにしても柏の石崎監督を敵に回すとさすがの城福監督でも苦戦は必至かも?金町スピーチダービーの実現を避ける為にも、日曜日はとにかく勝点3を頂きましょう。

投稿: 練馬フレンチブル | 2008年6月 3日 (火) 12時20分

4. 監督演説

・・・笑うなと読む前に
笑ってしまいました。


これなら東京は予選突破しそうだなぁ。
いくらでも語りそうですしね。

原さんだったらもっと安心かな?

投稿: | 2008年6月 3日 (火) 23時58分

誠様
コメントありがとうございます。おかげさまで腰の痛みは臀部、大腿部、そして右足の中指と薬指(何処の誰が足の指で薬を塗るのでしょうか?)の痺れへと発展を遂げ、遂に先日MRI検査を受けました。現在会社の診療所で勧められた薄手のコルセットを着用しながら日々の生活を送っています(涙)。検査結果は後日伝えられる予定ですが、どうやら間違いなく「ヘルニア」らしいですね…。これから徐々に重くなる可愛い物体を抱え上げねばならない立場、じっくり正確に治していきたいと思っています。
えーっと、なんでしたっけ?…そうそう、ヒロミさん(笑)。原先生には是非とも城福監督のスピーチ中継を解説してもらいましょう。想像もつかないですが東京針灸…新旧監督の競演はきっと感動を倍増させてくれるはずです!(ひょっとしたら「すべてがぶち壊し」というリスクも内包していますが)

投稿: 練馬フレンチブル | 2008年6月 4日 (水) 00時43分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/206303/43628275

この記事へのトラックバック一覧です: 転ばぬ先の杖(ナビスコカップ予選最終節展望):

« ドラマの舞台設定 | トップページ | 国立から神宮へ »